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――いいですよ。行っちゃいましょうよ。

新里英之

新里英之

新里「『イツメン』は、いつものメンバー。ずっと遊んできた友達がそれぞれ成長していって、家庭も持って、あの頃とは違う責任を持ったりしていて。昔のようには遊べないという淋しさもあるけど、だけどいざという時にはいつも飛んできてくれる友達は大切な存在で、お互いが頑張っている姿を見て励ましあって、また夢に向かって進んで行こうという歌ですね」

名嘉「そして『太陽の汽車』ですよ。イズが作ったアップテンポの曲です」

仲宗根「バラード以外では初めてひとりで全部作った曲で、自分にとっては挑戦でした。曲が書けなくて困っている時に、自分の母校の前を車で通りかかって、赤信号で停まってたんですけど、その時にすごいキラキラした笑顔で、ランドセルをしょった子供たちが校門からわーって出てきたんですよ。それを見た時に、「どういう曲を作ろうかな」とか、考えすぎていた自分に気づいたんですよね。私は小5ぐらいから作詞作曲を始めたんですけど、あの頃は何も考えずに好きなことをどんどんやって、すごい楽しんでたことを思い出して、「あ、これだ」と思って、そしたらこの曲が自然に降りてきた。この曲の中の「私」は自分なんですけど、でも最後の一行だけ「あなたならやれる」になって、実はあなたにもそういうところがあるんじゃない? っていう気持ちを、この一行に託してます。この曲もそうですけど、たぶん今回のアルバムって、“私対あなた”という一対一の関係性がすごく見える曲が多いので、今までよりも伝わるものがはっきりと明確なのかなと思うんですよね」

名嘉「そんなさわやかな曲のあとに、ブルドーザーが通ったみたいな『KNOCK』が来るんですけど(笑)」

宮里「面白かったですよ。音作りのワクワク感が、昔を思い出した。きれいに作ろうとかじゃなくて、「行っちゃえ!」という感じが久しぶりで」

許田「振り切ってる感じがしますもんね。162本のツアーを回ってる時にも、どうしてもこういう曲はやりたくなるし、ほしかったんですよね。自分たちがまだ見たことのない世界へ、背中を押してくれるような曲になったと思います。楽しすぎて、僕、100テイクぐらいしましたから(笑)」

名嘉「ここらへんの、6,7,8曲目あたりの世界観は、ガラリガラリと変わっていくんですよ」

宮里「『グロリオサ』は僕が歌詞を書いたんですけど、ツアー中に僕のおばさんが亡くなって、その時の思いを書きました。こういうことを歌にしていいのかな?という葛藤はあったんですけど、幼い頃から僕のことを応援してくれて、いつもそばにいる人だったから、やっぱりこの思いをちゃんと書かなきゃいけないと思って書きました。淋しい思いはあるんだけど、それでも前に進んで行かなきゃいけないし、いろんなものをもらったぶん、自分は強く生きていかなきゃいこうという気持ちで。絶対誰にもあることだと思うので、聴いてくれる人にも届いたらいいなと思います」

新里「そして『僕達は繋がっている』。これもレコーディングは楽しかったですね。ノリノリの元気な曲にしていこうということで、どんどん変わっていって、俊んとイズのコーラスが入って、ゴリゴリのロック系のギターが入ってきて。本当に自分たちの好きなことをするために、自分たちの枠を外して新しい夢を見に行こうという強い思いをこの曲にこめました。僕たちがライブでいつも感じるのは、みんなが一つになる力なんですよ。みんなでひとつになってジャンプして、地球をぐるぐる回して、そのまま飛び上がってみんなであの星を見に行こう! っていう、それぐらいの大きな夢を持とうということを歌ってます。そして、それができるのもやっぱり命があるからこそだから、自分を大事にして生きていこうということを最後に歌ってます」

名嘉「『I LOVE YOU』は、どストレートなラブソングです。まず自分が前半を書いてたんですけど、“アイ・ラブ・ユー”は男と女がいて初めて伝えられることだから、後半は女性の気持ちをイズに書いてもらったんですよ。最初はスローな感じでやってたんですけど、何か今まで通りだなと思って、みんなで話してるうちにどんどんロックになっていった」

新里「“アイ・ラブ・ユー”って、なかなか口に出すのは恥ずかしいけど、本当に大好きな人には伝えたほうがいいと思うんですよ」

名嘉「おやじとかおふくろでもいいよね。言われて嫌だという人はいないと思うから、恋人だけじゃなくて、家族でも、育てている花でもいいから、毎日伝えるべきですよね。悠平が言ったみたいに、いつか人の命はなくなるものだし、その時に笑顔で送れるかといったら、日ごろの気持ちが大事じゃないですか。そういう気持ちを込めて、自分にも言い聴かせる曲ですね」

