【映画】   (up 2004/2/24)
「ペイチェック 消された記憶」来日記者会見レポート

「フェイス/オフ」「M:I-2」など、ハリウッドでもヒット作を手がけている香港の巨匠ジョン・ウー監督が、「パール・ハーバー」「トータル・フィアーズ」のスター、ベン・アフレックを主演に迎えて放つSFサスペンス「ペイチェック 消された記憶」。2月23日、ジョン・ウー監督とベン・アフレックが二人そろって来日、3月13日の公開に先駆け、記者会見を行った。(写真:上)

会見には女優の川原亜矢子さんも駆け付け、二人に花束を贈呈。「甘いラブシーンもあり、サスペンスもあり、見どころ満載でエキサイトしました」と爽やかな笑顔で語る彼女を見て、二人が口々に「日本の女性は美しい」とほめ言葉を連発する場面も。(写真:中)

ベン・アフレックは以前からジョン・ウー監督の大ファン。「友人から彼の映画を勧められて、何度も繰り返し観たよ。彼の撮り方はすごいと思った。ハリウッド映画と違って新鮮だった」そんなベンは今でも部屋に監督の代表作「狼 男たちの挽歌・最終章」のポスターを貼っているとか。「エンドロールで彼と一緒に名前が出るなんてすごく名誉なことだよ」(写真:下)

そんなベンに対して、ウー監督も「ベンはカリスマ的なスター。ジョークを連発してみんなをハッピーにしてくれる、温かいハートを持った魅力的な人物だ」と絶賛。「彼はすばらしい役者だし、リアルで自然体なんだ。だから、スーパーヒーローじゃない、普通のエンジニアであるこの映画の主人公を演じるにはぴったりだった」

この作品は、極秘プロジェクトを請け負った後に、自分の記憶を消すことで、多額の報酬を受け取るエンジニアの男が主人公。3年間の記憶と引き換えに莫大な金を手に入れるはずが、19個のガラクタだけが手もとに残り、命を狙われるハメになった彼は、その謎を解くために奔走することになる。「マイノリティ・リポート」と同じく、SF小説の巨匠、フィリップ・K・ディックの短編が原作だ。

ところが、「正直SFはあまり好きじゃない」と告白したウー監督。SFにありがちな暗い映像イメージや希望のない結末が好みじゃないのだとか。「『フェイス/オフ』を監督したのも、善と悪の対立というコンセプトが気に入ったからだったんだ。今度の作品も、SF的なシーンは80%ぐらいカットして、人間的なドラマの方を増やした。それでより感情に訴える作品になったと思う。決してギブアップしない主人公を描くことで、観る人に希望を与える映画にしたかったんだ」

また、この作品に欠かせないヒロイン、主人公を支える恋人を演じるユマ・サーマンについては、二人とも「彼女はプロだ」と口を揃える。「彼女はデビューが早かったから、あの若さで経験豊富だし堂々としてる。セットに二人の子供を連れて来てたけど、とてもよいお母さんでもあるよね」とベン。ウー監督も「いつでもいいアイディアやセリフを提案してくれるし、カメラ映りを気にしたりしないで、髪がちょっとぐらい乱れてたって、それが自然なら構わない、という意識を持った女優だ」と高評価。

ベンとユマのコンビは、監督曰く「ロマンティックで、ちょっと可笑しい部分もある」のだとか。二人の素敵な化学反応が見られる、息のぴったりとあったラブロマンスも大きな見どころ。そして、スターもあこがれる巨匠監督によるアクション・シーンやドラマティックな人間ドラマが、このSFサスペンスをどう盛り上げているのか?
まさに公開が待ち切れない、大ヒット間違いなしの本作に乞うご期待!


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