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「ザンビアの想い出」 彼らと出会ったのはジンバブエにある日本人宿だった。 私はその宿に1か月近くダラダラしていたのでママとオリバーとは顔見知りになり、気づけば夕食を共にするような仲になっていた。クリスマスにはクリスマスプレゼントをもらったり、私が外から宿に帰るとママが「おなかすいてない? 「一週間で帰ってくるからね。この宿で待っていてね」 と、ある日オリバー君が私に言いました。オリバー君は行商の仕事でザンビアに一度帰らなければならないのでした。しかし私にも日本に帰国せねばならない日が近づいていて、どうしても一週間もそこで待つ猶予は残っていなかった。 「私もザンビアへ行くわ!」 かくして私は彼らについてザンビアへついて行ってしまったのだった。ザンビアにある‘トラックイン‘という長距離トラックの運転手が泊まる、安宿にママは安食堂を持っていたのです。ムム・・・なかなかのやり手・・・。その安食堂ではママの娘であり、オリバー君のお姉さんであるソフィアが働いていた。 「ここがゲットーというんだ。俺達はここで育ったんだ」 と、オリバー君は教えてくれた。 ウワー!!あたしゃこんな所じゃ生活できねえー!! と、思いつつもママやオリバー君、ソフィアにそのいとこ、友達たちに囲まれ、寝食を共にしていたらアッという間に一週間が過ぎいった。 「・・・ママは今来るはずなんだけどなあ・・・」 残念ながらママにはもう会えそうもなかった。 「ありがとう。楽しかったよ・・・ママによろしくね」 他愛ない別れの挨拶をオリバー君にしていたその時、 「もう行くぞーー!!」 と、バスが動き始めた。私はドキンと胸の何かがつつかれた様に涙がぼわーっと出てきた。 「じゃあね!!じゃあね!!みんなによろしくね!!」 オリバー君と私が抱きしめ会うとバスの窓から私達を見ていた乗客が「ひゅー
ー!!!」っとはやしたてた。 「ジュンコ!!降りて来なさい!!ジュンコ!!」 なんとママがバスの外に立っているではないですか!! 「すみません!!すみません!!」 私は狭い車内の人をかき分け、走る様にして外へ出た。 「ママーーー!!」 私とママはガッと抱き合った。まるで何十年ぶりに出会った時のように・・・。 「ほらほら泣かないのよ。気を強く持ちなさい」 「うんうん」 と、言われてもどうしても涙が止まらない。その横にオリバー君とソフィアもいた。 彼らは何とタクシーに乗って追いかけてくれたのだった。 「これ食べてね」 と、ママは私にリンゴとマーブルチョコを渡してくれた。 「ありがとう、ありがとう」 「じゃあね、日本の家族によろしくね」 そう言ってママ達はまたタクシーに乗って去っていったのでした。 |
事務局の声 くぅっ!!!今度、絵ができたら見せて下さい・・・ 山口純子さんのHP http://www.geocities.co.jp/SilkRoad/9514/ |