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演劇・ミュージカル
音楽劇『三文オペラ』 Vol.2                   (up 2007/9/25)

「ドロボーはどっちだ!!!」<政治とカネ>問題に揺れる現代日本で、悪のヒーローが叫ぶ。
音楽劇『三文オペラ』 Vol.2
撮影:taro



大荒れに荒れる2007年秋のニッポン。白井晃演出の音楽劇『三文オペラ』は、大混乱の現代に極めてリアルな衝撃を与えてくれそうだ。主演を務めるのは吉田栄作。社会の最下層で暗躍する盗賊メッキ・メッサーに扮する。

「メッキは、何かのきっかけでドロップアウトした元・勝ち組の人間だったのでは?と、白井さんと話しているんです。そのトラウマが原因で泥棒に成り下がったんじゃないか、と」(吉田)

「望むのは“おいしい人生”だと、メッキは劇中で歌う。彼に言わせれば、勝ち組と負け組が分断化された社会でドロップアウトした人間が快適な人生を送るには、犯罪を企てる以外にない。じゃあ、こんな社会にしたのは誰なんだ?と思うわけですよ」(白井)

「世の中見てみると、大臣も役人もドロボー同然。メッキも回りを見て“なんだよ、みんな泥棒してんじゃん(怒)”と思ったんじゃないかな」(吉田)

政治家や金持ちが優遇され、貧乏人が損をする。歪んだ社会の片隅で盗みと騙しを繰り返しつつ、メッキは自分中心の人生をまっすぐ突き進む。その先に明るい未来はあるのか…? 皮肉たっぷりのクライマックスを知りたい方は、ぜひとも劇場へ!

≪『三文オペラ』の楽しみ方≫
大恐慌の直前に当たる1928年のドイツで初演された音楽劇『三文オペラ』は、劇作家ベルトルト・ブレヒトと作曲家クルト・ヴァイルの代表作。資本主義社会へのアンチテーゼとして、悪漢がはびこる世の中を皮肉たっぷりに描写した社会派のピカレスク・ロマンだ。唐突に挿入歌が登場するのが特徴の一つ。オープニング曲“モリタート”は、“マック・ザ・ナイフ”のタイトルでジャズのスタンダードになっている。

♪メッキ・メッサー/吉田栄作
悪名高き窃盗団のリーダー。スラム街の大元締の一人娘ポリーを巧みに口説いて結婚に漕ぎ付けるが……。 演じる吉田は、昨年の『やわらかい服を着て』に続く舞台2作目。伊達男メッキのエネルギーを120%体現してくれるに違いない。

♪演出/白井晃
若いころブレヒト演劇にかなりの影響を受けたそうで、満を持しての『三文オペラ』挑戦となる。現実社会の歪みを舞台空間で見事なまでにクリアにして提示する才人・白井が、個性派キャストを迎えて、いかなる世界観を創り出すのか。期待十分だ。

≪STORY≫
場末の盗賊団を仕切るメッキ(吉田栄作)は、うぶな娘ポリー(篠原ともえ)を口説いて結婚する。ポリーの父で、メッキと敵対するスラム街の大元締ピーチャム(大谷亮介)は大激怒。メッキの元恋人で娼婦のジェニー(ROLLY)を利用したり、警視総監ブラウン(佐藤正宏)を脅したりと、メッキ逮捕に奔走するが……。


取材:Gene&Fred/5fre




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