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2000年に大谷友介[オオヤユウスケ](vo&g)と柏原譲(b)によって結成されたPolaris。どっしりとしたリズムの上をたゆたうようなメロディと透明感あふれるボーカルが渾然一体となった唯一無二の世界観で支持されていたが、2006年に活動を休止。その後、大谷は他アーティストのプロデュースを手掛ける他、2010年には活動の拠点をベルリンに移し、ソロ・プロジェクトSPENCERを始動。柏原も他アーティストのプロデュース、FISHMANS、OTOUTA、So many tearsと多岐にわたって活躍。そんな中、Polarisとして前作『空間』から約6年ぶりに新作『光る音』が届けられた。この6年のそれぞれの活動について、再始動をするにあたっての思い、10分を超える壮大なシンフォニー『光る音』について、ふたりにたっぷりと語ってもらった。

――“お帰りなさい”というべきが、本当に待ってましたよ! 6年ぶりの新作を届けていただきまして、ありがとうございます!

柏原譲「それはね、(大谷を見ながら)僕からも『おかえりなさい!』って感じですよ」(※大谷は、2010年に活動拠点をベルリンに移した)

大谷友介「それは、実際にね(笑)」

柏原「ベルリンに行くっていうことを、その時期みんなにあまり告げずに行っちゃったからね」

大谷「知っている人は知っているけど、知らない人もたくさんいたかもね。なんかね、仰々しくなるのが嫌だったんだよね。大きなことなんですけど、だから逆に自然体で無理のない感じで行きたかったっていうか」

――今はベルリンに拠点はありつつ、行ったり来たりの生活なんですよね。

大谷「そうですよ」

――Polarisとしての新作を6年ぶりに聴けるということが、いちファンとして本当に嬉しく思います。

大谷「そう思ってもらえるのは、本当にすごく嬉しいですね」

――まずは、6年ぶりにPolarisとして音を鳴らした感想は?

柏原「今も引き続きレコーディングをしているんだけど、Polarisという名前もないころの最初に近いよね」

大谷「そうだね。もう一回やり直している感じに近いかもね」

柏原「デモテープを聴かせてもらって、それをどうやってやろうかな? みたいな話をして。Polarisに対しても忘れているというか、Polarisってどういう感じだっけっていう」

大谷「そうそう。それはすごくあって。6年前は、Polarisでやるとこういう感じになるだろうって、多少予測しながら作っていたところもあったんです。だけど、時間がすごく経っているから、そこに捕らわれることもないかなって思って」

柏原「前はね、Polarisをメインで活動しているときは、毎日がPolarisみたいな感じだったんだけど、時も流れつつお互いにいろいろな活動をしていますから。Polarisってどうだったっけなって思い出しつつ、前の曲とかも演奏してみたりしたんだけど。“ああ、こういう感じだったんだって”思って」

大谷「“6年も経ったのか!?”って感じなんだよね。2006年のアルバム『空間』のツアーファイナルのSHIBUYA-AX以来。1曲目でギターがトラブってライブを一時休止するっていう、ある意味伝説のライブですね(笑)」

――そうでしたね(笑)。その後、DVDなどのリリースはありましたが、表立っての活動はあのライブ以来になりますよね?

柏原「確かに、そうなりますね」

――大谷さんはソロで活動されていたSPENCERもあって、そんな中で、久しぶりにPolarisらしい楽曲が生まれたということですか?

大谷「どういう場でどんな時間でも、曲は曲であるんですよね。ベルリンに移住するという大きな環境の変化もありましたし。まあでも、曲を作っていてPolarisでやったらいいだろうなって曲はあるんですけど、それって元々あるPolarisの楽曲のアレンジに当てはめて合うかもって思ったりするくらいなんで。本質は、ふたりで音を合わせればPolarisでしかないっていうか」

柏原「個人の組み合わせなんじゃないかなって思うよね」

大谷「そうなんですよね。ソロでSPENCERをやってけど、それもたまたまひとりで。今までやろうと思ってなかなか出来なかったっていうのもあるんですけど、もしかして誰かと関わってやってもよかったっていうのもあるんで」

――活動がいろいろありましたけど、曲作りにおいての姿勢に変化はありましたか?

大谷「そうですね・・・これまでソロっていう活動をやったことがなかったんですよ。SPENCERって名前を付けたのは、リリースもあるし、まとまりとして名前が欲しかったんです。例えば、ひとりでワンマンのライブで弾き語りの90分ライブをやる、これは大きかったですね。自分の作っている曲を改めて振り返えれたりとか。バンドの時って、自分もバンドの一部なんで見えてるようで見えてない部分もあったんだなと思って。弾き語りって、自分が止まると当然全てがストップする、やってること全てが自分自身なんで自分の音楽がよく見渡せる。そういうことを体感できたのは大きかったですね。それを経て、曲作りに向かう姿勢に変化がありました」

――自分の作る楽曲、活動を俯瞰できたというか。

大谷「そうですね。すごく俯瞰できた6年間でしたね」

――譲さんは、FISHMANS、OTOUTA、So many tearsと多岐わたって活躍をされていましたね。

柏原「僕は楽器の一部なんで。いろいろプロデュースをやったりもしたんですけど、結局バンドとしてやるのが、一番面白いというか。今はバンドの形でしかやっていないんですけど、やっぱりバンドって面白いなって確認できたというか」

