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前回に引き続き50代で海外旅行デビューを過酷なアドベンチャーで飾った、辻里江さんの体験談を旅日記からご紹介します。出発前から体調不良を感じながらも旅をスタートさせ、気温の変化や慣れないテント生活でとうとうダウンしてしまった辻さん。ツアーに参加して初めて自分の意思を伝えることの重要性を感じ、助けを求め自力で診療所へ。採血から検便までの検査を受け、再びテントへ戻り、旅を続行する決心をします。 ※ 「FOOTLOOSE ウェスタンドリーム」ツアーとは 北米のアドベンチャーツアーでは32年の歴史を持つトレックアメリカ社が主催するツアー。世界各国・さまざまな年齢層の参加者が少人数(13人以下)のグループで、経験豊富なツアーリーダーの下、改造したミニバスでキャンプをしながらヨセミテ、ザイオン、ブライス、グランドキャニオン等の国立公園やインディアンで有名なモニュメントバレーをハイキング中心に冒険するツアー。基本料金は$1,000〜。 日本では潟Gクスプローラー「地球倶楽部」にて販売。トレックアメリカにさんかした経験豊かなスタッフが、参加者からの生の声も交えて質問に対応している。(ツアー料金等のプログラム紹介は「世界の仲間と旅する」を参照下さい) 第3日目(9/26) ヨセミテ国立公園 朝起きると誰もいない???リーダーのトムが朝食のたき火にあたっていた。みんなはハイキングに行ったとのこと。1日ゆっくり体調を整えることをトムに告げ、これからの長旅に自分自身でやらねばならないことをよーく肝に命じた。診察の後、水を飲むこと、スープ、ポテトなどを食べること。ツアーを継続してもよとの許可をもらい、本当に涙を幾度となく流した。辞書もなく、カタコト英語とボディーランゲージで何とか話せた。不安はあったが、これからのツアーに無事参加することを決心した。 テントへ帰り、誰もいないキャンプ場で洗濯のあと少々寝る。キャンパーたちは読書をしたり、音楽を楽しんだり、上手に時を過ごしている。英語のシャワーの中で一人になることも本当にリラックスタイムである。キャリービレッジでトムに会い、今日一日の行動を話したら安心したようだ。 みんながアゴをだして帰ってきた。10時間は歩いたとのこと、声も出ない様子である。いつの日か私もヨセミテの全てを見てみたいと思った。みんなは夕食にピザを注文し、ビールを楽しんでいる。私はトムに連れられ、から揚げ、ポテト、スープを買った。ビールを少々飲み、自分自身の体内から、ゆっくり回復に向かう暖かい血流を感じ取った時、涙が止まらなくなった。みんなは『なぜ泣くの?』と何度も聞いてくれた。その親切に感動するまでに自分の体力が回復したことを思い、また感動した。これでツアーの続行が決定した。 第4日目(9/27) デス・バレー国立公園 サンセット・ドライブ ヨセミテと別れ11:00am頃にモナレイクに到着する。国道を走っていると、今、自分の走っている場所が分からないので、とりあえず標識のマイル数を書くことにした。走れど走れどフラットな国道で民家もはるか遠くにぽつんと建っているだけである。本日の宿泊地、デス・バレーに向かって走っているのだ。スーパーへ立ち寄る。この段階で体力に自信のない私はだんだん暑くなってきた。昼食を食べることを自分に言い聞かせた。風はとてもさわやかで、日陰はとても涼しい…。SHERWIN SUMMIT(7,000Ft)190号線に入るといよいよ砂漠である。一面の砂漠に道がとにかく真っ直ぐに続く。デザート・ナショナルパークにて全員で写真を撮る。 メンバーのロダに自然現象(トイレ)について話すとトムに告げてくれた。用を足してロダにお礼を言う。その後ロダとアランと私で写真を撮る時、思わず言葉が見つからず"カメラエンジニアー・アラン"、"トイレットアドバイザー・ロダ"と言ったら、全員吹き出したように笑った。ここで一気に全員がフレンドリーになった気がした。 ヨセミテから315マイル走り、395号線を利用し4,000m級の山が連なる険しいシェラネバダ山脈を見ながらのドライブコースである。猛烈な砂嵐の吹き荒れる夜、静寂が全てを包む灼熱の昼、デス・バレーの自然は過酷だ。人間の存在を拒否するような厳しさがある。谷の中心部の標高は海抜−86m。真夏の気温は50度を超え、年間降水量50mmとまさに灼熱の谷なのだ。 デス・バレー・ファーナスクリークキャンプ場に宿泊予定。キャンプに適した場所をみんなで探す。プール、インフォメーションボードのある場所には多くのテントがすでに張ってあった。トレック社のバンも3台あった。荷物を降ろしたバンに乗って日の入りを見に行く。トムの運転するバンの後方には他の車が2,3台ついてきている。トレック社のツアーリーダー達は長年かけ勉強している。デス・バレーで最高に美しい日の入りポイントを知り尽くしているのである。 食後はシャワーかプールのどちらかを選ぶ。私はシャワーでたっぷり汚れを洗い落とし、すっきりさっぱりでよーく眠れることを祈りながら就寝。テント生活はすっかり慣れました。 |
● FOOTLOOSEツアーは現地の状況やツアー参加者の意見を反映させるため、出発前のツアー旅程はあくまでも大枠をつかむための予定として作成されている。実際、辻さんのツアーも現地の状況に合わせてフレキシブルに進んでいる。 |