TOP > 今週のこの人 > BONNIE PINK

アグレッシブなパワーを感じさせるサウンドメイク、そして、「ただ生きたくて/まだ生きたくて」というフレーズに象徴される、“またここから、前に進んで行くんだ”という意思を感じさせるリリック。盟友トーレ・ヨハンソンと再びタッグを組んだBONNIE PINKの2012年最初のシングル『冷たい雨』(ドラマ「ダーティ・ママ!」主題歌)は、彼女らしい凛とした強さが全面に押し出されたロックチューンに仕上がった。「聴いてくれる人にとっての起爆剤になるようなものにしたかった」というこの曲には、彼女自身の前向きなモードがはっきりと反映されているようだ。

−−寒い日が続いてますけど、風邪とかひいてないですか?

「大丈夫です。いつもはだいたい、年末とか新年とかに風邪をひくことが多かったんですけど、今年はぜんぜん。この曲をリリースするから、気合いが入ってるのかも(笑)」

−−ニュー・シングル『冷たい雨』、BONNIE PINKの強さが強調されたロックチューン。確かに気合い入りますよね、これ。

「あ、嬉しい」

BONNIE PINK

−−この曲は次のアルバムに向けた制作のなかで出来たんですか?

「いや、それとは別ですね。去年の11月の終わりくらいにドラマ(「ダーティ・ママ!」)の主題歌のお話をいただいて、ガガガガッと集中して作ったんです。今回もトーレ(・ヨハンソン)と一緒にやってるんですけど、スウェーデンに行ってる時間もなかったから、データのやり取りをしながら」

−−BONNIEさんとトーレのタッグの素晴らしさを改めて実感できる仕上がりですよね。

「一昨年出した『Dear Diary』というアルバムでも何曲かプロデュースしてもらったんですけど、なかでも”流れ星”という曲が気に入ってたんです、ツアーでも最後に歌うくらい。“Tore meets BONNIE”の組み合わせが好きって言ってくれるファンの人も多いし、さすがにこれだけいっしょにやってると、私自身も”やっぱり特別なケミストリーがあるんだな”と自覚するというか。もともとデジタルに寄りすぎてもいなくて、オーガニックな音作りを得意とする人じゃないですか。だから、旬みたいなものを気にせずお願いできるんですよね。あと、とにかく仕事が速い! ムダ口を叩かないで音で返してくるタイプというか、曲を渡すと2,3日で”出来た!”っていう。もちろん、”何をもたらしてくれるんだろう?”という期待も毎回あるし。今回はゴリッとロックな音にしたかったから、それを基本的なテーマにしながら、何度もやりとりさせてもらいました」

−−めちゃくちゃパンチの効いたサウンドですよね。でも、しっかり抑制されてる感覚もあって、そこがBONNIEさんらしいと思いました。

「ドラマの主人公の高子がとにかく強靭なキャラクターなんですよ。そこに負けちゃいけないというか、女性のタフネスだったり、潔さみたいなものを表現できたらいいなと思っていて。だからサウンドもフェミニンな音色を使わないで、男の人に楽曲を提供するくらいの気持ちで作ってたんですよね」

−−歌のなかでも、まさに強い女性が表現されていて。

「台本を1話分だけ読ませていただいたんですが、永作博美さんが演じる高子の男勝りのキャラクターは十分に伝わってきたので。香里奈さん演じる葵とのギャップもおもしろいし、女性ならどちらにも共感できる部分があるんじゃないかって。曲調はどちらかというと(たかこ)に寄ってますけど、歌詞の心情としては葵の目線も入ってるんですよ。凛としていて、気丈に社会と戦っていく女性と、それをサポートする女性。どちらも感じてもらえるんじゃないかなって」

−−BONNIEさんにも、社会と戦っているという感覚になることがありますか?

