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「ゴールの向こうに」スポマガWorld soccer連載コラム
 Vol.45 思い切った采配が、チームに意思統一と積極性をもたらしたが…
本山と藤田の投入が流れを変えた
 大久保の退場というアクシデントがあって、早い時間帯に10人になってしまったが、前半をよく失点しないで耐え凌いだ。そして後半は、スタートから攻撃的な本山と藤田を投入しシステムを変えるなど、思い切った策をとったことで、チームに意思統一と積極性が生まれたと思う。勝たなければならない状況だったが、ジーコにしてはめずらしく思い切った采配だった。
 かなりのリスクをかけたプレーになったが、それが逆にディフェンスの意識を高めたようだ。引いて守るというよりも、ボールへのアプローチが早く、攻から守、守から攻への切り替えが早く、10人ではあったが締まった試合になった。少し仕掛けるタイミングが早いかなと思ったが、後半から入った本山と藤田は豊富な運動量でチームを助け、前半は厳しいマークに遭っていた小笠原も、後半は攻撃の起点として機能していた。
 ただ、そうはいっても勝てずに大会を落としてしまったわけだから残念だ。いい試合をすればいいということではないし、W杯予選に向けてもしっかり点を取れるときに取っておかなければ、と改めて認識させられたのではないだろうか。
 やはり引いてくるチームに対しては、もう少しサイドから攻撃を仕掛けたい。そういう意味で、久保は3試合を通して、高さとゴールへの意欲を見せてくれたし、中澤の高さもセットプレーなどでは大きな武器になってくると思う。今のサッカーは流れのなかから点を取るのが難しくなってきているし、セットプレーの大事さというのはJリーグで横浜が優勝したことでも分かると思う。
大久保の退場。慎重さは欲しかった
 大久保は2枚のイエローで退場になってしまったが、2枚目についてはかわいそうな部分もあったと思う。FW出身としてはシミュレーションの難しさは分かる。引っ掛かっているといえば引っ掛かっているし、先に倒れているといえば先に倒れている。ただあの場面は、1枚目のすぐあとだったし、もう少し我慢してから倒れる慎重さは欲しかった。そういうルールになっていることは分かっていることだし。だが、1枚目は抗議によるものだったようで、それについてはJリーグのなかでも問題になっていたし改善する必要があると思う。
 周囲の人も批判するだけでなく、それがどうしていけないかということを理解させていかなければいけない。警告を受けることは、自分だけの問題ではないし、チーム全員に迷惑がかかってしまう。浦和のエメルソンも、それを理解して今季のプレーはだいぶ変わったと思う。
 確かに、あのプレー自体は自分勝手なプレーではなかったが、結果としてあの時間に退場になってしまえば、苦しくなり、チームに迷惑がかかってしまう。
 また、最近はペナルティエリア内で攻撃の選手が倒れると、すぐに白か黒か、PKかシミュレーションみたいになっているが、もう少し流すということがあってもいいと思う。なんでもかんでも倒れたらPKか警告ではなくて。手を上げて明らかにアピールしながら倒れるのはよくないが、そうでないものに関してはしょうがない部分もある。昨年のW杯でもトッティ(イタリア)の退場などがあったが、FWとしてはプレーしづらい状況だと思う。
久保の活躍が収穫
 東アジア選手権の3試合を通しては、久保の活躍が大きな収穫だったと思う。それから、小笠原も高いレベルのプレーを見せてくれた。最終ラインに関しては、3バックも有りなんだなということが分かった。ただ、藤田以外の欧州組が不在だったことを考えると、チームのレベルアップということよりも、個の発掘の方が大きかったように思う。
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