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演劇・ミュージカル
音楽劇『三文オペラ』 Vol.1                   (up 2007/9/18)

乱世の現代日本を叩き起こす、ブレヒトのウェディング狂想曲─
音楽劇『三文オペラ』 Vol.1
撮影:高橋エイジ



稀代のアンチ・ヒーロー、メッキ・メッサーをめぐり、“新婦”篠原ともえと“新郎の元カノ”ROLLYが真剣勝負!? 20世紀の傑作音楽劇が、白井晃の新演出でリアルに甦る。

不思議にざわめく異世界をクリエイトする二人の才人、篠原ともえとROLLYが、ドイツ人劇作家ブレヒトの『三文オペラ』で共演を果たす。ヤリ手の盗賊頭メッキ・メッサーの大いなる危機をオフビートかつ破天荒に描く本作で、二人はメッキを挟んで一種のライバル関係に。出会って10日で嫁に行くほどメッキにゾッコンの天然娘ポリー(篠原)と、昔メッキと親密な仲にあったアンニュイな娼婦ジェニー(ROLLY)である。

今回の出演オファーを即決で受けたと声をそろえる彼らにとって、演出・白井晃の存在は相当大きい。白井のたっての希望で歌詞も手掛けたROLLYは、彼と共演した『ア・ラ・カルト』(’04年版)で「魂のふるさとを見つけた」と言い、篠原も『ファウスト』(’04年)での初顔合わせは「運命の出会い。今も白井さんに褒められたい一心で稽古してるんです」と、絶大な信頼を寄せる。

その白井が、渾身の思いを込めて本作の演出に臨んでいるという。ブレヒトといえば、劇場の中でも資本主義社会の欺瞞を真正面から突く態度を決して緩めなかった偉才。これ、今の日本で最も求められている姿勢なんじゃないだろうか? 気合い万端の白井にとって、篠原とROLLYは最強の両腕となるはず。さて、いったいどんな『三文オペラ』で現代日本にガツンと一発食らわしてくれるのか。

≪個性派そろい踏みのキャスト≫
ありきたりな演劇の枠組みを超える、それが『三文オペラ』。ゆえにキャスティングも常に奇抜で、過去の日本公演にはエノケンこと榎本健一やキム・ヨンジャが登場、海外でもスティングやシンディ・ローパーらポップ・アイコンが起用されてきた。今回は独自の世界観をまとう異色の二枚目アクター、吉田栄作がメッキ役で主演。さらに篠原、ROLLYという超オリジナルな存在に、小劇場界のベテランたちを配した異種混合大会だ。確固たる美意識を持つ演出家、白井が彼らをどんな劇世界へと導くのか、要注目である。

♪ポリー (貧民街の総元締ピーチャムの一人娘)
メッキの手練手管に騙されて即結婚。“愛がこの世で最高”と言いつつ、セレブな暮らしを夢見る。

篠原ともえ
「ROLLYさんの歌詞があまりに素晴らしくてカンドーしちゃいます! 歌稽古の段階から、歌詞を元に役作りをすることができました」

♪ジェニー (娼婦・メッキの元情婦)
別れた今もメッキと繋がっているが、嫉妬とピーチャムの報奨金欲しさに密告者となる。

ROLLY
「しつこいくらい(笑)微細な白井さんの演出に、じっくり取り込んでいるところ。芝居の現場が好きで、出番がなくても稽古場に入り浸ってます」

≪STORY≫
盗賊団のボス、メッキ・メッサーに一目惚れしたポリーは、周りを無視してスピード婚。社会の最下層でホームレスたちを仕切って荒金を稼ぐポリーの両親は、メッキをお縄に付かせて娘を取り戻そうと画策する。娼婦ジェニーや警視総監ブラウンらの思惑も絡み、スラム街を暗躍するメッキの運もついに尽きたとき……。


取材:Gene & Fred




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