「社会というか、つねに競争を強いられている実感はありますね。特に誰か敵がいるわけではないんですが、時代と戦ってる感じはあるかもしれないです。まあ、戦ってもしょうがないんですけどね(笑)」

−−うん、そんな気がします(笑)。

「もうひとつ言えるとしたら、レコーディングの現場って、ほとんど男性ばかりなんですよ。ミュージシャンも男性が多いし。でも、自分の曲を作っているわけで、女子ひとり、いろんなことを伝えなくちゃいけないんですよね。ときには”何でわかんないんだよ!”ってこともあるし、そういうときは戦ってるのかな、と。相手が男性だから何かが違うわけではないし、みんなが”いいものを作ろう”と思ってることも変わりはないですけどね。摩擦が多いほうがおもしろいものが出来る気もするし、いろいろとぶつかりながらも、最後はみんなで笑うのが目標というか」

−−BONNIEさんの場合、曲に対するビジョンも明確だと思うし。今回の『冷たい雨』もそうですが、求める音がハッキリしてますよね?

「あ、そうですね。”どんな音が欲しいか、ハッキリしてる”とは言われます。これは好き、これは嫌いっていうのもすぐに判断するし」

−−欲しいものがわかってないと、手に入れられないですからね。当たり前ですけど。

「うん、それはそうだと思う。小さいときから、人に薦められて何かを買ったことがほとんどないんですよ。みんなが持ってたら、逆に”それは要らない”っていうタイプ(笑)。自分がいちばんに見つけて、それが気に入ったら買うっていう。そういうところは変わってないですね」

−−なるほど。今回、歌詞にも音にも”強さ”を求めたというのは、純粋にドラマの世界観とリンクさせるためですか?

「それもありますけど、自分がいま聴きたい音楽もきっと、そういうものだったんでしょうね。パンチの効いた音を求めていた、というか。去年はわりと穏やかに過ごしてたんですよ。穏やかというか、3・11以降、自分の今後についてもすごく思い悩んだりもして。今年は心機一転じゃないですけど、たまってるパワーを出していこうかな、と。この曲を聴いた人にとっても何かのきっかけになるというか、起爆剤になるようなものにしかったので」

−−歌詞のなかにも「ただ生きたくて/まだ生きたくて」というフレーズもあって。

「メソメソばかりはしてられないなって。ただ、”生きてる”というよりも”生かされてる”という言葉のほうがしっくり来てたんですよ。生かされている以上、もらった命を大切にというか、パワーのある人はどんどん使っていくべきだなって」

−−その思いは、カップリング曲の『keep Crawling』にもつながってますね。

「はい。曲調は違うんですけどね。何て言うか、”みんな、がんばっていこう”っていう(笑)。大きく言うと、そういう感じです」

−−『Keep Crawling』のほうがさらにリアルというか、身につまされる感じもあって。たとえば「強い女は可愛くない/弱い男の台詞でしょう」だったり…。

「まあ、そこは男性に聞いてみたいところですけどね(笑)」

Text●森朋之 

PROFILE

4月16日京都府生まれ。95年、アルバム『Blue Jam』でデビュー。'97年にリリースしたシングル『Heaven's Kitchen』が大ヒットを記録。その後、数々のヒット曲を発表。最新シングル『冷たい雨』は、ドラマ『ダーティ・ママ』の主題歌として現在オンエア中。
BONNIE PINKオフィシャルサイト
冷たい雨SPECIAL WEBSITE
BONNIE PINKをお気に入り登録する

RELEASE

SINGLE
『冷たい雨』
2月29日(水)リリース
1500円(初回限定盤/CD+DVD)
ワーナーミュージックジャパン
WPZL-30362/3

1000円(通常盤/CD)
WPCL-11055


2012.02.28更新

今週のこの人 ラインアップ

  • 山田和樹
    小澤征爾も実力を認める注目の指揮者。クラシック音楽界が熱い視線を注ぐホープの“今”に迫る!
  • さまぁ〜ず
    2年ぶり、9回目の 『さまぁ〜ずライブ』開催。 稀代のコント芸人が、ライブにこだわり続けるそのワケは?
  • 遠藤保仁(ガンバ大阪)
    10年連続Jリーグベストイレブンにも、代表最多出場記録にも歩みを止めない。稀代のMFの飽くなき向上心に迫る
  • 堀北真希
    あくまでも、自然体。 2度目の舞台に挑戦する“国民的女優”の素顔
  • 藤原竜也
    舞台で演じ続けてきた実体験を、 「人生の蓄積」と呼んで胸に刻む。若き天才の次なる挑戦とは…。

バックナンバー一覧へ

100問突撃!インタビュー 100Q



バックナンバー一覧へ

ページTOPへ