TOP > 今週のこの人 > 石野卓球

石野卓球

石野卓球

 本年も開催が決定した、夏を締めくくる国内最大の屋内テクノフェスティバル「WIRE」。今回の「WIRE12」のトピックスは、例年以上に賑やかだ。まずは、4年ぶりに電気グル―ヴが、ライヴアクトとして出演。そして、1997年まで同グループに在籍していた砂原良徳=Y.SUNAHARAが、初登場を果たす。さらに、7月4日には、石野卓球が、一足先に『WIRE TRAX 1999-2012』をリリース。WIRE初年から、毎年発売されてきたコンピレーション盤。そこに収録されていた石野のトラックをリリース順にまとめたDisc-1と、これまた石野が手掛けたSPOT用音源やダウンロード限定の楽曲をまとめたDisc-2から成る2枚組だ。この3つのトピックスを中心に、キーマン、石野卓球に語ってもらった。

――最近も、土日は国内外問わず、DJですか?

卓球 そうだね。ここ何年もずっとそういうパターンだから。

――国内では、お客さんから「WIRE行きます」とか、声をかけられたりするのでは?

卓球 あぁ、いるよ。「今年、行きます、楽しみです」って言ってくる人は、結構多い。あと「何年前行ったんです」とかね。謎なのは、ツイッターで「今年、お金が無くて行けません」って言ってくる人。俺に言って、どうするんだっていう。知らないよっていうさ(笑)。

――「行きます!」って言われて、どんな言葉を返すんですか?

卓球「ありがとう」とか。「俺も今年行きますよ」とかね、そういう、営業ジョークもありつつ(笑)。

ーー今年は、電気グル―ヴとして、夏フェスにも出演しますよね。WIREでやる時には、ライヴの構成とかも変わって来るのでは?

卓球 そうそう。WIREだけ他と違う。WIRE仕様にする。全身にワイヤーを巻いて出る。

――ははははははは(大爆笑)

卓球 身動きがとれない状態で、ステージに転がってるっていうね。

――あーははははははは(一同大爆笑)

卓球 まぁ、他のはロックフェスだから、ボーカルものとかも入れるけど、WIREは、もうちょっとクラブ仕様になると思う。WIREはダンス・フェスだから、そこで歌うたうのもって感じもさ、あるでしょ。その後、DJやるしさ。歌ってDJやって、踊ってっていう、もうそれだけも大変なのに、そして最後は………ホロリとさせてっていう(笑)。これ、早乙女太一ね。

――(笑)。今年も初登場のアーティストがたくさん。

卓球 まぁ、そうじゃないと面白くないからね。GARY BECKはね、最近のちょっとハード目なテクノ。ファンキー・テクノって言われているんだけど。去年のWIREで、自分のDJの時、彼の「DIVA」って曲をかけたんだけど、それがすごく印象に残っている。前から出て欲しいと思っていたんだよね。

石野卓球

石野卓球

――なるほど。DJの初出演組を具体的に追って見ましょうか。では、次はJesper Dahlbäck。

卓球 ここ最近のリリース作品が、すべてハイクオリティで素晴らしい。スタイルはいわゆる、結構、硬質なテクノ。面白いですよ。

――そしてREBOLLEDO。

卓球 この人は、メキシコの人。………ドンタコス!

――! ……ははは(大爆笑)鮮やかです!

卓球 でしょ?(笑)。俺も最近まで、メキシコ出身だとは知らなかったんだよね。完全にドイツの人だと思ってた。メキシコの、この人の周りのシーンが面白くてさ。最近、注目されているんだよね。

――ドイツの人だと思っていたってことは、彼のプレイスタイルから?

卓球 そう。だからほんっと、テクノって感じの人。

――ROBERT HOODは?

卓球 デトロイトの人で、かなり昔からいるベテランのテクノの人。最近“M-Plant”ってレーベルやってるんだけど、そのレーベルが素晴らしい。あと、この人のプレイスタイルって、すごくBPMが早いんだよね。135〜140くらいで、最近の中では、珍しく早い。でもジェフ・ミルズとも違うファンキーさがあるっていうね。なんかね、今までどうしてWIREに呼んでなかったんだろうっていう。正直言うと、忘れてたっていう(笑)。

――次はライヴでの出演。FORMAT.B。

卓球 2人組。去年出たアルバムがすごい良くて、俺もDJで良く使ってたんだよね。あまりハードコアとかアンダーグラウンドな感じではない、結構、踊りやすいテクノ。最近はやりの、ちょっとハウスっぽい感じだね。ハウスっていうのは、カレーのほうね。

――なるほど。辛さは何倍?

卓球 辛さはないよ、だって、ハウスは秀樹のほうだよ?

――あ、そっか。ごめん、ごめん。

卓球 林檎が割れて、はちみつがかかってるヤツだからさ。知ってるよね?

