ーー歌詞作りは煮詰まったということですか?
鈴木 煮詰まりまくり、歌詞も曲も。最初はなんにも出てこなかったもん。
ーーアルバム収録曲は鈴木さんの作詞・作曲で、ただし1曲だけスキマスイッチの常田(真太郎)さんとのコラボがあって、これ、鈴木さんから誘ったと聞いているんですけど。
鈴木圭介(vo)
鈴木 うん、そう。その「エンドロール」はだいぶまえから作っていて、20回も30回も歌詞を書き直してきたんだけどぜんぜんよくならなかった。そこで普通は諦めちゃうんだけど、なんでだろう、曲もできてないのになんとかしたいっていうのがあって、そこでね、誰かと、曲が書ける人とコラボできないかなあ、誰か手伝ってくれないかなあ、って思ったら、彼が思い浮かんだんですよ。
ーーほわ〜んと?
鈴木 いや、ズドーンと。もうこの人しかいないっていうくらいに。
ーーズドーンというのは意外なんですけど。
鈴木 10年前くらいからの知り合いだから。なんかのイベントを観に来てて、そんときオレが客席にいて、“隣りの中学出身なんですよ!”とかなんとか話しかけられたのが最初(ともに名古屋出身)。で、その一週間後くらいに呑みに行って仲良くなって……二回くらい呑みに行ったのかなあ。しばらく連絡しないあいだにスキマは忙しくなって、そしたら一昨年の『ap bank fes』で久しぶりに会って、そこで、スタジオを作ったという話を聞いたから、機会があれば一緒にやりたいねってことになって、で、去年の暮れに幕張でまた会った(冬フェス『COUNTDOWN JAPAN 11/12』)。
ーーなるほど。外野席からすると“どうしてスキマと?”ってことにはなるけれど……。
鈴木 ぜんぜん。ぜーんぜん。意外でもなーんでもない。アレンジができる人とやりたかったし、しかも鍵盤の人だから自分たちにない音を出せる、ぴったりの人だったんだよね。
ーー実際、一緒に作業をしてみたら、やっぱりドンピシャ?
鈴木 ドンピシャ。向こうのスタジオにグレートとオレで行ってまずミーティングをして、次に5人でリハして、で、本番。だから3回、3回で全部終わらせた。
竹安 お互いのスケジュールはタイトだったけど、こっちが困ってたときにお願いしたら常田くんは快く引き受けてくれて。
鈴木 彼もやりたいといってくれてたことだし、それこそ地元が一緒っていうのもあって、なんか、全部が全部うまいこといったんだよね。売れてる人とやりたいとかっていう意識で選んだわけじゃないから、楽だったよ。最初の探り合いがないから。
ーーどういう人なのかがお互いわかっているから、なにをするにも話が早いということ?
鈴木 そうそう。音楽の話は詳しくしたことなかったけど。
ーーそれと、ニュー・アルバムのアートワーク。いままでのフラワーカンパニーズにはなかったトーンなんですけど。
竹安 ストレートだよね。
ーーオーソドックスというか……。
鈴木 いちばん避けてきたことだよ(笑)。
竹安 地に足着いた感じするでしょ?
ーーそう、安定感のあるアートワーク。ほとんどの曲が、明るいわけじゃないけど、暗いというわけでもなく……。
竹安 強いでしょ?
ーーそう、強い。
竹安 サウンドもゴージャスにするんじゃなく、太い音でやるっていう……まあ、ロックバンドとしては普通のことなんですけど。
ーー最新作は強い歌と強い音のアルバムで、アートワークからもそのことがきちんと伝わってくるんですけど、『ハッピーエンド』っていうタイトルはどのタイミングで考えたんですか?
鈴木 最後。スタッフに“どう?”っていわれて。
竹安 「エンドロール」が最後にできた曲で、いい仕上がりだったからその熱が冷めないうちに『ハッピーエンド』はどうだろうって……「エンドロール」の歌詞の一節なんだよね。
鈴木 オレはいつもアルバムのタイトルは思いつかない。
ーースタッフ任せ?
鈴木 そうそう。
ーーアルバムのタイトルはフラワーカンパニーズが歌っていることの本質をイメージさせるものでもあると思うんですけど。
鈴木 そこをつねに目指しているというわけじゃないけどね。
竹安堅一(g)
竹安 最後っていうのは、最後までわかんないことだから、結局、右往左往しながらもハッピーエンドになればいいなって思うんですよ。映画でもハラハラする場面もあるからハッピーエンドになるわけで、ずっとハッピーなエピソードばっかりだったらハッピーエンドにならない。
鈴木 死に際だけハッピーであればいいんですよ。なんだかよくわからないけど枕元にたくさんの知人が集まってくれている、みたいな(笑)。それだけで、ずっと寂しい暮らしをしていたとしても幸せに死ねると思うじゃない?
ーーなるほどなるほど。強いですねえ、「死に際だけハッピーであればいい」なんて。13年前だったらいえなかったことだと思うんですけど。
鈴木 13年前だったらリアル過ぎちゃうでしょ、ハッピーエンドって。バンドが解散しそうなときだったわけだから(笑)。
フラワーカンパニーズから動画コメントが到着!
Text●島田諭 Photo●吉田圭子
メンバーは、鈴木圭介(vo&g)、グレートマエカワ(b)、竹安堅一(g)ミスター小西(ds)。’89年に愛知県名古屋市にて結成。’95年アルバム『フラカンのフェイクでいこう』でデビュー。結成23年間、メンバーチェンジをすることなく精力的にライブ活動を中心に展開中。そのライブ・パフォーマンスは、日本を代表するライブ・バンドと言える圧倒的なパワーを放っている。
オフィシャルホームページ
フラワーカンパニーズ 「ハッピーエンド」特設サイト
フラワーカンパニーズ ワンマンツアー“ハッピーエンド2012‐2013”
⇒10/21(日)東京 :渋谷公会堂-真秋の大爆発2012-
⇒10/27(土)和歌山:GATE
⇒10/28(日)徳島 :GRIND HOUSE
⇒11/03(土)青森 :QUARTER
⇒11/04(日)盛岡 :CHANGE WAVE
⇒11/10(土)新潟 :GOLDEN PIGS BLACK STAGE
⇒11/11(日)富山 :SOUL POWER
⇒11/17(土)宮崎 :SR VOX
⇒11/18(日)大分 :T.O.P.S Bitts Hall
⇒12/08(土)京都 :磔磔
⇒12/09(日)京都 :磔磔
⇒12/15(土)札幌 :PENNYLANE24
⇒01/19(土)福岡 : 福岡BEAT STATION
⇒01/20(日)長崎 :長崎STUDIO DO
⇒01/26(土)愛媛 :松山SALON KITTY
⇒01/27(日)高知 :高知X-pt
⇒02/02(土)宮城 :仙台darwin
⇒02/03(日)茨城 :水戸LIGHTHOUSE
⇒02/10(日)奈良 :奈良NEVERLAND
⇒02/11(月)滋賀 :滋賀U-STONE
⇒02/16(土)沖縄 :桜坂セントラル
⇒03/02(土)長野 :長野CLUB JUNKBOX
⇒03/03(日)石川 :金沢AZ
⇒03/09(土)広島 :広島CLUB QUATTRO
⇒03/16(土)愛知 :名古屋DIAMONDHALL
⇒03/17(日)静岡 :静岡sanush
⇒03/30(土)大阪府:なんばhatch
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