TOP > 今週のこの人 > 中田裕二

2011年1月に惜しまれつつも解散したバンド、椿屋四重奏。バンドのボーカル&ギターでリーダーであった中田裕二が、1stアルバムから10ヵ月で早くも2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』をリリースする。70〜80年代の歌謡曲/ニューミュージックをルーツに持ち、それを現代的な解釈で昇華させた音楽性はバンド時代から今作でもブレることなく、さらに色濃く届けてくれた。自身のレーベルも立ち上げ能動的な活動を続ける中田が、やる気に満ちた想いを語ってくれた。

――椿屋四重奏の1stアルバムをリリースしたときは、中田さん20代前半でしたが、昨年30歳を迎えられましたね。バンドの解散、そしてソロのスタートを30歳で切ったわけですが、30代になり心境の変化はありましたか?

「20代のときは、ずっと焦点が定まらずな感じもあったんですけど、30代に入ってからは自分の中でもいろいろ具体的に見えてくるようになりました。自分の得手不得手もわかってきて、見せ方とか活かし方とか前より掌握できる感じはしますね。コントロールできている中で音作りもできているっていうか」

――2011年1月に椿屋四重奏を解散して、その夏にはソロとしての活動をスタート、11月には1stアルバムをリリース。そして、そこから10ヵ月という短いインターバルで、2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』が届けられました。これまでのソロ活動1年間を振り返っていかがですか? バンドのころとの違いはありますか?

「決定的に違うのは、いつも近くに一緒に共有するメンバーがいたのが、いなくなったということですね。でもソロになるって決めたので、寂しいとも言ってられないっていうか・・・そんな余裕もなくて、ソロとしての活動を軌道に乗せなきゃなって、焦りみたいなもので常に動いていた気がします。今も、またすぐアルバムを出したいくらいというか、全然休みたくないっていうか」

――曲がコンスタントに誕生しているんですね。

「そうですね。煮詰まったりはしてないです」

――今回の2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』は、いつ頃イメージしていたのですか?

「前回の1stアルバムは、はっきりしたコンセプトも立てられなかったというか、震災のあった年でもありましたし、聴いてホッとできるようなアルバムを作りたいなとは思って、がむしゃらに作りましたけど。でも、自分の活動におけるビジョンとか方向性とか、あんまりはっきりしていなくて。それはやってみないとわからないなと思って、ツアーを始めたんですけど。ツアーがすごく自分自身にとって良いものになって。ライブのやり方自体も忘れそうな中、ベテランのメンバーと一緒に廻るのは、緊張もしましたし、勝手もわからなくて正直しんどかったんですけど。でもやっていくうちに馴染んできて、先輩の方々からもいろいろ勉強させてもらいつつ、どんどんスイッチが入ってくるっていうか勘が戻ってくるっていうか。ライブをしながら、もっとエンタテイメントしたいなとか、もっとロックな曲があったらお客さんもいいのかなと思っていきました。どんどんミュージシャンモードに入ってきたんですよね。それで早くも次の作品を作って、しっかり楽しめるライブをやりたいなって思うようになりました。前回のライブが楽しくなかったわけではないんですけど、自分の中では物足りなさもあったんで、その辺は早く解消したいなと思って、ツアーが終わったらすぐに次の作品の制作にとりかかりました」

――具体的にはどんなアルバムを考えていたのですか?

「ソロになった自由さみたいなものは出したいなと思いましたね。ソロをやって、逆に内に向っていくような方向にいってしまうと、あんまりバンドを解散した意味がないというか。バンドの延長線上でやっているところもあるので、バンド時代に培ったものをソロになって開花させたいなって気持ちもすごくあるんですよ」

――バンドは一度リセットされましたけど、中田さんの創作は地続きですよね。椿屋四重奏でから今まで、やりたい音楽にブレがないと思いました。

「そうですね。目標みたいなものもずっと変わってないですし」

――そして今回は、自身のレーベル“NIGHT FLIGHT“からのリリースですね。自身のレーベルを立ち上げようと思ったのは?

「前々から自分で出してみるのもキャリア的にもありかなって思っていまして。若いうちに挑戦しておこうかなっていうのもありました」

――自身のレーベルというのは、自由度も高いとか思いますが、ある意味責任もかかってきますよね。

「ヒリヒリした状態というか、後がないっていう状態でやったほうが僕はやる気がでるほうなんで。あんまり、余裕があるとダメなんですよ。常にいっぱいいっぱいでいたいっていうか」

――常に自分を鼓舞していくというか。

「そうですね。昔はできなかったし、いろいろ経験させてもらったし、よいスタッフにも出会えたっていうのもありますし。良かったなと思いますね・・・まだ、良かったなと言ってちゃダメですね(笑)。これからですね」

――ここがスタートですね。2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』に収められた楽曲は、1stアルバム発表以降に出来たのですか?

