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「大将浪漫」週刊サッカーダイジェスト連載コラム

 連載第61回 【今週のキーワード】高原と俊輔

 ドイツとイタリアに行ってきた。目的は高原と俊輔(中村)にインタビューするため。現地でふたりに会ってきたんだ。

 今のふたりに共通しているのは、所属クラブの監督と良好な関係を築けているということ。信頼されて使ってもらい、結果を残している。安心してプレーできているようだね。

 ハンブルグは雪が降っていて非常に寒かった。こんなに寒いところだとは思わなかったよ(笑)。でも、チームは当たり前のように雪のなかで練習していた。グラウンドはしっかり整備されていて青々とした芝生の上でプレーしていたけど、非常にシビアな環境だと思った。また、それ以上に驚かされたのは、たくさんのサポーターがその練習を見守っていたことだね。すごいなって。僕も1日目は練習を見学したけど、2日目は雪がすごく降っていて、このまま見ていたら凍えてしまうと思って室内に逃げ込んだんだけど、サポーターは真剣に選手たちの動きを見つめていた。屋根もないところで見てるんだよ。その街の人々とサッカー、クラブとの関係をまざまざと見せ付けられた。自然に溶け込んでいるなと感じたね。

 結果を出さなくては海外でやっていけない。高原は以前日本でプレーしていた時に、「点を取ってナンボ」と発言していた。そういう自分を追い込む姿勢が僕は好きだったんだけど、「こっち(ドイツ)では、そんなことを言う必要もありません(笑)」って言っていたよ。FWに求められているのはゴールに決まっているからね。ドイツでは、点が取れなかったら、すぐにベンチに座らされる。高原は今、そのくらいシビアな環境でプレーしているんだ。

 高原が所属するハンブルガーSVは今、ドル監督が率いている。彼は以前サテライトのコーチをしていた人で、高原のことをよく知っている人物。去年、高原がサテライトに落とされたとき、ドル監督に「もっとサッカーを楽しみなさい」と言われたらしい。なかなかサッカーを楽しむ気持ちになるのは難しい。でも、思いつめてばかりではうまくいかないと高原は気づいたんだろうね。監督との関係が良好なことも作用したんだろうけど、それによってプレーも向上してきた。僕にも経験がある。良い人間関係の下でしっかりと評価されて、かつ楽しくプレーできれば調子も良くなる。でもね。それにはまず、自分自身が物事をポジティブに考えなければならないんだよね。

 その後、イタリアに渡って俊輔にインタビューした時、彼が言ったことで印象に残っていることがある。「日本代表では直前合流が多いけどどうなの?」って聞いたんだ。そうしたら、「コンディションが悪いのは当たり前。良いわけがない。でも、そのなかで何をしたらいいのかを考えて、頭を使うことが重要なんです」って言っていた。調子を向上させるためにどうするかではなくて、悪いなかでどうプレーするかを考える。そのときにできるプレーを最大限発揮する。俊輔には困難に立ち向かおうとする逞しさを感じたね。

 さて、3月25日にはイランとのアウェー戦がある。大きなスタジアムでの厳しいアウェー戦になることは間違いないだろう。でも海外でプレーしている選手たちは、そんな環境を苦にしないんじゃないかな。彼らは所属するクラブで、アウェーという雰囲気を強烈に感じながら常にプレーしている。日々、そんな経験をしているんだから少しのことでは動じないよ。

 最後に。今回、レッジョカラブリアから日本に帰ってきたけど、とても交通の便が悪い! 東京へ帰るには相当時間がかかる。イタリアといってもミランやローマとは全然違う。今回、いつも俊輔が体験している移動の辛さを、僕は身に染みて感じてきました(笑)。
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