Dr.ンジャメナの「地理学講座」
国の中央を、南北にナイル川本流(白ナイル川)が流れ、支流の青ナイル川が、首都のハルツーム付近で合流。 藤堂さんは、ナイル川沿いに、エジプトから南下してきたわけ。 この国は、北部と南部が全然違うところに特徴があります。 北部は「砂漠地帯」。TVの「電波少年」でパンヤオが「脱水症状」になっちゃったのは、ここらへん。暑くて乾燥してるんだ。 乾燥がひどいので、ハルツーム周辺の「ゲジラ地区」では「ゴジラ攻撃計画」ならぬ「ゲジラ灌漑計画」という「怪獣」みたいな名前のプロジェクトで、綿花を作ってます。住民も「アラビア人」の「イスラム教徒」が大多数でアラブの匂いがプンプンしてる。 それに比べて南部は「熱帯地方」で、「黒人」が住んでます。 てなわけで、「北部」と「南部」は全然違うので、対立は壮絶。 内戦やゲリラ活動が激しく展開されてるのが現状なんですよ。 そんななか、'89年のクーデターで、「北部」の「イスラム復古」を掲げる勢力が政権について、「イスラム法」にもとづくバリバリの「イスラム原理主義」の国づくりをはじめちゃった。そんでもって過激な路線をまっしぐら。世界各地の過激なイスラム教徒を支援してるとのうわさも・・・。 アメリカはそんなスーダンが気に入らないから、「テロ支援国家」と指定。 「エジプト大統領暗殺未遂事件」もスーダンが関与してるとこのことで、国連安保理は「スーダン制裁」を決議。最近も「アメリカ大使館テロ事件」との関連で、アメリカがスーダン国内を「ミサイル攻撃」したり、とかなり政治的には、緊迫してるんです。 藤堂さんはそんなスーダンで、「やさしさにつつまれ」てきたのですよ。 住んでる人のひとりひとりは、ホントはいいひとなんだね。 さて、これでもう「連想ゲーム」に出てもOKだぜ。(出ねーか?) ■エチオピア連邦民主共和国 【基本データ】 面積:110.4万k 人口:5,667.7万人 首都:アディスアベバ 言語:アムハラ語・英語(公用語)他、民族:アムハラ族30%他 宗教:キリスト教コプト派(国教)55%、イスラム教35%。 気候:中央部のエチオピア高原は高山気候(H)で気温の年変化少 ない。 まわりの低地はサバナ気候(Aw)やステップ気候(BS) 。 平均気温:アディスアベバ15.8℃(1月)15.4℃(7月) 年降水量:1,199.6 主産物:コーヒー 【解説講義】 またまた「連想ゲェ〜〜〜ム!!」。 それでは第2問はこちらっ。「エチオピア」だ! ・・・「陸上のアベベ選手?」「あとねえ。アトランタ五輪のロバ選手!」「イカンガーとかいう選手もいなかったっけ?」 こういう「連想」をした人もかなりいるはず! 「エチオピア」は「スーダン」と違って、まだ連想しやすいよねえ。 「アベベ選手」と「ロバ選手」は大正解! だけど、「イカンガー」と答えたそこのオトーサン、残念でした。「イカンガー」は「タンザニア人」なのだあ! その辺混乱しないでね。 エチオピアは高原状の国なので、首都のアディスアベバで標高2360m。 これじゃ、年中「高地トレーニング状態」。どーりで長距離に強いはずだ。
ちょっと前に皇帝が退くまで、同じ系統の王室が2000年くらい続いていて、そういう例は、世界では日本とエチオピアしかない、と言われてました。 エチオピアで変わってるのが、宗教事情。 「コプト教」が「国教」とされてます。「コプト教」っつっても聞きなれないよね。 これは古い時代の「キリスト教の一派」で、「コプト」とは、ここらへんの言葉で「エジプト」という意味。まだイスラム教が伝わる前に、エジプト経由で伝わってきたんで、こんな風に呼ばれてるわけ。 この「コプト教」は、エジプトやスーダンなどでも信仰されていて、藤堂さんも、スーダンのハルツームのコプト教会を絶賛してるよね。(「wwm第15回」参照)、でも、スーダンはイスラム教が多数派なのに対して、エチオピアでは「コプト教」が「国教」になるほど厚く信仰されてるんですねえ。 最近のエチオピアといえば、「エリトリア」の「分離独立」が重要。 '93年に「イスラム教」を信仰する「エリトリア」地域が「分離独立」したのだ。人間で言えば「離婚」だね。 「宗教が違うから、あなたとはうまくやってけないの」っつーのが、「離婚原因」だけど、もっと根が深くて、そもそも「結婚」自体にも問題があった。 イタリアの植民地だった「エリトリア」は、'52年にエチオピアと「連邦」を結成。 だけど、次第に「自治権」を奪われ、'62年にはついに完全にエチオピアに「併合」されちゃったのです。まあ、強引に「結婚」しちゃったようなもの。 そんな「エリトリア」としては、「ちょいと話が違うじゃないのよ〜。やってらんないわよ!」てなわけで、ずっとずっと「離婚」したかったわけです。 そりゃ、そうだわな。そこで、'93年にエチオピアの「政変」のドサクサを契機に、「エリトリア」は念願の「離婚宣言」をしたわけだ。オトーサン、オカーサン、お子さんの世界地図をチェックしてみてね。世界は動いてるぜぃ! だけど、エチオピアとしてはまだ「未練」があるから、両国はまだドンパチと散発的に戦闘していて、まだくすぶってるんですよ。「離婚」問題は大変だからね。 藤堂さん滞在中にも、国境地帯で戦闘があり死傷者が出るような状態。 そこで、日本政府から「渡航延期勧告」が出たわけっす。 そーだ、あと、エチオピアといえば、実は、コーヒーの「原産地」なんですよ。 南部の「カッファ地方」(Kaffa)が原産地とされていて、それが語源となったとか。「カッファ地方」には、コーヒーの木がアチコチに自生しているそうな。 これで、あなたも「ものしり博士」(笑)!どっかでさりげなく「マメ知識」を自慢しよう。 うおおお、今日はたくさん勉強しちまったぜ。 そんじゃ、今日の講義はここまで〜。
|
||||
コーヒーの「原産地」がエチオピアだとは知りませんでした。「カッファ地方」ですか…、いくつになっても勉強ですねぇ。 |
||||
●wwmトップページに戻る ●バックナンバーを見る |