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福田正博 FUKUDA'S EYE
FUKUDA'S EYE 公式HPスペシャルコラム
 2006.7.19【Vol.92】オシム・ジャパン!?
これ以上ない人選だと思う

  どうやらジーコに代わる日本代表の新監督はオシムということになりそうだ(まだ正式発表はされていない)。

 先のW杯ドイツ大会で、日本はまだまだ個人能力で世界に太刀打ちできないことが明らかになってしまった。それゆえ、新監督には日本人の長所を活かした戦いができ、日本のサッカーを理解している指導者が適任だと考えていただけに、オシムはこれ以上ない人選のように思う。

 ジーコの選手の自主性に任せたやり方が悪かったとは思わないが、やはりW杯の戦いぶりを振り返っても、日本に真のプロフェッショナルと呼べる選手は、ヒデ(中田英寿)ぐらいしか見当たらなかった。そう考えると日本の監督にはまだ、例えフル代表の指揮官といえども、ある種教育者的なタイプの人物が必要なのではないだろうか。加えて、オシムはジェフで4年間指揮をとっていることで日本のサッカーを熟知しているし、Jリーグでの発言等を聞いていても日本サッカーの向上を真剣に考えているような姿勢が窺えるだけに、あらゆる角度から見ても納得の人物のように思う。

ジェフでの成功を代表へ

 4年前、やや戦力的に劣るジェフを率いると、アグレッシブで、近年は毎回優勝争いを演じるまでに成長させたのは間違いなくオシムの手腕によるところが大きいと思う。そして、ともすると当時のJリーグ内におけるジェフと、現在の世界における日本の立ち位置は同じようなところにあるかもしれない。欧州や南米の数ある国のなかにおいて、個人能力で劣り、とても強豪とは呼べない存在。そんな状況下、オシムは限られた戦力を最大限に使いながらジェフを戦えるチームへと育ててきただけに、それを代表にも持ち込んでくれるのではないだろうか。

 千葉対浦和の試合ひとつとっても、千葉は戦力で勝る浦和に去年から今年にかけて5試合やって1試合も負けていないという事実がある。それは、例え戦力が劣っていようとも、その持っている力を最大限に発揮し、チームとして戦うことができれば、簡単には敗れないということを証明しているといえるだろう。

走ることが基本

 イメージとしては、ただ走る、というようなことがあるかもしれないが、それは基本が何であるかを示しているように思う。W杯を見ても、やはりシステムや戦術がどうの、という前に走れなければ戦えないということが分かったことと思う。システムや戦術で、相手からボールが奪えるわけでなければ、ゴールを奪えるわけでもない。最近は、メディアや関係者を含め戦術云々がどうとか頭でっかちになっているようにも感じられており、オシムはその辺のことも踏まえ、W走る”という基本をことを強調しているのかもしれない。

ジーコ・ジャパンの検証も忘れるべきではない

 もちろん、ジェフの指揮官を務めていたオシムが、このタイミングで日本代表の監督に就任することになったことについては、いろいろな意見があると思う。ジェフに多大な迷惑がかかってしまったわけだし、日本サッカー協会としてはその事実を真摯に受け止め、またジーコ・ジャパンの成功と失敗、よかったこと悪かったことをしっかりと検証しなければいけないと思う。

 しかし、個人的にはW杯をグループリーグ1分け2敗で敗退したネガティブな印象を払拭し、いち早く新たにオシム・ジャパンで出発するという前向きな発想は悪くないと思う(もちろん、その裏では協会や関係者がこれまでの反省をしっかりする必要がある)。すでに8月9日にはトリニダード・トバゴとの親善試合の予定も組まれており、今からメンバー発表を含め、オシムがどんなサッカーを見せてくれるのか楽しみだ。そして、そこにはきっと指導者を目指す自分にとっても、参考になるものがたくさんあるような気がしている。
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