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マイケル・ムーア、米政府バッサリ切った医療問題で大絶賛


『ボウリング・フォー・コロンバイン』『華氏911』など論議を呼ぶドキュメンタリーで知られるマイケル・ムーア監督の『Sicko』がカンヌ映画祭特別招待作品として上映され、ジャーナリストたちに大絶賛された。

今回のテーマはアメリカの医療制度。政府ではなく、民間が健康保険制度を運営するアメリカでは、保険に入れない人が5000万人も存在する。医療費のせいで家をなくした人、指を2本切った時にお金が足りないせいでどちらの指をつないでもらうか選択せざるをえなかった人など、悲劇的な例が次々に紹介される。また、カナダ、イギリス、フランスを訪れ、それぞれの国の保険システムがいかにアメリカに対して優れているかを探っていく。2時間の上映中、場内は爆笑、涙、大拍手で湧いた。

「これを見たアメリカ人たちは、医薬品会社が政治家を金で買収できないようにすることを要求するだろう。僕はそうなることを楽しみにしている。観客がただ映画館に座って僕の行動を見ているだけじゃだめなんだ。彼らが立ち上がらなければ」と、ムーアは記者会見でコメントしている。
 
同日はまた、レオナルド・ディカプリオがプロデュースする環境問題についてのドキュメンタリー『11th Hour』も上映された。ディカプリオは共同脚本も務め、ナレーターとして出演もする。人間も自然の一部であり、このまま環境が破壊され続ければ、人類にこそ危機が及ぶのだということが、数多くのエキスパートの話を交えて訴えられていく。「他の人々からあれこれ言われることなく、伝えるべきメッセージをしっかり伝えるために、あえてスタジオに頼らず独立映画として作った。僕自身のお金も投資したよ」とディカプリオ。まだかなり先だが、日本公開も予定されている。

文:猿渡由紀

(5月21日更新)

シネマぴあ「カンヌ映画祭レポート」へ
第60回カンヌ国際映画祭 Sicko/11th Hour写真
上:医療制度にメスを入れたマイケル・ムーア監督
下:環境問題に熱心なレオナルド・ディカプリオ
(c)若山和子/ジャン=ルイ トルナート
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