そして『南風』。

名嘉「『南風』は、震災直後にできた曲ですね。生きる希望だったり、喜びだったり、歌にはそういう力があるわけだから、これからも一緒に喜びを歌に乗せたいし。東北に行ってこの歌を届けたいなという気持ちがすごい強いです」

新里「『宝物』は5人で作った曲で、イントロを“ジャカジャーン”と弾いた時の響きで、「この曲ではメンバーと出会ってから今までのことを書きたい」とすごく思ったんですよ。それで5人で歌詞を書こうということになって、丸いテーブルを囲んで、「こういうこともあったよね」って言い合いながら、歌詞を書いてる時はすごく楽しかったですね」

名嘉「僕たちにとって宝物って何だろう?というと、それはやっぱり家族であったり、ファンのみんなであったりするから、すべての人に感謝の思いを込めて、メンバーの関係をもっともっと深いところでつなげていきたいという思いもあったし。これを聴いた人も、「自分の宝物って何だろう?」って、すぐに出る人も出ない人もいると思うんですけど、絶対にそれはあるから、この先も一緒に宝物をひとつずつ増やしていけたらいいなと思います」

宮里悠平

宮里悠平

――ここまでの12曲が通常盤ですね。

新里「通常盤はこの12曲ですけど、初回限定盤に入ってるボーナストラックも欠かせないです。『宝物』で終わったかなと思ったら、“またこんなジャンルもやるんだ”という曲が2曲入っているので。特に最後の『芭蕉布』は沖縄ではすごく有名な歌で、HYにとって初のカバーですね。沖縄をすごく感じれる曲だと思います」

名嘉「今回初めてじゃないかな、失恋ソングがないアルバムというのは。全曲に、つらいことがあっても一緒に進んでいきたいという思いが込められているし、ボーナストラックを入れて14曲が、“幸せや希望に向かっていける14個の法則”みたいな感じで聴いてもらえばすごくいいと思います」

新里「CDジャケットは僕たちが絵具を持って、“パレード”をイメージして描きました。初回盤にはブックレットと、あとDVDも入ってるんですよ。2011年に沖縄でやった“SKY Fes”の映像と、あと『卒業』に入ってる7万人のコーラスを、162本のツアーで1本1本録っていく時の映像と、ジャケットの“PARADE”という文字を僕たちが描いていくドキュメント映像も入ってます」

ーーそして3月30日(金)からはツアーも始まります。今度は大規模なアリーナ・ツアーですね。

名嘉「4年ぶりです。前のツアーはライブハウスをずっと回っていたので、アリーナの感覚がすごい薄くなっていて、この前久しぶりに昔のライブDVDを見たんですけど、今はワクワクと不安とが半分半分です(笑)。でも絶対いいツアーにしますよ!」

仲宗根「すごい楽しみなものになるのは間違いないと思います。アルバムと同様に、ライブに対しても、今までのHYじゃなくて別のHYを見せたいという気持ちがどんどん出てきたので。たぶんステージも、今までHYを知ってる人は「え、こんなことするの?」みたいな感じになるかもしれないし、初めて来た人も楽しめると思うし、すごく音楽を楽しんでもらえると思う。本当に“パレード”のようなツアーなので、見たことない人も、見たことある人も、ぜひ来てほしいと思います」

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Text●宮本英夫 Photo●吉田圭子

PROFILE

メンバーは、新里英之(vo&rap&g)、名嘉俊(ds&rap&cho)、許田信介(b)、仲宗根泉(vo&key&cho)、宮里悠平(g&cho)。’01年に沖縄限定でリリースした『Departure』が話題となり、一気に注目を集める。’03年にリリースした『Street Story』がインディーズ史上初となるオリコン総合チャート第1位を記録。2010年〜2011年には全162本というロング・ツアーを開催した。3月30日(金)からは最新アルバム『PARADE』を携えた全国アリーナ・ツアーがスタートする。
オフィシャル・ホームページ


TICKET

全国アリーナツアー決定!!
【HY TI-CHI TA-CHI MI-CHI PARADE TOUR 2012】

→3月30日(金) 日本武道館
→3月31日(土) 日本武道館
→4月 7日(土) 大阪城ホール
→4月 8日(日) 大阪城ホール
→4月21日(土) 日本ガイシホール
→4月28日(土) マリンメッセ福岡
→5月13日(日) 沖縄コンベンションセンター

公演・チケット情報



RELEASE

初回限定盤
『PARADE』
3月7日(水)リリース
5250円(CD+DVD+初回特典)
東屋慶名建設
HYZK-10007/B

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通常版
『PARADE』
3月7日(水)リリース
2940円
東屋慶名建設
HYCK-10007

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2012.03.06更新

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