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「ロンドン五輪? まだあまり考えていません」(前編)<br />
岩清水梓 いわしみずあずさ(サッカー女子日本代表候補)

昨夏のワールドカップ初優勝の快挙達成で、ロンドンオリンピックに向けてかつてないほどのプレッシャーにさらされているなでしこジャパン。だが、日テレ・ベレーザで、そしてなでしこジャパンで最終ラインを束ねる小柄なDFは、「五輪については、まだあまり考えていません」と語った。傍目からは不動のレギュラーに見えるのだが、当の本人は「まだメンバー争い、レギュラー争いがありますから」と言葉を濁す。もちろん、岩清水梓に気後れがあるわけではない。そこには気負わず、気後れもない、自然体の彼女がいた。

取材・構成:戸塚啓  撮影:スエイシナオヨシ

代表での競争に勝つために所属チームで結果を出すことを、
ずっと考えてきました

ロンドン五輪開幕が、ほぼ2ヵ月後に迫ってきました。「まだ2ヵ月」ですか、それとも「もう2ヵ月」でしょうか?

岩清水「6月10日までなでしこリーグがあるので、いまは目の前の試合に集中しています。五輪については、まだあまり考えていません。その舞台に立つために、リーグで頑張らなきゃいけないので」

周りは騒がしいですが(苦笑)。

岩清水「そこはしかたがないので(笑)。自分を見失わないように、と思ってます」

なでしこジャパンのレギュラー争いは、激しさを増していますね。

岩清水「4月上旬のアメリカ戦、ブラジル戦にケガで出られなかったことで、代表のポジション争いをリアルに感じました。アメリカといい試合をしていたし、自分はいなくてもいいのかな、と考えたり。代表での競争に勝つために所属チームで結果を出さなきゃということを、ずっと考えてきました」

4月の試合では岩清水さんの定位置であるセンターバックでも、複数の選手が起用されました。

岩清水「ホントに悔しさしかなかったですね。悲観的に考えたりもするし……」

メンタル的に落ち込んだりもする?

岩清水「ものすごく、あります。マイナス思考になることだってありますよ。でも、いまできることは何だって考えるようにしています。そのとき、そのときで、やらなければいけないことでごまかします」

ごまかす、という感じ?

岩清水「いろんな不安とかありますけど、やるべきことを見失わないようにして」

サポーターもメディアも、ベスト4だった4年前の北京五輪よりいい成績を……。

岩清水「期待されているので。自分のなかでは、北京五輪とロンドン五輪は別の大会ぐらいに違うんですけどね。4年前の私は、若手のひとりとしてプレーさせてもらっていました。当時といまでは立場が違うし、考えることも変わったので、また違う大会と言うか。同じ五輪だけど、自分の取り組み方は別の大会ぐらいに違います」

4年前は21歳。自分のことで精いっぱいだった?

岩清水「それもあります。余裕がなかったですし、いま振り返ればそれで良かったんだなあと思います。若い子って、『自分が、自分が』でもいいと思うんです。自分のプレーを出すことが、チームへの貢献につながるし。でもいま、日テレ・ベレーザでキャプテンをやっていて、チームのことやチームメイトのことも考えている。そのうえで自分もしっかりプレーしないと、言うことに説得力がない。若い頃にはない難しさと言うか……そこは大変ですね」

チームをまとめるにあたって、どんなことに気をつけていますか?

岩清水「色々あるんですけど、自分もすごいベテランかと言ったらそうではないですし、自分のプレーに納得がいっていないところもあります」

まだ25歳ですもんね。

岩清水「まだまだ自分自身も伸びたいので、周りに対する懐は、たぶんまだ浅いと思うし(苦笑)。自分自身のこととチーム全体のことを考えるバランスが難しいかなあと思っています」

男子に比べると、女子はチーム内の年齢の幅が広い。声をかけるにしても、色々と気を遣いそうです。

岩清水「言い方ってあるじゃないですか? ビシッと言ったほうがいい選手もいれば、オブラートに包んで言ったほうがいい人もいる。この人にはどうやって言ったら響くのだろうとか、どう言ったらやってくれるかなあとか、日頃からすごく学んでます」

言うタイミングも重要ですよね。

岩清水「そうそう、そうなんです! 試合が終わってすぐがいいのか、少し冷静になった翌日がいいのか。ひとりのときがいいのか、みんなの前でもいいのか。そういうことを、いつも考えていて。色々気にし過ぎちゃって、自分が崩れたら元も子もないんですけど」

でも、間違いなく貴重な経験をしている。

岩清水「いまはまだ気づかなくても、年齢を重ねていくことで、『いい経験をしてきたな』と思えるのかな。技術だけではなくメンタルも成長する時期があるとしたら、いまはそういう時期なのかもしれない、と自分では思ってるんです」

国際Aマッチ出場数で言えば、なでしこジャパンでも上位です。センターバックというポジションを考えても、リーダーシップを発揮していく立場になりました。

岩清水「そうですね。ただ、最初にも言いましたけど、メンバー争い、レギュラー争いがありますから。去年のワールドカップとは違うメンバーになるかもしれないし、自分が試合に出られるかは分からないし。でも、絶対に出たい。ピッチに立つことを目指して、自分にできることを日々考えて、頑張っています」

岩清水梓●いわしみずあずさ
'86年、岩手県生まれ。'99年NTVベレーザ(現日テレ・ベレーザ)の下部組織NTVメニーナに入団。'01年にベレーザの下部組織登録選手となり、'03年にはトップチームの登録選手に昇格。同年よりレギュラーとして活躍。以後なでしこリーグ優勝5回、なでしこリーグカップ優勝2回、全日本女子サッカー選手権優勝5回に貢献するとともに、なでしこリーグベストイレブンに6回選出される。またU-18、U-19、U-20の女子代表にも選出、'06年なでしこジャパンデビューを果たす。'07年ワールドカップ、'08年北京五輪に出場し、'11年ワールドカップ優勝の一端を担う。優れた危機察知能力と高いジャンプ力を生かし、ピンチを未然に防ぐDFだ。

オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/azusa1014/

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