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フラワーカンパニーズ

通算14枚目を数えるフラワーカンパニーズのオリジナル・アルバム『ハッピーエンド』。これまでと変わらぬ方法論で音を鳴り響かせ、そこで歌われているのはこのバンドが初めて伝えることではないにもかかわらず、その「あること」は彼らの過去のどのアルバムよりも説得力と新鮮さを持って耳に、胸に飛び込んでくる。では、フラワーカンパニーズが歌い続けている「あること」とはいったいなんなのだろうか。ボーカルの鈴木圭介(以下、鈴木)とギターの竹安堅一(以下、竹安)に最新アルバム、そして来る全国ツアー、というよりも、そのキックオフとなる渋谷公会堂公演について、13年前のことを訊きながら話してもらった。

ーー新しいアルバムが出て、それを引っさげた全国ツアーが始まる10月なんですけど、ツアー初日は東京、13年ぶりの渋谷公会堂ということで、まずは13年前のこの会場でのライブで憶えていることがあったら、なにか。

鈴木圭介(vo)

鈴木圭介(vo)

鈴木 2回やってるんですよ。渋公からツアーが始まって、名古屋、大阪と廻って、また渋公やってるんです。

竹安 そう、1ツアーで2回やった。

鈴木 だから、どっちがどっちの記憶だったかっていうのは混同してるし、パーツパーツで憶えていたり憶えていなかったり……。

竹安 ぼくもそう。曖昧。

ーー記憶が曖昧なのは、ほかのツアーに関してもそうなのか、13年前の渋公がたまたまなのか、どっちなんでしょう?

鈴木 はっきりいっちゃうとほとんど忘れてるんです、ライブのことは。数やってるんで。

竹安 ものすごくいい場面、たとえばイベントで(忌野)清志郎さんがいたり、エンケン(遠藤賢司)さんが飛び入りしたり、色濃く憶えているものもあるんですよ。だから、前回の渋公の記憶が曖昧なのは、やっぱり、ちょっと、うーん……。

ーーつまり、13年前の渋公はうまくいかなかった、本人たちが楽しめなかった、ということになると思うんですけど、じゃあ、当時のバンドの状況がどのようなものだったか、振り返ってもらえますか。

鈴木 最悪。いや、最悪前夜かな?

ーーそれは音楽的なことというか、創造性のこと? それともメンバー間の人間関係?

鈴木 スタッフがどんどん増えてきちゃって、マネージャーはいつもいる、レコード会社の担当の人もいる、ライブを制作する人もいる、って、4人だけでいるってことが徐々になくなっていって。リハだって必ず誰かがいて、4人だけでやることはなくなったし……。そうなってきたら、なんかね、普通の会話が照れ臭くなってきちゃって(笑)。

ーー妙な空気がメンバー間に漂い始めちゃったんですね?

鈴木 うん。人づてにスケジュールとかを聞くことが多くなったり、相談もメンバーにいう前にまずマネージャーにいったりしてたから。それまでは無邪気にやってたんだけど。

竹安 爆発的に、とまではいわないけど、状況は少しずつよくなってきてたんだよね。

鈴木 売上枚数もちょっとずつ増えて、動員も増えて……。

ーーだから、渋谷公会堂がブッキングされたわけですよね?

鈴木 そう。当時は赤坂BLITZを2日間埋めてたから、次は渋公でしょうっていうことだったんだろうけど、メンバーに相談はなかった。勝手にブッキングされてたんだよね。やりたくなかった記憶あるもん。オレは会場の大きさに憧れを感じてなかったし。お客さん、50人くらいでもいいもん(笑)。

竹安 ただそれ、スタッフからいわせると、上を見ないでどうすんだっていうことにはなっちゃう。

鈴木 当時のマネージャーにいわれたもん、みんなの前でいうなって。メンバーがこれ以上動員増えなくてもいいなんていったら、みんなやる気なくすって。

ーーでも、今回の渋公はさすがにモチベーション違うでしょう?

鈴木 うん。だって今回は自分たちがやりたいからやるんだもん。っていうか、リーダー(グレートマエカワ)が決めたんだけど(笑)、ぜんぜんそれでいい。どんな広いところだろうと椅子席だろうとスタンディングだろうと、どこでも楽しめる自信があるから。

竹安 そこが大きく違う。13年前は背伸びしようとしてた。ガラにもなく、自分たちをよく見せたいっていうのがあって。だから記憶に残ってないんだね、緊張してたんだね。

鈴木 まわりの状況に押されてるだけだった。

ーーただ、13年前と現在のモチベーションが違うのはやっぱり、いいアルバムを連チャンで作ってきているということもあると思うんですよ。

鈴木 メジャーと契約切れて自分たちでしばらくやって、で、またメジャーに戻ったわけだけど、応援してくれるスタッフも多いし、動員増えてきたし、状況がよくなってきたからハイテンションでアルバムが作れた。

ーー前々作の『たましいによろしく』はメンバー4人だけで最高のものを作った。前作の『チェスト!チェスト!チェスト!』はバンドにこだわらず、迎えたゲストと一緒に最高のものを作った。となると、次のアルバムはどうしよう、っていうのがあると思うんですけど。

鈴木 なにもないよ。始まりはいつもなにもないの。設計図を作ってやったときはあんまりいいアルバムができなかった。それが(13年前にリリースした)『Prunes & Custard』。その頃は尻叩かれてたし、プレッシャーもあった。

ーーいまは曲もアルバムも大きなイメージを描いてから作り始めることはしないってことですか?

