「俳優たちとよく酒の席で“『プロデューサーズ』派か『RENT』派か”を語ったりしてますよ。どちらもそれだけファンの多い作品なんですよね」と語る劇作家・演出家の鴻上尚史さん。ミュージカル演出、映画監督、エッセイも手掛ける鴻上さんが考える両作の魅力とは?

『プロデューサーズ』は舞台を忠実に映像化していながら、それでいて充分面白い。出来がよければ映像で舞台をやってもいいんだっていう発想は発見だったし、驚きでした。実際、『プロデューサーズ』は音楽もいいし、振り付けもよくできてるんですよ。コミカルなんだけどカッコよくて、尚且つオシャレで。面白かったのが鳩。舞台と同じように人形の鳩を使っていて、チープで笑 わせる。あれはかなり確信犯だと思いますよ(笑)。どうせ嘘をつくなら、元気に馬鹿馬鹿しく嘘をつこうってことなんでしょうね。一方で劇中劇『ヒットラーの春』は映画のほうが舞台も凝ってたし、客の反応が入るぶんさらに面白くなっていて。そこは映画ならではでしたね」
人生のコミカルさとシニカルさがある大人のミュージカル
『プロデューサーズ』で描かれるのは、鴻上さんも身を置く舞台の世界。
「実際、舞台の評価ってボタンの掛け違いひとつで違ってくるものなんですよね。その残酷さと面白さもあって、僕らから見て納得もできるし、誰が見ても笑える。本当、深い作品だなって思いますね」。

「ミュージカルって言うと、美男美女が突然歌い出したりする恥ずかしいものというイメージを持つ人もいるじゃないですか。でも『プロデューサーズ』は正反対なんですよね。出てくる人たちが味わい深くて、シニカルなのにコミカル。そもそも、コケた舞台のほうが儲かるっていう発想自体、シニカルでしょ?(笑)。人生のあるレベルに達した大人じゃないとわからないような視点や笑いが入っていて、言ってみれば大人のミュージカルなんですよね。すごくミュージカルって豊かなものなんだって教えてくれるし、いろんな側面から楽しませてくれて、必ず笑わせてくれる。ミュージカルなんて一生見ないと思っている人にこそ、ぜひ見ていただきたいですね」
若者たちが自らの叫びを描き出した伝説の「RENT」の映像化
一般的なミュージカルのイメージを覆す作品という点では『RENT』も同じ。
「日本でミュージカルを作っている人たちは皆、日本における『RENT』を作りたいっていう夢を持ってるんじゃないかな。僕もそうですよ」。鴻上さんがそう語る、『RENT』の作品性とは?

「僕は“小劇場ミュージカル”って呼んでるんですけど、王道のミュージカルに対して、若者たちが自分たちの見たいものや叫びをエンタテインメントとして作り上げてたミュージカルの流れっていうのがあるんですよ。『RENT』はそれを代表する作品で、ミュージカルはドレスアップした大人や幸福なカップルのためだけじゃなくて、悩んであがいている若者にとっても存在するし、必要なんだっていうことを宣言してくれた。『シーズンズ・オブ・ラブ』っていう代表曲があることも、『RENT』の強みですごさですよね。やっぱり音楽が圧倒的にいい。そういう作品が映画になって、今回またDVDになってより多くの人に伝わるのは価値あることですよね」
充実の音楽と納得の映像で作り上げられている映画版のこだわり
「ミュージカルファンにとっては、伝説のキャストの歌をまた聴くことができるっていうのも喜びですよ」と鴻上さん。映画版では初演キャストの主要メンバーが終結し、映像となって新たに生まれ変わった映画版『RENT』でも変わらない迫力ある歌声を聞かせてくれる。

『RENT』の音楽はすごくメロディアスで、ラインが美しいんですよ。それが聞いてて気持ちいいし、映像にもはまる。映画版の映像は満点ですよね。僕らが舞台で見たイメージそのままのシチュエーションできれいに撮っている。それでいてミュージカルシーンから始まっていて、この映画はただ『RENT』をリアルな映像に置き換えただけじゃなくて、ミュージカルなんですよって冒頭で宣言しているんですよね。うまいなって思いました。『RENT』は背景にエイズがあるわけですけど、そこに描かれているのはいつの時代にも共通す る若者の姿。だからこの作品は若い人にこそ見て欲しいな。それで前に向かって進んでいってもらえればと思います」
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【解説】
半年先までチケットが完売するほど評判を呼び、2001年のトニー賞では史上最多受賞の12部門で栄冠を手に入れた伝説のミュージカル「プロデューサーズ」。舞台を完全映画化したのは、舞台版の女性演出家でもあるスーザン・ストローマン。今回の作品が映画監督デビューとなった。 
story
元売れっ子プロデューサーのマックスが企画するミュージカルはコケてばかり。ある日、会計士のレオは舞台を失敗させることで 大儲けする方法を思いつく。かくして二人は、ブロードウェイで最高に儲かるチャンスを得るため「最低の脚本」「最低の演出家」「最低の役者」を探しはじめる。ところがショーはなぜか大ヒットし…。
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【解説】
ダウンタウンの小劇場で初演されるや、センセーショナルなストーリーとドラマチックな音楽が話題を呼び、たった3ヵ月でブロードウェイ大劇場に進出。トニー賞を始め、ミュージカルとしては異例のピュリッツァー賞も受賞。現在も世界中で上演は続き、ブロードウェイでの上演回数は4000回を超える。
story
1989年ニューヨーク。イースト・ヴィレッジに暮らす毎月の家賃(レント)も払えないような生活をおくる、若きアーティストたち。
彼らは犯罪、エイズ、ドラッグ、同性愛、友の死など、様々な問題に直面しながらも、愛や友情を信じ、夢に向かって今日という日を懸命に生き抜くのだった…。現在もなおブロードウェイでロングラン上演が続く、若者たちの青春の葛藤と苦悩を描く感動のミュージカル。
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