(up 2005/02/25)
YOSHII LOVINSON
 90年代の日本のロック・シーンを代表するビッグ・グループ、THE YELLOW MONKEYの休止中に活動を開始した吉井和哉のソロ・プロジェクト。昨年7月にバンドが正式に解散を表明し、ソロ・アーティストとしての道を歩むことになった吉井が、3月9日リリースのセカンド・アルバム『WHITE ROOM』を携え、遂にツアーをスタートさせる。

 スタジアム規模のコンサートを易々と成し遂げるロック・スター。ロックに華やかなイメージを求める者にとって、それは永遠の憧れかも知れない。しかしあまりにも大きすぎる商業的な成功が、生身の人間である当人にとってマイナスに作用することも決して珍しいことではない。世間から注目を浴びる華やかな存在となることは、日常と切り離された状況が延々と続くことでもある。本来コミュニケーションの回路であったはずの音楽が、アーティスト自身の等身大レベルでのコミュニケーションを阻害するという逆説。そんなシビアな状況に耐えきれず、優れた才能が潰れていった例は、ロックの歴史の中に数多く存在する。

 そしてそんなきわどい崖っぷちのところから見事に生還を果たしたのが、YOSHII LOVINSONこと吉井和哉だ。THE YELLOW MONKEYが人気の絶頂にあった2000年にリリースしたアルバム『8』の中で、自嘲気味に<助けて>と歌っていた彼は、翌年1月の東京ドーム公演を最後に、バンドが活動を休止した後、2003年からYOSHII LOVINSON名義でのソロ活動を開始している。当時の彼はTHE YELLOW MONKEYから解放されたいという意識を持っていたが、ファースト・アルバムのタイトルが『at the BLACK HOLE』という不吉なものであることからも分かるように、その立ち上がりは決して滑らかなものではなかった。

 しかし2004年になってTHE YELLOW MONKEYが正式に解散を表明すると、彼の心境はまさに心機一転。3月に発表するセカンド・アルバムは、前作と対照的に『WHITE ROOM』と銘打たれている。さらにそれと連動して6月からは待望の全国ツアー“AT the WHITE ROOM”もスタート。このステージでは精神的に見違えるほど逞しくなり、ソロ・アーティストとして飛躍の時期を迎えたYOSHII LOVINSONの雄姿を目撃することができるはずだ。
YOSHII LOVINSON 写真
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4月11日(月) 6:00PM 〜 4月25日(月) 9:00AM

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