シニア海外ロングステイ タイ編
第4回目 チョンブリ県でのロングステイ実例
増成 ヒトミ

タイ全土地図でパタヤの所在地を明記したもの
タイの中でも老舗格のリゾート地として知られるパタヤがあるチョンブリ県。バンコクから車で約2時間というアクセスの良さもあり、手軽に楽しめる観光スポットとして高い人気を誇っている。今回はこのチョンブリにロングステイされている方の実例をご紹介したい。


自宅前にて  小林令さん(77歳)は、2003年3月より、パタヤの中心部から車で10分の距離の一戸建てに、息子の和彦さん夫婦と一緒に滞在している。部屋の間取りは3LDKで敷地は160uと非常にゆったりとした住環境だ。周囲は閑静な住宅街で、大きな一戸建ての家が立ち並んでいる。住人は欧米人が多く、タイ人は全体の4割程度になる。家から徒歩数分のところには、タイに住んで15年になる80歳の日本人ご夫婦がいて、仲良く近所付き合いをしている。
 令さんの朝は愛犬との散歩で始まる。日中は趣味の大正琴のお稽古をしたり、日本から材料を持ち込んだアートフラワーを作ったり、庭の手入れを楽しんでいる。大相撲のあるときはテレビ(NHKワールド・プレミアム)で観戦するのも日課の一つだ。また、車で10分のジョムティエンビーチの南に位置する、別荘兼お客様用として購入したコンドミニアムに時折出向き、のんびりと海を見て過ごすのがお気に入りでもある。
 普段の買い物は車で8分ほどの大型スーパーでしているが、輸入食材などを買うときは車で15分ほどの高級スーパーに出かける。また、生食できるような新鮮な魚介類を求めるときは、パタヤ北部にある市場に出向くか、チョンブリ県内のサタヒップやラヨーン県まで足を伸ばす。
パタヤのビーチ  チョンブリをロングステイ先に選んだのは、バンコクや他の各都市に比べて、海が近く、空気もきれいであること、古くから欧米からの長期滞在者が多く、外国人にとって非常に暮らしやすい場所であること、交通の便も悪くないこと、という理由からだ。加えて、バンコクのように居住物件が価格的に高くないこと、治安も悪くないこと、交通渋滞もないことなども挙げられる。
 チョンブリの良い点は、欧米人が多いために良い意味でアメリカナイズされているところだと和彦さんは言う。例えばスーパーなどは巨大な駐車場を備え、ショッピングセンターなどでも楽に買い物ができて、比較的英語が良く通じる。また、老舗リゾート地のため、レストランなどはよりどりみどりで、味もサービスも合格点だ。更に病院も充実しており、日本語の通訳も在駐している病院もあるため、緊急の際にも安心して医療が受けられる。但し、バスなどの公共交通機関が発達していないため、車を所有していないと移動に不自由することになることが難点と言える。

 最後に、和彦さんより、これからタイにロングステイする人たちへのアドバイスを頂戴した。

小林令さんと愛犬 1. タイ人を馬鹿にしないこと
2. 日本をそのまま持ちこまないこと(通信環境や交通手段、食事やサービスなどに日本と同じレベルを求めようとすると、フラストレーションが溜まるという意味)
3. タイという国の文化や人々の特有の人間性を理解すること
4. 気候に慣れるまでは無理をしないこと
5. 住むところは、充分に環境を調査し、納得した上で決断すること
6. 生活費は輸入物を避ければかなり安くあがるが、タイの物価は上昇し続けているので、現在の収入に見合った計算をしておいたほうが良いこと
7. 絶対に信頼できるアドバイザーを見つけること

(取材協力)
・ロングステイコンサルティング(タイランド)株式会社
http://www.longstayconsulting.co.th/


<作者紹介>
増成 ヒトミ
97年からバンコク在住。スペースアルク「ヒトミのバンコクな毎日」、キレイコム「世界のキレイ・タイ編」、ウェブコラムマガジンのらり「挨拶は『もうごはん食べた?』」など好評連載中。
ご意見・ご感想は、編集部へ info@stepup.co.jp



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