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稲川淳二 今年の怪談は怖さが36倍!

稲川淳二

今年もあいつが怖〜い話を持ち寄って、全国を行脚する。稲川淳二のライフワーク「MYSTERY NIGHT TOUR 2009 稲川淳二の怪談ナイト」が7月17日よりいよいよスタート! 今年はどんな怪談が用意されているのか、彼に直撃した。

Text●川渕一彦

怪談の根底にあるのは日本人の感性

――今年も『稲川淳二の怪談ナイト』の季節がやってきました。今回の『ミステリーナイトツアー』で17年目に突入なんですね。

「17年になりましたねぇ。固定のファンも多くて、リピーターの方もたくさん来てくださるんですよ。この『怪談ナイト』っていうのは、ハデに騒いでたくさんの人を集めればいいというものではなく、本当に好きな人が来てくれたらいいと思うんです。でも、すごくうれしいのは、この『怪談ナイト』を重ねるうちに怪談というものが、とても多くの人の理解を得られるようになったことですね」

――怪談というと怖いイメージですけど。

「現代は、だんだんと日本の味わいがなくなっているのが残念ですね。怪談の根底にあるのは日本人の感性。怖いんですけど、実は癒しであって、ホラーじゃないんですよ。怪談には話の裏があったり、優しさもあります。小泉八雲も『雪女という怪談には、日本人の感性がある』と言っていたように、私も日本の文化や、日本人の心を伝えたいんですよ」

――『怪談ナイト』は舞台も大掛かりですね。

「初めはこんなに大きな舞台でやるとは思わなかった(笑)。大きな11トントラックで舞台セットを運んでいて、私もビックリしたぐらい(笑)。過去には、湖畔や水車小屋のセットもありましたし、今年は囲炉裏のある農家風のセットです。それに、毎年、ツアーではロックコンサートの会場でも怪談をやるんですよ。ロックをやってる人も『怪談ナイト』に来てくれるし、お相撲さんやプロレスラー、作家の方も会場に来てくださってるんです。会場は、私とお客さんという感じじゃなくて自然に一体化している。そこが面白いところですね。私の怪談に来てくれるお客さんは、お年寄りから、お父さんが息子さんを連れて来てくれたり、層が厚いのも特徴ですね」

――今年はどんな展開になりそうですか?

「これまでも怖い話だけじゃなくて、感動する話もしていたんですよ。今年は、ぜひその感動話をしようと思うんですが、私自身が話をしている途中で胸がいっぱいになって泣けてきちゃうんですよね(笑)。癒しの怪談っていうのはいいですよ。懐かしい田舎があって、幽霊屋敷があって……まぁ『となりのトトロ』みたいなイメージなんだけど、私の怪談には妖怪とか怪物は出てきませんよ(笑)」

――今日は特別に、もう少しだけ『怪談ナイト』の中身を教えてもらえませんか?

「田舎のお爺さんがいて、そこにお客さんが遊びに来るというイメージですね。夜になって、食事もすんで一休みしたときにお爺さんの怪談が始まるという感じかな。すごく怖い話と、懐かしくて心が温まって癒される『トトロ』みたいな話と感動して泣ける話。そして、もうひとつは『ショック』な話なんです。怪談っていうのは、だんだんと怖くなっていく感じですけど、この話は違う。妙に生っぽい怪談ですが、私の話を聞き終わった人は、きっと身近な人を『この人って本当にこういう人なんだろうか?』って、改めて見直すと思うんです。そこに霊がからんでくるんですけど、これまで私がした話の36倍は怖い(笑)。だから、今年の『会談ナイト』は私自身もすごいことになると思うんですよね(笑)」

――あまりの怖さでワクワクしますね。ところで、稲川さん自身の不思議体験は?

「実は昔の話と新しい話が続いていたり、偶然にもピースがつながっていることがあるんです。考古学で、掘り出したカケラがひとつの壷になるみたいな感じですね。そんな怪談の構成を考えているときって、不思議なことに必ず私のそばに『誰かがいる』んですよ。気がつくと私の知らない言葉や、知らない漢字を書いていたりすることもあるんだけど、それもまた楽しいんだ(笑)。それに、気持ちのいい怪談は話していて眠くなるんですね。ハッとすると寝ていたんだけど、実際にはちゃんとしゃべってる(笑)。あれは『誰かに』話をさせられているのかなぁって。そういうことがあるというのが楽しいんですけどね」

――今回も何が起こるか分かりませんね。

「恐怖でひきつるか、感動で胸が熱くなるかですね。どっちもいいですね、私は大好きです。だから、今年のツアーは私自身も、何が起こるかとっても楽しみなんですよ。怪談っていうのは、夏が過ぎて秋になって涼しい風が吹くころがいちばんピッタリくる。そのころには、今回のツアーも盛り上がっていると思いますよ。ぜひ、会場に遊びに来ていただいて、いっしょに怪談を楽しみましょう」

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PROFILE

いながわ・じゅんじ
1947年生まれ、61歳。タレント、工業デザイナーとして活躍する一方で、1993年に「ミステリーナイトツアー」をスタート。今年で17年目を迎える。
公式サイト

INFORMATION

7月17日(金)羽島市文化センター みのぎくホールを皮切りに「MYSTERY NIGHT TOUR 2009 稲川淳二の怪談ナイト」をスタート。全国26公演実施予定。

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