「そうですね。1stのときにデモとしてあった曲もありますけど、ほとんどツアー中とかツアーが終わってから出来た曲です」

――今回のアルバムは、中田さんのルーツである70、80年代歌謡曲/ニューミュージックと、リズムは特にそう感じましたが、踊れるという部分でブラック/ソウルミュージックが融合したような、匂い立つような作品と感じました。

「匂い立ちましたか(笑)。ありがとうございます」

――恋愛ソングがギュッと詰まった作品でもありますね。いい意味で昼ドラみたいな曲もあったり。

「まんま昼ドラみたいな曲もありますね(笑)。基本的に男女のやりとりを書いていますけど、そうすることが自分では一番真理を書けるというか、自分が歌いたいこと伝えたいことは、その手法が一番向いているかなと思うんですよね。生活の歌も書けないし、似合わない感じもするし。あんまり生活感があり過ぎる歌とか説教臭い歌とか、政治的な反社会的な歌とか。反社会的な歌を書くこともあるんですけど、描き方としてはいろんなものに例えたりオブラートに包んで書いたりするやり方が多いですね。歌謡曲自体、恋愛の歌ばかりですからね。“男と女”っていうものを通して書くことで、いろんな物事の核心みたいなものが浮き彫りになるというか、見えやすいし、聴き手が馴染みやすい気がするんですよね」

――ご自身がリスナーとして音楽を聴くときも、生活感のある歌はあまり聴かないですか?

「そうですね。生活のことを歌うにしても、どこかファンタジーな要素が入っている歌が好きというか、さだまさしさんとかそうですけど。何でもない誰にでもあるようなことを描いていても、何でこんなにドラマチックに響くんだろうとか。詞を書く曲を書くとかそういうことなのかなと思いますけど」

――なるほど。レコーディングメンバーについて訊かせてください。今回は楽曲によってドラマーも変わりますし、ストリングスやホーンもアレンジされています。ゲスト・ミュージシャンが多数参加されていますね。

「はい。マネージャーと曲によって、どの方がいいだろうと相談しながらお願いしました。ドラマーの小松シゲルさんと白根賢一さんは、前回のツアーに参加していただいていたので、どういうドラマーで何系が得意かをわかっていて、そこをイメージして作った曲もありますね」

Text●ぴあ Photo●かくたみほ

PROFILE

1981年生まれ、熊本県出身。2000年に仙台にて、椿屋四重奏を結成。2011年1月にバンドを解散。突然の解散発表は、大きな反響を呼んだ。2011年6月から8月に、2009年よりスタートした70〜80年代の歌謡曲のカバーを中心に「歌」に特化したプロジェクト「SONG COMPOSITE」の弾き語りによる全国ツアーを行なう。同年11月ソロとしての1stアルバム『ecole de romantisme』を発表。12月から3月にかけて、同作を携えた全26公演におよぶ全国ツアーを展開。2ndアルバム『MY LITTLE IMPERIAL』リリース後、10月より全国ツアー(全21本)をスタートさせる。

オフィシャルホームページ


TICKET

「TOUR’12 “IMPERIAL SUITE”」
10月18日(木) 札幌 PENNY LANE 24
10月21日(日) 高崎 club FLEEZ
10月26日(金)・27日(土) 東京 日本橋三井ホール
10月31日(水) 京都 KYOTO MUSE
11月01日(木) 神戸 チキンジョージ
11月03日(土・祝) 熊本 Be-9 V1
11月04日(日) 福岡 DRUM LOGOS
11月09日(金) HEAVEN'S ROCK さいたま新都心 VJ-3
11月10日(土) HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
11月17日(土) 郡山 Hip Shot Japan
11月22日(木) 浜松 Live House 窓枠
11月23日(金・祝) 名古屋 Electric Lady Land
11月25日(日) 柏 PALOOZA
11月30日(金) 岡山 IMAGE
12月01日(土) 広島 ナミキジャンクション
12月07日(金) 仙台 Rensa
12月08日(土) 盛岡 Club Change WAVE
12月15日(土) 水戸 ライトハウス
12月16日(日) 横浜 Bay Hall
12月18日(火) 大阪 umeda AKASO

公演・チケット情報



「GAMA ROCK FES 2012」
9月22日(土・祝) Rensa、darwin、仙台CLUB JUNK BOX、仙台MACANA、HooK SENDAI、PARK SQUARE、LIVE HOUSE enn 2nd、LIVE HOUSE enn 3rd、Neo BrotherZ、仙台Milkyway、HEAVEN、retro Back Page、Apple Store Sendai Ichibancho、cocode  

「FM SENDAI 30th Anniversary “MEGA★ROCKS 2012”」
10月6日(土) 宮城県塩釜市みなと公園

公演・チケット情報



RELEASE

2nd Album
『MY LITTLE IMPERIAL』
9月19日(水)リリース
3000円
NIGHT FLIGHT
NFCD-0001
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2012.09.11更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
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