@ぴあTOP > インタビュー > 舞台「黒執事」 松下優也×阪本奨悟
今年5月25日から6月7日まで東池袋サンシャイン劇場にて行われた舞台「音楽舞闘会『黒執事』−その執事、友好−」で、主演を務めた松下優也と阪本奨悟。大盛況のうちに終了した本公演をふたりに振り返ってもらった。
Text●星野彩乃 Hair&Make●Coomie(B★side)(松下優也)/岩田恵美(阪本奨悟) Styling●横田勝広(阪本奨悟)
――2人で会うのはいつぶりですか?
松下「舞台終わってからなので、2か月ぶりですね」
――久々に会った感想は?
阪本「すごく新鮮な感じでしたね」
松下「『黒執事』のときのことが蘇ってきました」
――『黒執事』の開催期間中は稽古を含め、毎日ずっと一緒にいたと思うのですが、今振り返ってみて思い出に残っているエピソードはありますか?
阪本「舞台はもちろんですが、逆に合間、合間の何気ない瞬間が楽しかったですね」
松下「本当にキャストのみんなが仲が良かったんですよ」
――そんなみなさんの息の合ったところは舞台にも反映されてましたね。
阪本「でも、初顔合わせのときは緊張で何話したか覚えてないほどガクガクだったんですよ」
松下「もともと僕は人見知りですし、舞台は生まれて初めての経験だったので、経験者の方の中に交じるのは死ぬほど緊張しましたね」
――さらに初舞台な上に主演ですからね。相当なプレッシャーもあったのではないかと。
松下「そういった面で一番近くにいた奨悟は、年齢的には僕よりも年下ですけど、お芝居の面では先輩なので、彼からいろいろ勉強させてもらいましたし、すごく頼りになりました」
(C)枢やな/「生執事」製作委員会
――阪本君から何か松下君にアドバイスをしたり?
阪本「いやいやいや〜〜〜。とんでもない!」
松下「僕が勝手に盗んでただけですけどね(笑)」
――たとえばどんな?
松下「奨悟の芝居に対する姿勢とかですね。凄く勉強になりました。正直、最初は台本の覚え方とかもどうしたらいいかわからなくて。とにかく必死に覚えるのみって感じで、つねに家に帰ってから台本を読んでたんですよ。そしたら、自然と頭の中に入ってきて」
阪本「僕は遅れて参加したんですけど、そのときにはすでに80%近く覚えていて。B僕もがんばらなくちゃって焦らされました(笑)」
松下「“とにかくやばい! やらなくちゃ!”って。僕のほうが焦ってたから(笑)」
――そもそも暗記ものは得意とか?
松下「まったく普通ですね」
阪本「いや、得意だよ〜絶対!」
松下「とにかく必死だったっていう」
――阪本君は台詞覚えはいいほう?
阪本「僕は仕事になると、仕事用のスイッチを入れて臨むんですよ。だから、プライベートではあまり覚えるのは得意ではないんですけど、スイッチが入ったら一気に集中して覚えますね。だいたいひとりで部屋にこもって覚えることが多いんですけど、そのときは周りが気軽に声をかけられない雰囲気を出してるみたいです(笑)」
――何よりお互いがいい相乗効果をもたらしあえてたみたいですね。ちなみに最初に会ったときのお互いの印象や、この舞台を通じて変わったことはありました?
阪本「じつは僕のお兄ちゃんと松下君は同い年なんですけど、すごくしっかりしていて、同じ年には到底見えないなって。お兄ちゃんには悪いんですけど(笑)。でも、最初は僕も人見知りなんで、「こんにちは」って本当に挨拶する程度だったんですよ」
松下「探り探りだったよね(笑)」
阪本「だけど、稽古が進んでいくにつれてどんどん仲が深まっていって、松下君という人がわかっていって。それからはお互い遠慮することなくいろいろ会話するようになりましたね」
松下「僕は普段は松下優也として、歌手として一人で活動しているんですけど、東京という場所で、奨悟やキャストのみんなと出会えて、一緒にお芝居をさせてもらえたことで、学ぶことがたくさんあったのはもちろんですけど、それ以上にいい仲間と出会えたことがうれしかったですね。ある意味、これまでの自分の人生の中で一番大きな出会いといっても過言ではないといいますか。松下優也という活動の幅もここで広がりましたし、何より僕ってこういう喋りかたもできるんだって(笑)。普段はセバスと対照的に声高いですし。とにかくこのお芝居ではたくさんの刺激をもらいましたし、一緒にみなさんとひとつの作品を作り上げられたことで、自分自身成長できたと思いますね」
――お互いが演じた役どころ、キャラクターの魅力とは?
松下「どのキャラクターも非現実的ですけど、僕が演じたセバスチャンは執事で悪魔という絶対に存在しないキャラクターなので、最初は戸惑いもありましたが、何を考えてるのかわからないミステリアスさがありつつも、人間くさい部分もあったりして。そこが彼の魅力なのかなと」