大谷「それはあるかも。ひとりでやってみるとバンドって面白いなって。バンドって生き物みたいなものじゃないですか? いい意味で制御できない感じっていうか。それが、ちゃんと身体で面白いなって。それをやっていたんだなって」

柏原「ままならないものなんですよ(笑)。一緒にやっている人たちもみなさん、昔からの友達でベテランになっちゃいましたけど。ままならないんだけど、任せといていいやみたいなところは、楽でもあるし。たまに考えますけどね、聴いている人にとってはどうなんだろう?って。例えば、今回の曲はドラムが欣ちゃんで、僕がベースを弾いていて。そういうのが今3組くらいあるんですよ。その違いっていうのは何なんだろうって」

柏原譲(b)

柏原譲(b)

――確かに、FISHMANS、So many tearsも茂木さんと譲さんのコンビですね。

柏原「そう。でも、僕は大谷くんが作った曲をやったら、イコールPolarisの曲になるんだろうなって思って。だから、わがままに言わせてもらえば、僕は自分のやりたいことをやって、大谷くんの作った曲をやればPolarisになるんだろうなって思ってますけどね」

――その辺、大谷さんはどうですか?

柏原「曲を作る人は、またちょっと考えが違うかもしれないけどね」

大谷「自分の場合は、Polarisをやっている時もひとりでやっていても他の人とやっていても、20代で作った曲でも高校生時代に作った曲でも、もちろん時間は経過しているからそのときなりのニュアンスは違うんですけど、あんまり変わらないんですよね。他の人が聴いたらすごく違うんだろうけど、ボトムの部分、自分のこだわりのポイントがあるみたいで、それを改めて確認できたんですよね。器用な方って多いじゃないですか? 形態を変えたら楽曲も変えられて。自分も以前は、器用にやれるほうだと勝手に思っていたんですけど、意外とそうでもなかったなってことに気が付いたっていう」

柏原「いいじゃないですか、素直で」

大谷「6年前までPolarisをやっていた自分は、そこに照れがあったりとか。なんとなく、自分にとってこだわりのあるところを押さえてしまうところがあったんですけど、一度Polarisをお休みをしてから、いろんな人とセッションしたりプロデュースの仕事もして、そういうことをやってみると音楽を違って見ることが出来たっていうか」

――360度で見えたというか、いろんな側面から見えたというか?

大谷「見たかったのかな? だから外国に行ってみたかったっていうのもあったんですよ。自分の音楽は、何なのかなっていうのを感じて見たかったというか」

大谷友介(vo&g)

大谷友介(vo&g)

――ベルリンから見た日本の音楽シーンはどうですか?

大谷「日本にいなかったから、わからないことも多いんですけど、気が付いたことも多いですね。日本の音楽業界は、良くも悪くもきちんとしているなと思って。残念ながら、その代わり真ん中の物が抜け落ちていることが多いなって。ベルリンとか真ん中のものしかないんですよ。いい意味で自分をプロモーションするのとか不器用な人だらけですけど。日本は逆になっているっていうか」

――ドイツは、国自体がアーティストを支援しているんですよね。

大谷「日本だと音楽をやっていて、役所でアーティストって言い辛いでしょ?」

柏原「そんなこと言ったら、『何で食ってるんですか?』って言われちゃいますよね」

大谷「そうそう(笑)。でもドイツでは、アーティスト、物作りをしている人が大事に扱われているんですよね。みんな会社に所属してアーティストをしているわけではないから、国がバックアップするんですよね。目線の違いというか。音楽とかアートとか大好きで、おじちゃんおばちゃんでもクラブに行ったり、テクノが好きなおばあちゃんがいたりするから」

――日本を改めて見るいい機会だったんですね。

大谷「そうなんですよね。意識的に日本を抜け出したとこもあるんで。ベルリンで、2年半生活していることは大きいかも。日本に来てもいろんなことが楽になりました」

Text●ぴあ Photo●中川有紀子

PROFILE

2000年、大谷友介[オオヤユウスケ](vo&g)、柏原譲(b)らによって結成。2001年11月にミニ・アルバム『Polaris』でデビュー。浮遊するメロディとダイナミズム感にあふれたリズムが織り成すサウンド、日常の喜怒哀楽を写実的に描き出す世界観で唯一無二のポップスを生み出す。 これまでに4枚のアルバムをリリース。2006年、4thアルバム『空間』を発表し、同作を携えたツアー“WALKING MUSIC TOUR 2006”以降、大谷、柏原ともそれぞれのソロ活動に専念。大谷は2010年には活動の拠点をベルリンに移し、ソロ・プロジェクト“SPENCER”を始動。また他アーティストのプロデュース、映画音楽の制作、CM音楽と活動の幅を広げる。柏原も他アーティストのプロデュース、FISHMANS、OTOUTA、So many tearsと多岐にわたって活躍する。現在は、ニュー・アルバム制作中。
オフィシャルホームページ


TICKET

「Polaris Live 2012 “光る音”」
12月21日(金)代官山UNIT

公演・チケット情報



RELEASE

Single
『光る音』
9月19日(水)発売
1350円
Familysong/Polystar
UVCA-6001
Amazonでのご購入はこちら


2012.09.18更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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