今、日本のエンタテインメント界の最高峰に君臨するグループのひとつであるEXILE。その起源は1999年に結成されたJ Soul Brothersだ。初代J Soul BrothersはEXILEと名を変え、2007年には新たなメンバーによって二代目J Soul Brothersとして生まれ変わった。この二代目も全員がEXILEに加入することとなり、三代目J Soul Brothersが誕生したのが2010年。EXILEの系譜を受け継ぐ彼らが、初の単独アリーナツアーを敢行する。ライブという「見せる＝魅せる」場で大きな力を発揮する、パフォーマー３人に話を訊いた。

――ツアー前の8月8日（水）にまず、『0〜ZERO〜』と題されたシングルがリリースされますが、収録されている４曲の世界観をカメラマン、蜷川実花さんが４種のジャケットに撮りおろしています。１曲ずつお話をうかがわせてください。まず、美しいバラード曲『花火』から。

岩田剛典　デモを聴いた時点で、メンバー全員に刺さった曲です。季節感もありますし、曲のインスピレーションで良い振り付けができました。自信、あります！

山下健二郎

山下健二郎　歌詞がすごく切ないんですよ。花火ってキレイだけど、一瞬にして消えてしまうもの。それを恋愛と照らし合わせるってすごく素敵ですよね。何回聴いてもいろいろなシーンが思い浮かぶ、切ない曲だと思いました。

ELLY　夏の曲って激しい感じがするけど、こういうバラードも夏っぽですよね。一足先に「EXILE TRAIBE LIVE TOUR 2012 TOWER OF WISH」で、ボーカルふたりだけの『花火』を披露したのですが、すごく合ってたし、メッセージが伝わる曲だと思いました。

――パフォーマンスのポイントは？

ELLY　僕たちパフォーマーの言葉はダンス。ビートがないアカペラでも、ダンスで歌の世界を表現できます。こういうミディアムバラードの曲でパフォーマンスできるのが、三代目J Soul Brothersのスタイルだと思うんです。今までの作品にも満足していますが、『花火』は歌詞をダンスで上手く表現できたという達成感があります。自信を持ってみなさんにお見せできる作品になりました。早くＰＶを見て欲しいですね。

――ジャケット写真だけでなく、ＰＶも蜷川実花さんが監督されたんですよね。ビデオコメントで「エロいＰＶ」とおっしゃってましたが（笑）。

ELLY　男性の監督とは発想がぜんぜん違うんです。蜷川監督は、女性がどういう男の姿を欲しているのかをリクエストしてくれたんだと思います。全員違うシチュエーションで撮影したのですが、僕は、フルーツをエロく食べたました（笑）。

ELLY

山下健二郎　ELLYがフルーツを食べてる現場を見たんですけど、僕にはそのエロさがわからなかったな（笑）。どこにグッとくるのか、どこに萌えるのか男にはよくわからないんですよね……。

ELLY　僕も健二郎さんがカメラのシャッターを切ってる姿を見たけど、その「萌え」が全然わからなかった（笑）。

山下健二郎　アンティークのカメラで写真を撮るシーンなんですけど。蜷川監督曰く、萌えるらしくて。これって、女性にしかわからないものなんでしょうね（笑）。

岩田剛典　僕は濡れ場担当（笑）。お風呂とか、洗面所とか、水周りで。肌の露出が一番多かったかな？

――で、三人の中で一番エロかったのは（笑）？

山下健二郎　僕〜。

岩田剛典　僕です。

ELLY　僕ですよ！　まぁ、そういうことです。みんな自分だと思ってる（笑）。

――『(YOU SHINE) THE WORLD』は、『花火』の真逆というか、はすごくダンサブルでポップな曲ですね。

岩田剛典　ずっとやりたかったサウンドなんです。アップテンポの曲はありましたが、クラブチューンってやる機会がなくて。プライベートで聴いているタイプの曲なので、テンションも上がりましたし、どんなパフォーマンスができるのか、想像をかきたてられました。様々なイベントで披露させて頂くと思いますので、楽しみに待っていてください。ジャケット写真も『花火』が大人のエロスなら、『(YOU SHINE) THE WORLD』はイビザとか南国のクラブに繰り出す、ちょっとドレスアップした僕たち。

山下健二郎　『Kiss You Tonight』は、ザ・爽やか（笑）。空をバックに、壮大な抜ける感じが夏っぽい。

ELLY　『LET'S PARTY』は、タイトル通り“みんなでパーティしようよ”って曲。ビジュアルも今回のツアーのイメージに一番近い感じかな。ワクワクするけど、いちばんいかつい（笑）。

岩田剛典　とにかく撮影中は、常に人のことを褒めてましたね〜（笑）。素直にカッコイイって思えるから「イイ！」って連発してましたけど、傍から見るとナルシスト集団だったかも。でも、それくらい自分たちのテンションも上がったし、この作品が世の中に出るのが楽しみだったんです。

岩田剛典

――サマーシングルといえる『0〜ZERO〜』ですが、みなさんの夏の思い出を教えてください。

山下健二郎　高校の時、バスケ部だったんですけど、最後の夏の大会で、ライバル高校に僅差で負けちゃって。最後の整列をした瞬間に全員が号泣。「俺ら一生懸命頑張ったから、これからはこの思い出を大事にして頑張っていこうぜ」って語り合ったのが青春の思い出です。

ELLY　僕は甲子園を目指す高校球児だったんですけど、僕のエラーのせいで夏の大会の準決勝で負けちゃったんです。相手は巨人の坂本さんの学校でした。その後、部の中で僕だけが野球特待で大学に行ったんですが、東京に発つ日、内緒で野球部の仲間が空港に来てくれて。飛行機の窓からボードに「ガンバレ」って書いてあるのが見えた時は「行きたくない！」ってボロボロに泣きました。

Text●坂本ゆかり　Photo●吉田圭子