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「大将浪漫」週刊サッカーダイジェスト連載コラム

 連載第54回 【今週のキーワード】チャンピオンシップ

  今回は横浜と浦和のチャンピオンシップの展望をしてみたい。

  横浜は主力選手がケガしている点が痛い。とくにFWの久保、アン・ジョンファンが不在で前線が駒不足。勝負を決めるには点を取らなくてはならないので、相当厳しい試合になるだろう。流れのなかで点が取れないなら、あとはセットプレーから取るしかない。

  ただ、横浜は守備が堅いので、浦和の攻撃を0点に抑える自信はありそうだ。第2ステージでの両者の試合を見ると、横浜はメンバーが揃っていなかったのに終わってみれば0−0。浦和は引き分けなのに負けてしまったような雰囲気になった。横浜はあのような試合展開を狙っているのではないかな。

  横浜が勝つ条件としては、まず失点しないことが最優先になる。彼らは爆発的な攻撃で勝ってきたわけではない。点の取り合いになると浦和に分がある。

 横浜にとっては、まずはエメルソンを抑えることが大事。浦和の攻撃は中央に偏る傾向がある。力づくで直線的なんだ。エメルソンや田中であってもゴール前の密集したところで仕事をするのは難しい。だから、横浜は浦和の攻撃を中央に集中させれば抑えやすい。

  もうひとつカギになるのは浦和にとっての右サイドだろう。おそらくドゥトラと永井、もしくは山田とのマッチアップになる。初戦で誰を起用するか分からないけど、僕は山田を右サイドで起用したほうがいいと思っている。その理由は、まずはドゥトラの攻撃を封じたいから。ドゥトラを抑えられれば横浜の攻撃パターンをひとつ封じることができる。永井には、山田とドゥトラが対面している間に空いたスペースを使ってもらいたい。つまり、ドゥトラが攻め上がったときにできる裏のスペースを突いてもらいたいんだ。永井はたしかに右サイドでプレーさせたほうがいい。でも、できるだけ彼には自由を与えたほうがいい。ドゥトラと対面して守備に忙殺するよりは、攻撃に専念したほうが生きる。もし、ドゥトラとのマッチアップに敗れて劣勢になれば、チーム全体にその影響が波及する。これは避けなければならない。

  今季、浦和は横浜と3戦しているけど、いずれも3−5−2を採用している。たしかに3トップにすると横浜のボランチがフリーになって抑えにくくなる。また、極力同じフォーメーションでマッチアップさせたいという意図もある。浦和は1対1の能力が高い選手が多いからね。でも、横浜も実力のある選手が多い。マッチアップで負けてしまうと、浦和は手詰まりになる。まあ、第1戦が終わった段階で次の手を打つかもしれないけどね。

  浦和は攻撃の好きな選手が多いから、どうしても前がかりになる。序盤から大量得点を奪って逃げ切るのが浦和のパターン。だから先制点が大きなポイントになるだろう。スコアレスのまま推移していくと、浦和はスタイルを崩さざるを得なくなる。逆に横浜としてはそういう試合をしていきたいはずだ。ひとつだけ言えるのは、浦和にとって横浜は戦いづらい相手ということ。今季の成績は浦和の1勝2分だけど、内容は拮抗していた。

  チャンピオンシップは2戦ある。だから、初戦の結果いかんで試合内容が変わってくる。もし初戦で浦和が勝って、2戦目のホームで慎重な戦いをしてしまったら、思わぬ逆転もあり得る。そもそも、今の浦和は慎重な戦い方などできない。彼らの一番の魅力は攻め倒すことにあるんだからね。

  とにかく、浦和はチャンピオンシップ初体験。横浜としては慎重に試合を運んで、急ぐことなく相手の隙をうかがってくるだろう。だから1戦目の前半45分はポイントになるかもしれないね。この45分が今回のチャンピオンシップの流れを決める一因になると僕は思っている。横浜は後々の展開を考えて試合をするだろう。逆に浦和は何も考えないで試合を運べるような展開にしたい。浦和にとっては派手な撃ち合いが一番の理想だろうね。
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