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遠藤憲昭<DEVILOCK>

遠藤憲昭

日本だけではなく、海外のストリートまで席巻したアパレルブランド・DEVILOCKが2011年11月11日に解散した。それに伴い、ブランドの名を掲げてきた音楽イベント「DEVILOCK NIGHT」も、ファイナルを迎えることとなった。それがハンパじゃなく大規模! これまで出演してきたバンドを含む錚々たるラインナップによって、2月25日(土)・26日(日)の2日間、幕張メッセで行われるのだ。DEVILOCKの遠藤憲昭氏は、元々はGMFというハードコアバンドで活躍し、その後DEVILOCKを立ち上げたという経緯を持つ。インディペンデントが出自ながら、これだけ巨大なイベントを作り上げられる彼の生き様とは? そして「DEVILOCK NIGHT」とは何だったのか? 遠藤氏に深く斬り込んだ。

――まず、「DEVILOCK NIGHT THE FINAL」が、このように大規模になったのは何故なのか、教えて頂けますか?

「元々’96年にDEVILOCKをはじめて、直後からイベントやってたんですけど、15年もやっていると、チームDEVILOCKがどんどん巨大化していくんですよ。そうなると、最後のイベントとなったら、このバンドは出すけど、このバンドは出さないっていうのは、僕は絶対にやりたくないことだった。だったら自分の仲間や好きな人たちを呼んで、DEVILOCKの祭典みたいなものをやろうと。イコール、それが音楽の最高峰のイベントになると僕は思っていたので。それをやるパワーを最後まで残しておいたんですよ、実は。もちろん、今まで出たことない人たちも出るけど、そういう人たちは僕らのイベントを見ていてくれていたから、そういう人たちとも完全にリンクしてやろうということになって」

――じゃあ、最後だからドでかい祭りをブチ上げたというより、必然的に大きくなってしまったんですね。

「そういうことですね。よく、俺にしかできないイベントだって言われるんだけど、そんなことをやりたいって考えたことは一回もなくて、一番重要なのは、自分ができる最大限のことをやるっていうだけなんですよ。でも、遠藤は本当にこのイベントに力を注いだんだねって言われれば、嬉しいです。人の物事の捉え方の違いだと思うけど、僕は、周りが気にならないっていうか、別に自分がやりたいことをやっているだけなんで」

――初期は“このへんのバンドがDEVILOCK NIGHTっぽい”とか思っていたんですけど、そういう括りがどんどんなくなっていきましたよね。

「それも自然でしょ? 他のイベンターやフェスは全然よくわからないけど、僕が自分でメンバーに電話して、出演をお願いしているんですよ。だから、アーティストも、そのイベントに出ているだけじゃなくて、僕と一緒に作っている感覚でいてくれるんじゃないかな」

遠藤憲昭

――会場とか規模はデカいけどインディペンデントというか。

「そうですね。ライブハウスっていう感覚で。僕は昔からライブハウスに知らない人がいなかったから、会場がおっきくなったとしても、みんなは見えないかもしれないけれど、舞台監督とか照明とかチケットをやってくれる人とか料理を作る人まで、全部僕の友達なんですよ。だから、僕の中では、大きさが違うにしても、友達と最後のお祭りを楽しむ感覚なんですよね……とは言っても大きいですけどね(笑)」

――ビジネスとしても成立しているかもしれないけれど、それ以前に仲間として繋がっているというか。

「そもそもそうだったので。だって、初めは僕が決めるんじゃなく、アーティストが決めていたんですよ。CLUB CITTA'からこの時期のブッキングが空いてるって言われてるけど、遠藤くんどう? とか訊かれて、じゃあやろっかなとか。で、例えばお客さんがいっぱい来て、利益が出たとするでしょ。それを、僕らは分配しないで、次のDEVILOCKに使っていたんです。打ち上げとか、旅費とか、ホテル代とかに。みんな殆ど儲けはもらっていないんですよね。ただ、交通手段が毎回とてつもなく豪華っていうね(笑)。二両くらいグリーン車借り切って、友達とかみんな呼んで、旅行していたんです。いつもね、100人くらいいるの(笑)」

――何だか、音楽シーンもカルチャーも巻き込んだ遊びですね(笑)。

「そう。金の為に全っ然やっていないですから。ホテル借り切ったりもしたし。ただ、最終的にそういうところは出禁になるんだけどね(笑)」

――いろいろやっちゃったんですか?(笑)。

「そうそう(笑)。裸になったり、壁に穴あけたり、そんなのばっかりで。今となったら面白い思い出だけどね。いろんな楽しいことを、僕ひとりじゃなく、みんなでやっていた気がする」

――そこには、洋服のブランドをやりながらも、元々いたバンド・シーンから離れたくないという思いもあったんですか?

「うーん、仲間がいたので、離れるって選択肢を考えたことは未だにないですね。イベントをやっているからって洋服を疎かにするのは嫌だったけど。ただ、僕は、洋服屋は洋服だけ作るっていうのは嫌で、DEVILOCKを通じて、日本にある若者が燃え上がれるようなカルチャーを作り上げたかったんですよね。そこにはもちろん洋服はあるんだけど、音楽も格闘技もおもちゃもあって、海外に目を向ける姿勢も見えて、そういうのも全部含めたものを作り上げたかったんですよね。だから、全部に対して全力でやった気がします。もちろん、若かったから何でもやりたかったっていうのもあるけどね。日本のストリートなめんなよとは、常に思っていましたね」

――それは、若い頃にアメリカに留学していたことも関わっているんですか?

