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連載第51
回 【今週のキーワード】ロンドン経由オマーン行き(2)
ロンドンとマスカットに行ってきました。おかげでいま、時差ボケです。全然寝れないもん(笑)。オマーンは日本より5時間遅くて、ロンドンは8時間も時差がある。もう時間の感覚がゴチャゴチャです(笑)。
今回はロンドンの話。ロンドンにはアーセナルの試合を観たくて行った。とくにアンリを観たくてね。だからアンリが2点も取ってくれて大満足(編集部注・福田氏が観戦したのはアーセナル―チャールトンのロンドンダービー。試合はアンリの2ゴール、リュングベリ、レジェスのゴールで4−0とアーセナルが大勝した)。
アーセナルはチームが完成されていた。美しいな。一人ひとりの選手のレベルが高いのもあるけど、無理と無駄がないんだよ。自然というか、スムーズというか。誰かひとりが頑張っているのではなく、非常にリラックスしたなかでボールが回る。全員が有機的に動いている。見ていて息苦しくない。
いまのロンドンは、晴れていたかと思ったらいきなり雨が降ったりする。試合が行なわれたハイベリー(アーセナルのホームスタジアム)でも、始まる前は晴れていたのに途中から雨が降ってきた。なのに、ハーフタイムになったらスプリンクラーが出てきて水を撒いていたんだ。何でだろうと思ったら、それはボールをわざと走らせるためにしているんだって。ピッチが濡れると、ボールの転がるスピードが速くなるからね。とにかくアーセナルのサッカーはスピーディなんだよ。シュートもビュッと飛ぶ感じ。そのなかでもしっかりとボールを扱っていて、足元にパスが入ったらしっかりとコントロールしていた。アーセナルの選手たちはすごく速いパスを、いとも簡単にトラップしていたよ。
ちょっと日本の感覚とは違うよね。まあ、チキ(ベギリスタイン。元浦和。現バルセロナGM)もカンプ・ノウ(バルセロナのホームスタジアム)のピッチに水を撒くって言っていたけどね。強いチームは速いサッカーをやりたいんだろう。そのためにはグラウンドも少し湿った状態の方が良いということなんだろう。
アーセナルのバックラインにはビックリした。すごい高い位置に設定しているから前線との距離が狭いんだけど、何より両サイドも含めて全体がコンパクトだった。サイドバックなんてすごい絞っていて、逆サイドが、がら空きなんだよ。サイドバックってあんなに絞るのかって思ったよ。だからといって、選手が無理をしている感じではない。ポジショニングがいいから、無理な態勢で長い距離を走らされたりしない。中盤でボールを取られることも少ないからね。ただ、あのコンパクトさは個人の力が突出していなきゃできないこと。力があるのに、なおかつ組織的。それがアーセナルの魅力だね。
翌日にはチェルシーとリバプールの試合も見たんだけど、アーセナルを観た後だったからちょっとね……。両チームともにメンバーは若くて良い選手がいるみたいだけど、少し物足りなさを感じたな。1−0でチェルシーが勝ったんだけど、双方ともまだ完成されていないみたい。チェルシーもリバプールも監督が代わったばかりで、その影響があるのかな。まだ、まとまっていないんだよ。開幕してから1、2か月くらいでしょ。アーセナルがあまりにも完成されているんで、余計にそれを感じたね。
イングランドのスタジアムの雰囲気は素晴らしかった。サポーターに歴史があるじゃない。おじいさんから孫まで、代々受け継がれているでしょ。だからサッカーの観戦の仕方がいいよね。レフェリーのジャッジに対して声を上げるときなんか、絶妙のタイミングだもの。小気味いいよ。歌も自然発生的に沸き起こる。何よりサッカーを楽しんでいる。それは試合前も試合後もね。あの雰囲気はプレミアシップ独特のもの。他の国にはない魅力なんだろうね。