 撮影:源賀津己 (c)許斐 剛/集英社・NAS・テニスの王子様プロジェクト (c)許斐 剛/集英社・マーベラスエンターテイメント・ネルケプランニング |
原作の人気もあり爆発的なヒットを続けているミュージカル『テニスの王子様 Absolute King 立海 feat.六角〜Second Service』が、8月2日、東京・日本青年館で幕を開けた。今年で5年目、毎年春・夏・冬の学校休みに合わせた上演ということもあり、もはやファンには恒例行事というところ。それでも今なお動員数が増え続けているのは、ひとえにキャストの熱演と、彼らの魅力を余すことなく伝えるベテラン、上島雪夫(演出・振付)と三ツ矢雄二(脚本)らスタッフの力量によるものだろう。
テニスの名門校・青春学園、通称・青学(せいがく)の中等部に入学した天才・越前リョーマが、部の先輩たちと共に全国大会での優勝を目指す物語。今回は前作の続編となり、これまで氷帝、六角と次々に打ち破ってきた青学が、決勝戦で優勝常連校の立海と対戦するクライマックスを描く。前編でダブルス2敗を喫したリョーマたちは、残りのシングルス3戦全てに勝たなければならないのだが……。
メインになるのは舞台上で繰り広げられる試合シーン。上島の演出は試合を単になぞるだけではなく、テンポよく展開するラリーに合わせた効果音、ドラマチックな音楽、絶妙なタイミングのスポットライト、めまぐるしく変わるコートの角度など、全ての演劇的要素をフルに使い、映画でいう“引き”や“寄り”の効果を劇的にもたらして飽きさせない。随所に挿入される選手たちのモノローグや、こまめに映し出されるスクリーン映像も同様、それら全ては複合的に絡み合い、作品世界をしっかりと形づくる。もちろん、それを可能にしているのは、ラケットを持ちながら踊り、歌い、両チームの絆や秘められた過去のシーンも並行しながらこなしていくキャストたちの演技だ。ラケットを振り上げた一瞬の、原作の絵そのままの美しいポージングも目に心地よい。
特に華のある存在感と柔らかい声が場をさらう不二周助役の相葉弘樹、幼なじみとの対戦に苦しむ乾貞治役を全力で演じた中山麻生が目をひいた。一方で、歌やセリフが若干不安定な出演者が見受けられたのも事実。だが本作の場合、それも一つの味に思えるのが不思議ではある。ラストは客席降りもあり、歌のショーで幕。客席が一体となって手拍子をする姿が印象的だった。
本ミュージカルは、8月15日(木)までの東京公演後、大阪、香川、福岡、岐阜で上演される。
(取材・文:佐藤さくら)
(8月3日更新)
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