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スピードに乗った切れ味鋭いドリブルでチャンスメイクを連発するとともに、自らゴールも陥れる原口元気。浦和レッズで、そしてU-23日本代表で貴重なタレントとして存在感を放つアタッカーは、来るべき決戦へ向けて胸に闘志を秘めていた。浦和レッズの背番号24は、ロンドン五輪で善戦という内容ではなく、勝利という結果を求めていた。

取材・構成:戸塚啓  撮影:スエイシナオヨシ

代表に定着するため、追いつくための第一歩が五輪

五輪のサッカーを初めて観たのは?

原口「シド……いや、1996年のアトランタ五輪のブラジル戦です」

日本が1対0で勝利して、“マイアミの奇跡”と呼ばれた試合ですね。原口選手はまだ5歳ですが……。

原口「確か早朝でしたよね? そうですよね、早起きして観ました。2000年のシドニーは、しっかり覚えてます」

自分も出たい、と思うようになったのは、どの大会がきっかけでしょうか?

原口「2004年のアテネです。レッズのジュニアユースに在籍していたので、ひとつの通過点として五輪に出たいって思うようになりました」

実際に自分たちの世代となり、五輪はテレビで観ていたものから戦うものになりました。心境の変化はありましたか。プレッシャーは?

原口「僕らの代はU-20W杯に出られなかったので、五輪出場は絶対に逃せないっていう危機感がありました。プレッシャーはかなりありましたけど、それって代表チームの宿命だと思うんです。責任を持ってプレーしなきゃいけないから、当たり前と言えば当たり前で」

ロンドン五輪では、開幕戦でいきなりスペインと対戦します。優勝候補の一角にあげられる強豪です。

原口「いやあ、楽しみですね。スペインと真剣勝負なんて、なかなかできない。世界中の人が、勝つのはスペインだって思ってるだろうけど、勝つ気持ちで挑みますよ。日本も強豪相手に、接戦はするじゃないですか? 惜しかった試合はたくさん観てきた印象があるんですけど、ホントに強豪を倒した試合はあまりないですよね? アトランタ五輪でブラジルに勝ったような試合を、自分たちもやりたいんです」

昨年から日本代表にも選ばれています。これもまた大きな刺激になっているのでは?

原口「U-23よりまたひとつレベルが上です。代表へ行くためにも五輪でひと皮剥けないと。あそこでホントに試合に出たかったら、ロンドンで成長して帰って来なきゃいけない」

代表に定着した、という思いは抱いていないと?

原口「全然ないですね。ホントに質の高い選手が揃っているので。自分はまだ、1試合しか出てないですし。代表に定着するため、追いつくための第一歩が五輪になるんじゃないかなと」

なるほど。

原口「自分はジュニアユース年代でユース、ユース年代でトップと、飛び級でやらせてもらってきたんですけど、そういうときってうまくなってると感じることができる。自分よりうまい、自分より強い、自分よりいい選手と一緒にやって、追いつかなきゃっていう感覚でやってるときが、一番サッカーがうまくなると思うんです」

昨年はJ1リーグ戦での活躍も目立ちました。ドリブルでどんどん仕掛けて、なおかつゴールへ結びつけた。9得点はチーム最多です。

原口「去年は得点を求められてました。ペトロさん(ゼリコ・ペトロヴィッチ監督)は僕を信じてくれて、ミスをしても使い続けてくれた。1対2の局面でも、『お前なら行ける』と」

レッズは今年からミハイロ・ペトロヴィッチに監督が変わり、原口選手はここまでのところは途中出場が多くなっています(注:このインタビューは5月19日に行なわれた)。現状をどのように自己分析していますか?

原口「今年はいままで自分がやったことのないシステムになって、慣れるまでに時間がかかったというか、うまく順応できなかったというのはあります」

最初の戸惑いはどこに?

原口「……真ん中でのプレーが、非常に難しかった。今年のシステムは1トップ+2シャドーなので、2列目は基本的に中でのプレーになる。でも、自分はサイドに張ったプレーが一番得意なので。自分の良さをどうやって出していけばいいのか、すごく悩みました」

ポジションとともに、プレーの判断も変わってくる。

原口「それはありますね。ホントだったら自分で行きたいところでも、チームのためにって考えることもありますし。でも、レッズは新たなスタイルを作ろうとしているので、その中で自分の良さを出していけたらって」

手応えは?

原口「あります。やっと、ちょっと、表現できるようになってきたという感覚はあります」

原口元気●はらぐちげんき
1991年、埼玉県生まれ。中学進学とともに浦和レッズジュニアユースに所属。その後、飛び級でユースに昇格し、’09年に日本人クラブ最年少でトップチームと契約。同年J1リーグ開幕戦にスタメン出場を果たす。’09年はリーグ戦32試合に出場し、1得点。昨季は同30試合9得点をマーク。U-16から各年代の日本代表として活躍、’11年日本代表デビューを果たすとともに、’12年U-23代表としてロンドン五輪出場を決める。左ウィングを本職としながらも、センターフォワード、トップ下、左サイドハーフまでこなすアタッカーである。

オフィシャルブログ:http://ameblo.jp/genkiharaguchi/

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