上映作品紹介

『男はつらいよ 望郷篇』

(1970年8月26日公開)

●あらすじ
義理ある政吉親分(木田三千雄)危篤の報をうけ、寅さんと登は札幌へ向かう。息子に逢いたいと懇願する親分のために、寅さんは機関手の息子・石田澄雄(松山省二)を説得するが、拒まれてしまう。親分の死により、浮草稼業に嫌気がさした寅さんは、一念発起、堅気を目指し、裏の工場の労働者となったものの、しかし長続きはせずに、たどり着いたのは浦安の豆腐店「三七十屋(みなとや)」。その一人娘・節子(長山藍子)に惚れた寅さんは、大ハリキリで、労働にいそしむが…。

●みどころ
山田洋次監督が『続・男はつらいよ』以来、久しぶりにメガホンをとった作品。父子の確執のエピソード、蒸気機関車のダイナミックな描写など、前半の重厚なドラマが一転、寅さんが労働者を目指す狂想曲への転調の楽しさ。浦安の豆腐屋の杉山とく子、長山藍子、その恋人・井川比佐志は、それぞれテレビ版でおばちゃん、さくら、博(テレビでは博士)を演じている。

[監督・脚本・原作]山田洋次  [脚本]宮崎晃
[撮影]高羽哲夫  [音楽]山本直純  [美術]佐藤公信