Myway Club 連載記事


具体的に教えます!海外ロングステイ
第6回 危機管理、金銭管理、医療、宗教、言葉など













「具体的に教えます・海外ロングステイ」の連載も今回が最終回となります。 前回までのロングステイのご紹介で "これなら、自分達でも行けそうだ" と感じられた方々も多いことと思います。 でも、ここで敢えて水をさすようですが「心すべき事柄」を並べてみました。

<危機管理>

今回、イラクでの人質事件でクローズアップされたのが自己責任問題です。 9・11テロ以来、渡航・滞在先の治安に関心を持つ日本人が増えました。 それでも、日本人が危機に対する無防備さからトラブルに巻き込まれる例は少なくありません。 現地の日本大使館・領事館などが不慮の災害・災難に見舞われたときの助けはしてくれます。 しかし、滞在地の決定から現地での行動は自分のリスク感覚で行い、「自分の身は自分で守る」が基本です。 準備段階で渡航先の治安状況をしっかり把握しましょう。 
渡航先の安全情報入手は: 外務省「渡航関連情報」の(海外安全ホームページ)
http://www.mofa.go.jp/mofaj/toko/index.html


<金銭管理>

一般的に日本人は多額の現金を持ち歩くことで知られているために、トラブルに巻き込まれやすいと言われます。 滞在期間に関係なくクレジットカードやトラベラーズチェック、小切手を使い、極力現金は持ち歩かないようにしましょう。 余分な現金や貴金属などを預ける「貸し金庫」を借りる方法もあります。 ホテルやサービスアパートでは「セイフティー・ボックス(貸し金庫)」を備えているところが沢山あります。

<医療・保険>

海外での病気や事故の際に、強い味方になってくれるのが海外旅行傷害保険です。 クレジットカードに保険が付いていますが、疾病死亡の際の補償がないなど十分ではありません。 長期滞在用の海外旅行損害保険も商品化されているので、ご自分が加入している保険会社に相談して下さい。 掛け金は割高感もありますが、現地での入院治療費を考えると是非保険には加入をお勧めします。 また、持病のある人はトラベルカルテ(旅行用英文診断書)の持参をお勧めします。 交際基準の公式文書で病歴、国際標準病名、常用薬リストなどを有料で作成してくれます。 詳しくは「オブベースメディカ」


<言葉>

滞在先の言葉を勉強してから出かけるのが一番でしょうが、なかなか短期間で習得できるものではありません。 東南アジアでも、母国語の他に英語が通じる都市が多いので、
多少の英会話ができるようにしたいものです。 次に滞在地が決まりましたら、その国の言葉を簡単な単語から覚えましょう。 旅行者用の簡単な辞書や電子辞書など便利なものが出回っているので活用しましょう。 英語も日本語なまりでも恥ずかしがらず話しましょう。 ほんの片言でも日常生活には大きな支障はありません。
例えばレストランで水を頼む時は、日本での教育では "Excuse me, I would like to have a glass of drinking water" と教えているはずです。 でも実際には現地人でも "Water, please" としか言わない人が多いのです。 同様に、道で隣人に会った時も " How are you this morning? I am fine, thank you"とまで挨拶する人は少なく、"Hello!" とか "Hi!" で済んでしまいます。 要は人に接する時は、いつも明るく、笑顔で振る舞うことで言葉に臆病にならないことです。 そして、「Please」 と 「Thank you」 を忘れずに。


