業界にも三谷ファンは多数。一度観にいったら、何かの魔術にかかったかのように次回作も観ずにはいられない。多くの関係者が、その作品を心待ちにし、観続けている。そんな三谷作品を観続けた人たちに、数多くある名作の中から、“一押し!”を教えてもらった。
- コンフィダント・絆
- 「天才画家ゴッホ、ゴーギャン、スーラと、凡人画家シュフネッケルとの友情、そしてその崩壊を描いた切ない一作。絶対的な才能の違いは残酷ながら、そこには三谷ならではの優しさも溢れています。中でも、モデルのルイーズが歌う「ゴーギャン、ゴッホ、スーラ、parシュフネッケル」というフレーズが忘れません。またDVDでは、クレーンを使用するなど、通常の公演では見られないカメラワークも楽しめますよ。」
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- なにわバタフライ
- 「じわじわと暗くなる客電、暗転、しばしの間。そして戸田の第一声、「わたしの人生?」――この瞬間、自分でも思いも寄らなかったほど、深い深いところにある琴線を、ぐわっとわしづかみにされました。ああ自分はもうすでにこんなにも、彼女のことが愛おしい。あのひと声で、一気にそこまでのめりこんでしまった理由が、実は今なおわかりません。
……と、まあつまり演劇ではこういうことが往々にして起こるのです。舞台上には、たったひとり。効果も小道具も最小限。そこには決して存在しない、けれども確かに同じ景色を、観客たちは観て味わっている。三谷さんのドラマも映画も大好きだけれど、やっぱり私は演劇ウォッチャーでよかったと、胸を熱くした夜でした。」
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- 笑の大学
- 「たかが“笑い”ではない。“笑い”を熟知しているからこそ、その本当の力を描くことが出来る――それが三谷幸喜という作家。本作は昭和15年、軍靴の響きが高まる頃の日本を舞台に、娯楽を規制する当局側の検閲官と、劇団「笑の大学」の座付作家とが取り調べ室で繰り広げる攻防を描いたもの。もちろん、三谷流の“笑い”も健在です。なのに、観終わったときにしみじみと広がる感動は、ちまたに溢れる純愛モノなぞ比べものにならないほど、深い。舞台版、映画版、さらに海外版と、世界中で愛されている本作。様々なバージョンをDVDで楽しむのも、また一興ですよ。」
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- PARCO歌舞伎 決闘!高田馬場
- 「三谷幸喜が初めて歌舞伎の書き下ろしに挑戦したこの作品は、原作のない、完全なオリジナル歌舞伎。市川染五郎が密かに温めてきた企画を三谷が引き受け、堀部安兵衛の“高田馬場の決闘”をテーマになんと8年間の構想を経て遂にPARCO劇場での上演が実現しました。
ここまで勿体付けていったいどれだけ凄いの?と思うなかれ。こんな常識破りの面白い歌舞伎はかつて見たことがない!と文句なしに楽しめました。早替わりあり、小道具&小ネタ(?)から、果ては音楽の使い方に至るまで、随所に盛り込まれた笑いの隠し味に思わず「やられた!」と仰け反ったほど。役者がまた、最高に愉快な芝居をしていてたまらない! 普段歌舞伎座では絶対にお目にかかれないレアものの演技にも超注目ですよ!」
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- 12人の優しい日本人
- 「ある殺人事件の審議で集まった12人の陪審員。有罪主張と無罪主張が、討論の末、シーソーのようにどんどん変わっていく様がスリリング。ちょっとした発見から真実が見えてくる展開、論理のアクロバットはドラマ「古畑任三郎」にも通じる壮快さです。裁判員制度の施行が決まった上で観たこの2005年版は、もし自分だったらどう判断するだろう、なんてちょっと真剣に考えてしまいました。映画版もありますが、この“密室会話劇”の緊張感はやはり舞台が一番です。」
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- 恐れを知らぬ川上音二郎一座
- 「三谷さんの東京サンシャインボーイズ時代の秀作「ショー・マスト・ゴー・オン〜幕をおろすな〜」に通ずる、バック・ステージものです。今や大河ドラマ「篤姫」で大人気となった堺雅人が、川上音二郎(ユースケ・サンタマリア)やその妻・貞奴(常盤貴子)ら劇団一座に翻弄され、オロオロする様が見ものです。また、東京サンシャインボーイズであれば梶原善がやったであろう狂言回し&飛び道具的な役割を堺正章が懸命にやっているというのも面白いです。この芝居、堺雅人と堺正章の“ダブルさかい”のコンビに注目を。また、豪華キャストが丁々発止のやりとりをする様もお楽しみに。」
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