[新着体験談]


私のホームステイ体験談(前編)
島田認



アイル オブ ワイトでのファームステイ、スタート!

 いきなり生活習慣の異なる家庭に滞在するよりは1週間程度時間をかけて英国に馴染んでから行った方がいいだろうとロンドン、ポーツマスに各、数日づつ滞在し、アイルオブ ワイトについたのは2月の初旬でした。
 本島からの3つのルートのうち1つ、ポーツマスからの連絡船に乗り、ロイドという町で滞在先のご主人にはじめてお会いしました。身長は英国人としては普通だろうが私より少し高く、筋肉質で少し猫背。ロングヘアーで青色の目は鋭く少し出歯でどことなく鷲や鷹といった鳥類を思い浮かばせる顔立。昨年3月に退職したそうです。
 彼の名はアーニー年の頃はほぼ私と同じ。一緒に出迎えてくれた、シェルティーとしてはかなり大型の犬の名はエディ。
 車で約45分、ほとんど島を横断して、やっと滞在先の彼の家に到着。そこにはカレッジで語学の先生をしているという奥さんのアニーが待っていてくれました。当日はポーツマスで夜食を済ませてあったので挨拶とちょっとした会話をしてから案内された6畳ほどのきれいに準備しておいてくれた部屋で荷物を解き、ほっと一息。ゴールにやっとたどり着いたようなスタート台に立ったような変な充実感を感じました。
 若い頃にN.Yに1年ほど滞在していたり、過去に何度もヨーロッパやアメリカ、特に英国のウェールズには知人もいて4,5回行ったことはあったのですが、いずれの時も傍から人々を眺めるといういわゆる傍観者の立場でいました。良くしてくれればくれる程、よけいにゲストと言う囲いから一歩も外に出られません。


ファームステイを選択した訳

 ちょうど永年勤めていた会社を退職したし、時間はたっぷりあるのだから、今度の旅は非日常だったこれまでの滞在とは違う日常として過ごしてみたい。それにはホームステイが一番いいだろうと思い立ち知人の経営する英国語学留学センターに行ってみました。何の技術も持っていないし、特別語学に才がある訳でもないので昼間は動物の世話をするような、例えば農場のようなホームステイ先はないかと相談してみました。そして紹介されたのがここ英国の南に位置する、アイルオブ ワイトという滞在先だったのです。たまたま滞在先のアーニーの家でも、しゃくな程英語を理解するエディとアラブ種の馬3頭、何の為に飼っているのか、年老いた羊が5頭、鶏を20羽程飼っていました。その世話の手助けをしただけでも結構大変だったのですが、朝9時から夕方4時迄は滞在先から車で15分程のところにあるコールマンファームという、それこそ、うさぎから牛、馬、ヤギ、羊、鶏、アヒル、小鳥、ブタ等、なんでもござれの農場で働くことになっていました。3月末から11月初旬までのシーズンには家族連れの観光客が10万人以上来るという、従業員もシーズンには15人ほどいる立派なファームです。私がそこへ通い始めたのは、3月末のオープンに向けて動物の世話は勿論、駐車場や子供の遊び場の整備、フェンスや小屋の塗装とそれこそ猫の手も借りたいようなときでした。


力仕事をやり遂げた満足感

 平日のある1日を記述してみれば、朝8時前後に起床し、コーンフレークにパンを食べ、9時に迎えに来てくれた車で農場へ行き、持参したウエリントンブーツ(長靴)を履き、日本にいたら手に持つのも嫌な様な汚れたジャンパーを着込み、早速動物達の飼育場へ。そこで従業員数人が掃き集めたおびただしい量の糞を手押し車に乗せ捨てにいく。これを数10回繰り返し一段落したら水を取り換え、干草をやり次にうさぎの世話。ここまで無事終了するとおおよそ午後1時になっています。この間に10時30分と昼にサンドイッチやトースト等の軽食を取ります。
 午後はオープンにむけての各所の塗装やら駐車場の整備。特に駐車場の整備の為にやった砂利の山からシャベルで砂利をすくい取り手押し車に乗せ、駐車場まで運び、またそれをならす仕事は、五十路をとうに越した身にはとても大変でした。この仕事は最後の1週間程続き、合計50トンほどの砂利を扱いましたが、見事オープン前日にやり終えたときには顔はたくましく日焼けし、手にはまめが数カ所できていたほどです。
 他国で小なりとはいえ、多少の責任を持ち総てマイペースでやれたこの仕事は心やすらぐ満足のいくものでした。


協力:英国語学留学センター TEL 03-3499-3447 http://www.a-jls.com


後編へつづく


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