毎回、PUFFYの楽曲提供者は実に豪華だ! そして1年9ヵ月ぶりに到着したオリジナル・アルバムもやっぱり豪華!! なぜ、PUFFYにはこれだけの顔ぶれが揃うのか!? 愛されるPUFFYの魅力とは?
Text●森朋之 Photo●大崎聡 Hair&Make●山口久勝(ROND.) Styling●島津由行 衣装協力●TUMORI CHISATO(A‐net Inc.)03(3406)2753
ブッチ・ウォーカー&アヴリル・ラヴィーン、椎名林檎、山中さわお(the pillows)、斉藤和義、斎藤有太、志村正彦(フジファブリック)そして、“the HIATUS”としての活動を本格化させている細美武士。これらはすべて、PUFFYのニュー・アルバム『Bring it!』に参加しているアーティストだ。こんなに素晴らしいアーティストたちが“彼女たちのためなら!”と楽曲を提供する。その事実こそが、PUFFYの尽きることのない魅力を証明しているのではないか。それにしても彼女たちは、どうしてこんなにも“愛されてる”のだろう?――そんな質問を本人たちにぶつけてみると、まず吉村由美がこんなふうに答えてくれた。
吉村「前提として、“ダメでもともと、とにかくお願いしてみよう”っていう気持ちが強いんですよね。あとは、ホントに私たちが好きで、実際に聴いている方ばかりなんですよ」
まずPUFFYのほうから“好き”という気持ちを伝えている、と。
大貫「それが伝わってたらいいな、とは思いますね。実際にお願いする時は、よほど友達でもない限り、会社と会社の話し合いになるじゃないですか。でも、ただのオファーにならないように、私たち自身が(そのアーティストを)好きで、ぜひ曲を書いていただきたいと思っています、ということは伝えてもらうようにしてるんです」
“この人の曲を歌ってみたい”という彼女たちの切実な思いがアーティストの制作意欲を刺激し、その結果、素晴らしい楽曲が生み出されていく。その幸せな循環は、今回のアルバムにもしっかりと結実されている。そのプロセスのなかでは、当然、個性あふれる楽曲を“PUFFYのポップス”へと導く彼女たちのボーカル・センスも重要になってくる。
大貫「まあ、一生懸命やるしかないんですけどね。今回もやれることは全部やったし。ただ、曲を書いてくれた方がどう思うかはわからないですけど……みなさん、自分で歌う方ばかりでしょ。だから、デモがめちゃくちゃカッコいいんですよ。“これでいいじゃん、このままリリースしようよ”って、思っちゃうくらい」
吉村「セルフカバーだけはやめてほしいですね。そっちのほうがカッコいいに決まってるから(笑)。でも、好きなアーティストの曲を歌わせてもらえるのは、これ以上ない幸せなんです。毎回、“これが遺作になってもいい”って思うくらいだから」
また、ライブへの比重が高まっているのも、最近のPUFFYの傾向。この夏も彼女たちはイベント、フェス、そして、新たなツアー「PUFFY TOUR 2009 Bring it!」を敢行。パンキッシュなポップチューン『I Don't Wanna』(作詞作曲/ブッチ・ウォーカー&アヴリル・ラヴィーン)、「ライブに似合う曲、というイメージでお願いした」(吉村)という『Bring it on』(作詞:大貫亜美/作曲:細美武士)をはじめ、今回のアルバムのなかにアップ・チューンの比率が多いのも、ふたりのライブに対する強い思いの表れと言えるだろう。
吉村「ライブをやらないと、せっかく作った曲を一生歌わないかもしれないじゃないですか。それはよろしくないし、楽しくない。もっと単純に“いい曲できたから、生で聴いてほしい”っていう気持ちもあるし」
デビューから13年目を迎えた現在も、活動のペースを緩めることなく、唯一無二のポップ・アイコンとして輝きを放つPUFFY。いまの状態に対して、彼女たち自身も確かな手ごたえを感じているようだ。
大貫「こう見えても、理由のわからない焦りを感じてるんですけどね(笑)。 でも、やりたいと思ったことが出来てるのは良いことだと思う」
吉村「今回も“いまのベストはこれです”と言えるものになったし。個人個人の趣味は違うけど、PUFFYでやりたいことはいつも同じなんですよね。それはきっと、ふたりにしかわからないことだと思います」
特集「PUFFYはマンガでできている!?」(2009年2月26日)
ホッとする、でもライブ映えするそういう曲も歌っていきたい(2009年2月26日インタビュー)
