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「ゴールの向こうに」スポマガWorld soccer連載コラム
 Vol.40 「強さを見せた浦和」
大きな勝ち点3を獲得
 浦和は東京Vに5対1と快勝し、大きな勝ち点3を獲得した。初めてのタイトル(ナビスコカップ優勝)を獲得したことで、この1週間は周囲が慌しく、選手も試合に向けて集中し切れなかったと思う。そんな難しい状況ではあったが、浦和は十分に成長をうかがわせる戦いを見せてくれた。
 立ち上がりから東京Vの消極的な戦いが目に付いたが、浦和としてはうまく試合に入れたことが、結局は5対1という快勝につながったと思う。首位攻防戦ということで、東京Vは必要以上にナーバスになっていたようだが、浦和は最終ラインが上がらない東京Vに対して、積極的なインターセプトを試みるなど、完全に主導権を握っていた。
 ただ前半、完璧な内容を見せたものの、ダメ押しの3点目が取れなかったことが後半序盤の苦しい展開を招いたと言える。その点は今後に向けての課題と言えるだろう。
効いた内舘の働き、山瀬の3点目
 序盤にニキフォロフが筋肉を傷め、退場したことで急遽、内舘がエムボマのマークに付くことになったが、分が悪いながらもしっかりと対応していた。また、特に前半は山田暢が高い位置からプレッシャーをかけ、東京Vの左サイド、三浦と平野に仕事をさせなかったのも大きかった。東京Vは左サイドが攻撃の起点になることが多く、ここが機能しなければ苦しい展開は避けられない。
 後半は東京Vが戦い方を修正してきたことで、ボールを回され、苦しい状況に立たされた。特に、1点を返されたあとは苦しかった。しかし、山瀬の3点目が効いた。あの流れを変えるには得点しかなかっただけに…。エメルソンが治療で出ているなか10人で決めた、いいプレーだった。
オフトの意図するコンパクトな戦い
 ナビスコカップ決勝での1点目もそうだったが、コンパクトな戦いができていることで、山瀬がゴール前に顔を出す場面も増えてきたように思う。前線と最終ラインの距離が短くなり、コンパクトな戦いができれば、山瀬はもちろん、両サイドの山田暢、平川も攻撃参加がしやすくなる。
 よく解説者などが「ゴール前に人数が足りないですね」とか、言っているのを聞くが、前線と最終ラインの距離が間延びしていれば、当然前には出ていけない。間延びすることがないわけではないが、コンパクトな状況で戦える時間が増えてきたことで、オフトの意図する浦和らしいサッカーができているのだと思う。選手個々の意識の変化もあるだろうが、全体をコンパクトにすることで、攻撃のサポートも守備のカバーリングもうまく回っている。
心配は徒労に終わった
 浦和としては、ナビスコカップ優勝の慢心、オフトの辞任表明の影響などが心配されたが、それはまったくの徒労に終わった。残り3試合で首位に立ったわけだから、あとは他のチームのことは気にせず、1試合1試合を大事に戦うことだけ。この試合でエメルソンが警告を受け2試合の出場停止に、ニキフォロフが肉離れを起こして今季中の復帰が難しくなってしまった。ただ、こういう状況はこれまでもあったことで、そのなかでオフトは少ない人数のなか、うまくやりくりしてきた。チームとしての力を証明するためにも、エメルソン、ニキフォロフがいなくても勝てるということを見せて欲しい。これを乗り越えなければ、優勝は見えてこないと思う。
 一方、首位に立っていた東京Vは優勝ということを考えると、痛すぎる敗戦となった。1対5というスコアにショックもあると思う。逆に、浦和としてはナビスコカップ決勝に続いての快勝で、大きな自信を手にし、強さを証明できた試合となった。
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