――知ってます、すみません、本当に……ごめんなさい! 次に行きましょうか。

卓球 ははははははは(爆笑)。PORTABLEはね、すごくバリエーション豊か。ボーカルトラックからいろいろあって。今回じつは、田中フミヤから紹介されたんだよね。以前、CHAOS(田中フミヤが主催しているレギュラーパーティ)に呼んだらしいんだけど「すごくWIREにはまると思うわ」って、教えてもらった。

――そして、Y.SUNAHARA。

卓球 ある日、まりんから、俺に直接電話があったんだよね。「僕、お願いがあるんだけど……WIREでやらせてくれないかなぁ」って。彼の性格から、俺に電話かけてくるまで、何度もお腹が痛くなって、リハーサルにリハーサルを重ねたんだろうなぁと(一同爆笑)。その意気込みがわかったからね、お願いしてみよう、と。電話してる時に言ったのは「WIREってダンスイベントだから、出る場所が限られるけど、それでもいい?」って。で、いいとも!って。タレ目サングラスでね(笑)。まりん、去年、一昨年、WIREに遊びに来てたらしいんだよね。それで「これだったら、僕も出たいと思った」って言ってた。だから「いいよ、その変わり、ライディーンやってね」って(一同爆笑)。でも、電話が来た時点で、今年の出演者枠があと数組ってところまで、決まっていたんだよね。だからスタッフにも相談しなくちゃと思って、後から折り返すって、1度、切った。それで確認したら、大丈夫だったから。

――出演者を選ぶ時に、世代を意識してますか?例えば、ベテランばっかりにならないようにしよう、とか。

卓球 それはある。ただ、最初の段階では、そこも意識するけど、必ずしも、オファーした人、全員OKってことは無いじゃない? それで、全体のラインナップを見て、並べて行く時に、最初とは思っていなかった方に、ちょっと偏ったりすることはあるよね。ただ、世代だけで選んでるわけじゃないからさ、そこは最終的には、全体のバランスを見て決めた、結果って感じだよね、毎回ね。あと選ぶ時、ネームバリューも、あまり重要じゃなかったりするんだよね。もちろん、ピークにヘッドライナー級の人達っていうのはあるけど、それがマストではない。だからここは、普通のロックフェスで、出演者を決めていくのとは、違ってるよね。

――出演者が揃ってきたところで、当日の流れ(=出演順)を決めていくんですよね?

卓球 そうそう。

――パズルみたいな作業かある、と。

卓球 そうそう。実際にパズルにしてやってんだよね。各アーティストの持ち時間を元に、紙でピースを作って、それを並べて行くっていう。そうするとわかりやすい。表で書くよりも楽だし。すぐ入れ変えられるしさ。

石野卓球

石野卓球

――WIRE開催時から、その方法で?

卓球 ううん。ここ数年に編み出された方法。

――え、ぇぇええええ!

卓球 ほんとだよね、先に気付けよって話でしょ? 気がつくまでは、メインとセカンド、それぞれ表にしたりしてたんだよね。でも、それだとわかりづらかったんだよね。全体の流れがわからないでしょ。だからほんと、今言った、パズルの方法は画期的。10年以上やってきて、いちばんの成果(笑)。

――今年のロゴのアイデアはどこから?

卓球 まず、田中(秀幸)さん<アートディレクター>と、いつも平面的だから、今年はちょっと立体的なものがいいねって、話をしたんだよね。最初、立体的で液体っぽい感じっていうのがあったんだけど、液体だと、なんか、デザインにすると、ホラーみたいになっちゃって(笑)。それで違うねって話して、二転三転して、今の形になったんだよね。今年は、決まるまで、いちばん時間がかかったかもしれない。

Text●伊藤亜希 Photo●吉田圭子

PROFILE

‘89年に電気グルーヴを結成。’95年にソロアルバム『DOVE LOVES DUB』を発表。同時に国内外でDJ活動もスタートさせる、98年にはベルリンで行われるテクノ最大の野外フェスティバル“Love Parade”のFinal Gatheringで100万人の前でプレイするという偉業を成し遂げる。‘99年より日本最大の屋内レイヴ“WIRE”を主宰し、今年で13回目を迎える。
石野卓球オフィシャルホームページ
WIRE12オフィシャルホームページ
電気グルーヴオフィシャルホームページ


TICKET

LIVE
『WIRE12』
▼8月25日(土)18:00
横浜アリーナ
オールスタンディング-11550円
問 WIRE事務局 [TEL]0570-069-111

公演・チケット情報



RELEASE

ALBUM
『WIRE TRAX 1999-2012』
7月4日(水)発売
2879円
キューンミュージック
KSCL 2071-72
Amazonでのご購入はこちら


2012.06.26更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

バックナンバー一覧へ

100問突撃!インタビュー 100Q



バックナンバー一覧へ

ページTOPへ