ありそうでなかった組み合わせが、この夏、ついに実現する! 菊地成孔率いるペペトルメントアスカラールと、東京スカパラダイスオーケストラという大所帯グループ同士の対決。フェイク・タンゴをコンセプトにしたジャズ・オーケストラと、来年デビュー20周年を迎える、ますます意気盛んな国民的人気グループとが真夏の野音でどのようなエールの交歓を行うのか、興味は尽きない。
菊池 「意外かもしれないですけど、僕、スカパラは前から好きなんです。よく、MTVとかで見ていると、お揃いのスーツとか着ていてみんなカッコいいなあって思うんです。それに華やかだしすごい楽しそうじゃないですか。僕は貧乏臭い音楽とかフォークっぽいのがダメなんですけど、彼らはエンターテインメントとしての音楽っていうか、クレイジーキャッツとかクレイジーケンバンドとかと同じような匂いを感じますね」
と諸手をあげて大賞賛してくれたのは菊地。聞けば、今回の対バンのきっかけとなったのは、スカパラのスタッフが菊地のペペトルメントアスカラールのライブを見に来たこと。ライブにすっかり魅せられたそのスタッフが、まだセッション仕事を多くこなしていた頃の菊地と旧知の仲だったこともあり共演の話を持ちかけたのだという。ポップス系アーティストと対バンすることなど今やほとんどない菊地だが、夏のイベントには欠かせないスカパラ相手に、さて、どれほど“大人な”ステージを見せてくれるのだろうか。
菊池 「いや、そりゃあもう、こっちはスカパラさんの若いファンをこっそり頂戴しようという(笑)。大昔、一度だけ対バンしたことがあるんですよ。それも第一期スパンク・ハッピーで。いつのことだったか覚えてないですけど。オーセンティックなスカ路線も、今の歌モノをやるようになってからも、スカパラは大好きなんで、先にパッと出て、彼らのライブを見ますよ(笑)」
直接の“絡み”が実現するのかどうかは未知数だそうだが、現在、菊地成孔ダブ・セクステットとしての2作目の制作に没頭中で、様々な音楽的アウトプットを持つ菊地がサックス奏者としてスカパラとどうジョイントするのか期待に胸がふくらむ。
菊池 「いやあ、僕なんかがスカパラのステージに出て来ても“前座に出たよくわからない人”くらいにしか思われないですって(笑)」
Text●岡村詩野 Photo●源賀津己
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