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福田正博コラム
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「大将浪漫」週刊サッカーダイジェスト連載コラム
 連載第42回 【今週のキーワード】小野伸二
 インド戦での伸二(小野)は、シンプルにプレーをしてチームにリズムを与えていた。彼の貢献度は高かったと思う。グラウンドを広く使った攻撃をし、速い展開でボールを回す。伸二のテンポでチームが機能していた。非常に効いていたよね。
 インド戦に限らず、東欧、イングランド遠征での伸二は、チームの中心的な役割をこなしていた。中盤の深い位置でボールをさばくのは、いまのサッカーでは大切なこと。その点で、彼の持ち味が十分に生きていると思う。
 いま、伸二は日本代表でプレーしやすいと思っているだろうが、それは各選手が適正ポジションについているからだと思う。3−5−2のシステムが選手の能力とマッチしているんだろう。伸二の場合、止めてすぐボールを出そうとする傾向があるけど、いままではノッキングしていた。出そうと思っても、意図した場所に味方がいなかったりして、自分のリズムを見失っていた。でも、いまは違う。
 中田が不在だった影響については以前とはシステムと出ているメンバーが違うので一概には言えない。また、ただ単に伸二が輝けば良いという問題でもない。中田が出場したときには伸二の役回りが変わるのは当然。その結果、チームとしてうまくいけばいい。ただし、中田が不在のとき、伸二が中田の行なっていた役回りをこなすだけの能力はあると思う。たしかに中田と伸二は、それぞれ同じような役割をしているという見方もある。ただ、同時にピッチに立ったら、伸二は中田を立てるようなプレーをするんじゃないかな。それがチームのバランスだから。中田、伸二ともに自分らしいプレーをすることが一番なんだけどね。
 伸二は子どもの頃からキャプテンマークをつけてきた男。プレーで仲間を引っ張ることができる。また、人間としての魅力もある。その魅力は作り出すものではなくて、自然と生まれるものなんだ。伸二は元々そういう資質があったんだろうね。海外のチームにいってもキャプテンマークをつけるくらいなんだから、彼のそういったリーダーとしての素養を周囲の人間が敏感に感じ取るんだろうね。
 この前、会って話したけど、落ち着いている感じだった。少し疲れてると言っていたけど、充実した顔をしていた。まあ、今季はケガで試合に出場できなかった時期があったから、逆にいまコンディションが上がっているんじゃないかな(笑)。今年はユーロ2004が開催される影響でシーズンも早く終了したから、ここでしっかり休みたいところだ。
 ただ、オリンピックの問題がある。伸二はオーバーエイジの候補に挙がっている。いま、クラブ側は彼をオリンピックに出場させることに難色を示している。オリンピックが開催される時期にはシーズンが開幕してしまうから、アジアカップはまだしも、オリンピックには出場させたくないという気持ちはあるだろうね。ましてや、フェイエノールトは監督が代わったわけだから、大切な時期に主力選手がいないのはチームとしても困るだろう。
 本人としてはシドニーオリンピックをケガで棒に振っているだけに、今回のアテネオリンピックに出たい気持ちは強い。ただ、チームとの関係があるから、その点をどう調整するのか。伸二の気持ちだけではどうにもならない難しい問題だ。
 おそらく伸二は来季もフェイエノールトでプレーすることになるだろう。まずは、クラブでしっかりと高いパフォーマンスを維持して、そこから次のステージを目指してほしい。
 彼はオランダである程度やれることを証明した。以前、オランダに行ったときには、現地で伸二の名前をよく聞いた。やっぱり嬉しいよね。現地では日本人としてではなく、ひとりのプレーヤーとして見られている。とても誇らしい気持ちだ。だから余計に、厳しいリーグで伸二がどんなプレーをするのかを見てみたい。彼ならやれそうな感じがするしね(笑)。
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