<宗教・習慣>

イスラム教の例
日本人は、世界にまれな無宗教国家(日常生活の中で自己の信ずる宗教習慣を励行することはほとんどないという意)であることから、他の民族社会ではその民族の習慣や風習を無視してしまい、たいへん無礼な振る舞いをしてしまうことが多いようです。
イスラム教の長い歴史の中で培われてきた生活習慣は、日本とは全く異なるものであり、日本人が常識としていることがイスラム教国では全くの非常識であったりすることで、偏見や誤解を生むことになってしまいます。
マレーシアはマレー系、中国系、インド系、その他の他民族からなる国家であることから宗教の自由が認められており、イスラムの文化と習慣にはそれほど制約されることはありませんが、地域住民とのふれあいこそが目的となるロングステイヤーにとっては、マレーシア国教としてのイスラム教を最小限の基本的知識として認識しておく必要があるでしょう。
・ 豚肉はご法度
食べ物に関する禁忌としては、イスラム教では、豚は不浄の動物とされ、食べてはいけないことになっています。 そのためイスラム諸国で豚肉や、その加工品が食事に出てくることは絶対にありません。中華料理店では酢豚はなく、酢チキンが出されたりすることもあります。また、持ちこむことも禁止です。豚肉を加工したハム、ソーセージ類やトンコツスープのカップ麺も対象になります。イスラム系航空会社の機内食の上に、豚の絵に×印をつけたシールが貼ってあることがよくありますが、これは機内食に豚肉が含まれていないという意味です。
・ 服装の制約
イスラム教では、女性が外出する際、顔や手足をおおい隠すチャドルという服を着なければいけないという規則があります。 これも国によって差がありますが、聖なる場所、例えば多くの人々がお祈りをしているモスクや寺院などに入場する場合は観光目的であっても、ショートパンツやノースリーブなど肌を多く出す服装は避けましょう。
・ 神聖な右手、不浄な左手
イスラム教では、右手は神聖な手、左手は不浄の手とされており、現地の人と握手をする場合には、必ず右手を出さなければいけません。また、男女が直接手を触れ合うことはエチケットに反しますので、チップを手渡す時など気をつけましょう。

いろいろと書きましたが、要は相手の国に "一時的に住まわせて頂く" くらいの気持を持ちたいものです。 そして、最低限のマナーをもって接することが楽しく、有意義なロングステイライフにつながるのだと考えます。 
筆者が事務局長をつとめるNPO日本ロングステイ・アカデミーは、6回の連載記事でご紹介したような情報を滞在地別に、項目別にテキストにした「実践講座」を開講しています。 受講者がご自分の習得度をチェックする目的での小テストも設けてあります。 また、1カ月の受講の最後には、個々に対応する質疑応答の機会もあります。  


財団法人ロングステイ財団では「LSメンバーズクラブ」という個人会員組織をもっています。 会員になりますと、セミナー・講演会やイベントを通じてお仲間と知り合う機会も生まれます。 私達の組織も財団の賛助会員です。詳しくは財団のホームページをごらん下さい。 

<ロングステイ・実践講座のご案内>

海外でロングステイを行うにあたり、どのように情報を集め、整理して、自分たちの目的に最も相応しい準備をするか? これが、大きな課題です。

NPO日本ロングステイ・アカデミーでは、この課題解決のために「実践講座」を開設致します。NPO(特定非営利活動法人)が運営するため、受講料は一ヶ月間のフリーアクセスで12,000円と良心的です。

授業はパソコンとインターネットを使用したイーラーニングです。
受講のために通学をせず、冊子型テキストも使いません。 自由な時間に自分のペースで行えます。
イーラーニングは決して難しいものではなく、「手引書」によりシニアの方でも容易に操作できるシステムです。

実践講座で用意されているコース(デスティネーション)は下記のとおりです。
受講内容には自動採点つき小テストも含まれているほか、受講の最後には、アドバイザーによる「個人相談」も用意されています。
各コースの案内  
・米国・ハワイ (オアフ島、ハワイ島、マウイ島)
・カナダ(バンクーバー)
・オーストラリア (ゴールドコースト、ケアンズ)
・ニュージーランド(オークランド、クライストチャーチ)
・マレーシア(キャメロンハイランド、ペナン)
・タイ(バンコック、チェンマイ)
・インドネシア(バリ島)
・台湾(台北近郊、高雄近郊)

NPO日本ロングステイ・アカデミー
事務局長 清水 健次
URL http://longstay-academy.com
e-mail: kenhappy@ocn.sepia.ne.jp

[STEP UP ぴあ MyWay TOPへ]