「それはありますね。アメリカで見てきたものが、いつも立ち位置的に上にあって、同じ人間なのに何でこういう立ち位置なのかなって、常に思っていたから、いつか日本のストリートカルチャーから影響を受けたって、アメリカの人に言わせたいなって思っていましたね」

遠藤憲昭

――やっぱり、GMFっていうハードコアバンドをやっていたことが、DEVILOCKで飛躍した後も土台にはあったんでしょうか。

「もちろんもちろん。だから未だに、僕なりに解釈するパンク魂っていうのがあって、そこだけは崩さずにいるつもりですね。お金は生活するためには必要だけど、それ以上のお金があるなら他のものに使いたいんですよ。金を持っていい家に住んでいる人間が、悪いわけではないですよ。でも、他の生き方の選択肢も僕みたいにあるんだよっていうことは伝えてきましたね。だから、敢えてそういう人たちが集まる場所に行ったりして、それが空回りして事件になっちゃったこともあったけど(苦笑)。だって、チャラチャラしてるじゃん、みんな。飲むコーヒーは、この機械で注いだ奴しか飲みませんとか、俺、そういうの似合わないというか、生理的に受け付けないんだよね(笑)」

――GMFが好きだった人間としては、そういう言葉を聞くと安心します(笑)。

「ほんと?(笑)。まあ、いっぱいそういう人間は周りにいたけど、気が付くといなくなっているよね。多分、向こうが避けているんじゃなくて、俺から、そこはダメだって身を引いているんだと思う」

Text●高橋美穂 Photo●三吉ツカサ

PROFILE

えんどうのりあき●1971年10月21日生まれ。ストリート・ファッション・ブランド「DEVILOCK」のプロデューサー。‘98年からは音楽イベント「DEVILOCK NIGHT」を主催するなど、音楽シーンでも活躍。昨年11月に15年に渡る「DEVILOCK」を解散。2月25日(土)、26日(日)には65組ものミュージシャンが集結する最後の「DEVILOCK NIGHT THE FINAL」を幕張メッセで開催する。
オフィシャル・サイト


TICKET

「DEVILOCK NIGHT THE FINAL」
一般発売12月17日(土)
Pコード149-843
▼2012年2月25日(土) 12:00
幕張メッセ 展示ホール1〜3/9〜11
1日券-7500円
[出]ABNORMALS/BACK DROP BOMB/THE BACK HORN/BLACK BUCK/bloodthirsty butchers/COCOBAT/COKEHEAD HIPSTERS/dustbox/Fear,and Loathing in Las Vegas/FRONTIER BACKYARD/GARLICBOYS/knotlamp/LOW IQ 01 & MASTER LOW/MAN WITH A MISSION/MARSAS SOUND MACHINE/MILKCOW/MONOBRIGHT/MO’SOME TONEBENDER/難波章浩/ONE OK ROCK/RIZE/TOTALFAT/WRESTLING CRIME MASTER/10-FEET/磯部正文BAND/黒猫チェルシー/髭/ヒダカトオル/マキシマム ザ ホルモン/ムック/他
※12歳以下無料。但し保護者同伴に限り入場可。出演者は都合により変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。他に通し券あり、Pコード:780-083参照。
H.I.P.@03(3475)9999

Pコード149-843
▼2012年2月26日(日) 12:00
幕張メッセ 展示ホール1〜3/9〜11
1日券-7500円
[出]ACIDMAN/BALZAC/Base Ball Bear/THE BAWDIES/BEYONDS/The Birthday/coldrain/envy/HELLBENT/the HIATUS/kamomekamome/locofrank/ザ・マックショウ/MONGOL800/Nothing’s Carved In Stone/OKAMOTO’S/ORANGE RANGE/Pay money To my Pain/Radiots/SOBUT/SPECIAL OTHERS/ストレイテナー/te’/toe/UNISON SQUARE GARDEN/WRENCH/9mm Parabellum Bullet/伊藤ふみお/カイキゲッショク/東京スカパラダイスオーケストラ/怒髪天/山嵐/他
※12歳以下無料。但し保護者同伴に限り入場可。出演者は都合により変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。他に通し券あり、Pコード:780-083参照。
H.I.P.@03(3475)9999

<2日通し券>
Pコード780-083
▼2012年2月25日(土)・26日(日) 12:00
幕張メッセ 展示ホール1〜3/9〜11
2日通し券-13000円
※12歳以下無料。但し保護者同伴に限り入場可。出演者は都合により変更の可能性あり。出演者変更に伴う払戻し不可。公演内容に関する詳細はPコード:149-843参照。
H.I.P.TEL03(3475)9999

公演・チケット情報



RELEASE

遠藤憲昭 自伝発売決定!!

『THE STORY 遠藤憲昭 自伝〜DEVILOCK
ストリートから伝説へ〜』 
遠藤憲昭:著


2月25日(土)発売
定価1,500円【書籍のみ】 /定価3,000円【オリジナルトートバッグ付限定2000セット】 四六判 224ページ ぴあ刊


2012.01.10更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
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