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「大将浪漫」週刊サッカーダイジェスト連載コラム

 連載第64回 【今週のキーワード】浦和レッズ

 浦和は、スタートでつまずいてしまったね。思うようなサッカーができていない。

 エメルソンの不調が影響している。彼は5試合を終わってノーゴール。スランプ以前の話だよ。コンディションが整ってないんだから。それとディフェンスラインのメンバーが固定されないのも痛いね。昨季の快進撃を支えたのは後ろの3人だった(闘莉王、アルパイ、ネネ)。FWが点を取れない。後ろのメンバーが固定されないというのはチームにとって大きなマイナスだったと思う。

 今季のリーグは長丁場だから取り返すチャンスはまだある。ただ、浦和にとってはこの時期、ある意味重要だった。3、4、5月はライバルと目されている横浜や磐田がACLなどで過密日程を強いられている。ここでスタートダッシュを決めていれば彼らに差をつけることができた。そのアドバンテージをうまく利用できなかったのは惜しい。

 浦和が志向するサッカーは昨年と変わらない。変わらないだけに前線の選手、特にエメルソンのコンディションは重要なんじゃないかな。今の浦和ってほとんど個人での打開で攻撃しているでしょ。そうなると、エメルソンの調子が悪いだけで得点力が大幅に下がってしまう。

 相手に研究されているとも言えるけど、それは昨季もそうだった。相手は浦和の良いところを消そうと組織で守ってくる。それでもエメや達也(田中)らがガンガン点を取って、終わってみたら大勝というケースが多かったんだ。でも、いまはコンディションの問題で個人の能力に頼れない。こうなるとツライ。前線でのコンビネーションや、リスタートからの得点などの形も模索していかないと厳しいんじゃないかな。例えば、今はサイドをうまく崩しているけど、中央の動きに連動性がない。誰がニアに入って、誰がファー、そして中央に詰めるのかの約束事がないから、相手は守備がしやすくて、簡単に弾き返されてしまう。

 また、セットプレーで威力を発揮するフリーキッカーやターゲットマンが今の浦和には見当たらない。そのような選手を補強する必要性はあったかもしれない。僕は阿部勇樹(千葉)のような選手がいたらなと思っていたけど・・・・・・。俊輔(中村)や阿部のように高い確率で得点に結び付けられるようなフリーキッカーがいると心強いよね。

 今の浦和には高さがないけど、それは昨季から言われていたことでもある。ただ、高さがなくてもクロスから点を入れることはできる。アーセナルもサイドからガンガン崩して点を入れているけど、別にヘディングで競り勝ってゴールしているわけじゃなくて、流麗なパスワークを駆使して選手同士のコンビネーションから得点を生みだしている。

 浦和はFWの出来次第で成績が変わってしまう。つまり彼らへの依存度が高い。チーム力を安定させて常にリーグで上位を目指すには、それでは心もとないと感じている。今後、それをどう是正するのか。興味深く観たいけどね。

 今はまだ優勝を念頭に置くべきじゃない。まだ30試合もあるんだよ。変にプレッシャーを受けて試合をしていたら、勝てる試合も落としてしまう。自分たちのすべきことを考えて、集中してプレーすることが大事なんだ。かつてのレッズは、歯車が狂うとガタガタと成績を落としていった。99年の時だって、誰も降格するなんて考えていなかった。第2ステージは最悪だったけど、第1ステージでは3位だったんだからね。

 選手の気持ちがバラバラになると悪循環に陥る。ただ、今は闘莉王のようなムードメーカーがいる。彼のような選手が前向きにプレーすることで、仲間を引っ張って欲しいね。まあ、闘莉王は何も考えていないのかもしれないけど(笑)。
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