鈴木 作り出すって時期になってからいろいろ考える。っていうかね、オレが作ってるのは土台だけで、細かいアレンジはない弾き語り。それ以上のことはみんなで詰めていくから、アルバムのカラーまで決めてるわけじゃないよ。

ーー鈴木さんが暗い気分で作った暗い曲が、みんなでアレンジを詰めていったら明るい調子の曲になった、なんてことも十分にあると?

鈴木 ある。いっぱいある。

ーーじゃあ、ニュー・アルバム『ハッピーエンド』の全体的なトーンが、これまでと違うものになったのはどうしてですか?

鈴木 震災があったから、いままでどおりの気持ちにはなれなかった。

ーーバンドの強いパブリック・イメージとしてあるアッパーな、ライブで乗れる明るい曲を書く気にもなれなければ、そういうアルバムにする気にも鈴木さんはなれなかったということですか?

鈴木 結果的にならなかった。

ーーその鈴木さんのモードが、結果的にはバンドのモードにもなったというわけですね。

鈴木 そう。全部で25曲くらいあって、そこからアルバムに入れる曲を選んだんだけど、どれを入れる入れないで揉めることはなかったし。

竹安堅一(g)

竹安堅一(g)

竹安 結局、作り方はなにも変わっていない。圭くんから出てきたものを味付けしていくってのは同じで、前作はいろんな人たちも入って一緒に作ったから、今回は4人でやりたいなっていうのがあったくらい。

鈴木 歌はストレートだよね。ストレートな歌詞しか出てこなかったからなんだけど(笑)。ひねくりまわす余裕がまったくなかった。

Text●島田諭 Photo●吉田圭子

PROFILE

メンバーは、鈴木圭介(vo&g)、グレートマエカワ(b)、竹安堅一(g)ミスター小西(ds)。’89年に愛知県名古屋市にて結成。’95年アルバム『フラカンのフェイクでいこう』でデビュー。結成23年間、メンバーチェンジをすることなく精力的にライブ活動を中心に展開中。そのライブ・パフォーマンスは、日本を代表するライブ・バンドと言える圧倒的なパワーを放っている。
オフィシャルホームページ
フラワーカンパニーズ 「ハッピーエンド」特設サイト


TICKET

フラワーカンパニーズ ワンマンツアー“ハッピーエンド2012‐2013”

⇒10/21(日)東京 :渋谷公会堂-真秋の大爆発2012-
⇒10/27(土)和歌山:GATE
⇒10/28(日)徳島 :GRIND HOUSE
⇒11/03(土)青森 :QUARTER
⇒11/04(日)盛岡 :CHANGE WAVE
⇒11/10(土)新潟 :GOLDEN PIGS BLACK STAGE
⇒11/11(日)富山 :SOUL POWER
⇒11/17(土)宮崎 :SR VOX
⇒11/18(日)大分 :T.O.P.S Bitts Hall
⇒12/08(土)京都 :磔磔
⇒12/09(日)京都 :磔磔
⇒12/15(土)札幌 :PENNYLANE24
⇒01/19(土)福岡 : 福岡BEAT STATION
⇒01/20(日)長崎 :長崎STUDIO DO
⇒01/26(土)愛媛 :松山SALON KITTY
⇒01/27(日)高知 :高知X-pt
⇒02/02(土)宮城 :仙台darwin
⇒02/03(日)茨城 :水戸LIGHTHOUSE
⇒02/10(日)奈良 :奈良NEVERLAND
⇒02/11(月)滋賀 :滋賀U-STONE
⇒02/16(土)沖縄 :桜坂セントラル
⇒03/02(土)長野 :長野CLUB JUNKBOX
⇒03/03(日)石川 :金沢AZ
⇒03/09(土)広島 :広島CLUB QUATTRO
⇒03/16(土)愛知 :名古屋DIAMONDHALL
⇒03/17(日)静岡 :静岡sanush
⇒03/30(土)大阪府:なんばhatch

公演・チケット情報



RELEASE

初回限定盤
『ハッピーエンド』<CD+DVD>
10月3日(水)発売
3300円
Sony Music Associated
AICL-2435-2436
Amazonでのご購入はこちら

通常盤
『ハッピーエンド』<CD>
10月3日(水)発売
3059円
Sony Music Associated
AICL-2437


2012.10.02更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

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