Myway Club 連載記事


マムスガーデンリゾートよりナマステ
第3回 体と心を癒してくれるヒマラヤンヨガ
宮本ちかこ













ネパールに住み始めて6年、ふとしたことで出会ったヨガ。健康のために始めたヨガですが、体のみならず心まで癒してくれる効果あり!。体力のみならず、体の内側も鍛えてくれ、心の柔軟度もアップ、といいとこだらけのヨガなのです。


体を鍛えたい!から始まったヨガクラス通い

 32歳でホテルオープン、33歳で出産、その後、仕事と子育てに忙殺される日々が続きました。そして娘も3歳になり、ちょっと一息の36歳。ふと気付くと、体は相当なまっています。何しろご年配のゲストと一緒にトッレキングに出かけて、一番後ろを歩く始末。このままじゃあいけない、体を鍛えなくてはと思い、始めたのがヨガでした。跳んだりはねたりしないので、ひざを若い頃痛めた私でもできそうな感じがしましたし、友人がちょうどヨガを始めて、腰痛がなくなったというので、そんなにいいのならと、えいやっと飛び込んだわけです。それが昨年の6月のこと。

 で、始めたはいいけれど、当初は1時間のヨガでふらふらでぐったりでした。見た目そんなにハードなことをしている感じはありません。柔軟にストレッチ、これに腹式呼吸を組み合わせたようなもの、そんな印象です。それなのに自分がやってみるとなかなかハードで、ヨガクラスの後、スクーターを運転するのがしんどいくらいでした。


体の中から健康に、そして心もしなやかに強くなる

 ヨガというとなんだか怪しげに体をくねらせたり、アクロバット的なポーズをとることが強調されたりしますが、私がクラスでやっていたことは、そういうものとは違いました。息を吸って体を反らせて止める、そして吐いて曲げて、また止める、その繰り返しです。呼吸に合わせて、前後、左右に背骨を反らしたり曲げたり、それを立った姿勢で、座った姿勢で、うつぶせで、仰向けでやる、簡単に言うとそういうことです。
 始めはポーズの意味なども知らないまま、先生に言われるままにもくもくと1時間やっていました。そのうちにだんだん体が運動することになれてきました。1時間のヨガの後、ぐったりではなく、すっきり気持ちいい感じがするようになったのは、始めてから3カ月後の9月くらいのことでしょうか?

 その時になって気が付いたのです。その夏、胃腸の調子が良かったことを。実は、私は胃腸がすごく弱く、夏場は特に胃腸が荒れるのか、毎年、ひどい口内炎と舌炎に悩まされていました。ここ4年ばかりは味覚まで消失する程でした。それが、気が付いたら、大丈夫なまま夏をクリア。もしかしてこれってヨガのおかげ?てっきり腹筋を鍛えていると思っていたポーズが、実は腹筋のみならず、内臓をも鍛えてくれていたのだと知ったのは、後に先生にそう言われてからのことでした。

 「最近、体調いいみたいだね、顔色もいい。ヨガは体の中も鍛えてくれるからね。それに、このごろは落ち込むことも少ないでしょう?ヨガは気持ちをポジティブにしてくれるからね。そうじゃなきゃヨガする意味なんてないでしょ」とにこやかにさらりと先生は言われました。ヨガって単なる体操じゃあないんだと実感した瞬間です。言われてみれば、最近夜も良く寝れるし、朝も早く起きれるようになったし、体だけではなく頭もすっきりしているような気がします。それに、鬱(うつ)の友人は、ヨガを始めて1カ月、鬱の薬を飲まなくても大丈夫になったと言っていました。


心に効くヨガを求めて

 そんな風にどんどんヨガにはまっていった私ですが、やっていくうちにこのポーズは体の内側にどんな効果をもたらすのだろうか?心にはどんな風に影響するのだろうか、とヨガの意味や理論へも興味がわいてきました。本を購入して研究したり、何ヵ所かのヨガクラスを変遷、自分にもっとも合ったヨガクラスを探したのが昨年の暮れごろ。

 ヨガのポーズと同じくらい、呼吸法やリラクゼーションやコンセントレーション、さらにメディテーションが重要だと思い始めたのもちょうどその頃で、そんな時に今の先生と知りあいました。ヨガのエクササイズは体のバランスを整えるもので、呼吸法は気の流れを整え、コンセントレーションとメディテーションは精神のバランスを整える。そんな風にわかりやすくヨガを説明してくれたのが今の先生。そうかあ、と妙に納得でき、それ以来その考え方を意識しながらヨガをやっています。体だけでなく心にも効くヨガを求めて…ヨガの道は極めようと思えば、遥か遠く長いけれど、極めることは無理でも、日々の生活に健康で楽しく前向きに向きあえる助けになればと思いつつ、私なりに取り組む今日このごろなのです。


(文:Mum's Garden Resortオーナー/宮本ちかこ)