上映作品紹介

『男はつらいよ 柴又慕情』

(1972年8月5日公開)

●あらすじ
「貸間あり」の札に憤慨して店を飛び出した寅さんは、不動産屋で下宿を探すが、案内されたのは、なんととらやだった。旅の空の寅さんは、福井でOL三人組と楽しいひとときを過ごし、柴又へ帰ってくる。三人組の一人で、どこか寂しげな高見歌子(吉永小百合)は、小説家の父・高見修吉(宮口精二)とのぎこちない関係に悩んでいた。そんな歌子が柴又を訪ね、寅さんは色めき立つが…。

●みどころ
マドンナに吉永小百合を迎え、適齢期の娘と娘を手放すことができない男やもめの父のエピソードが展開されている。ベテラン俳優・宮口精二演じる修吉と寅さんのやりとりや、「本当の幸福」について真剣に悩むヒロインの姿が、様々な挿話の中で描かれている。本作より二代目おいちゃんとして、松村達雄が登場。「貸間あり」騒動の不動産屋を、軽演劇のベテラン佐山俊二が好演している。

[監督・脚本・原作]山田洋次  [脚本]朝間義隆
[撮影]高羽哲夫  [音楽]山本直純  [美術]佐藤公信