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Interview

海外で最も有名な日本のバンドはDIR EN GREYって知ってました?

DIR EN GREY

現在、国内ツアー「TOUR09 FEAST OF V SENSES」を実施中のDIR EN GREYから、ギターのDieとベースのToshiyaにインタビュー。海外で絶大な人気を誇る彼らに、ここ数年の活動を振り返ってもらった。

Text●増田勇一

正直、最初はしんどい取材も多かった

――今年はずっとライブ漬けですよね。5月上旬に決まった3本の追加公演が終わった時点で、もはや56本を消化ということになりますが。

Die「そんなにやってますか?(笑) このペースだと今年は2007年の121本を超えるかもしれないですね。今年後半のスケジュールはまだ具体的じゃないところもあるけど、とにかくライブはガンガンやっていくつもりだし、6月にはヨーロッパでのフェスにもいくつか出ることになっているし」

――ヨーロッパといえば今年最初のツアーがイギリスとアイルランドでした。英国の有力音楽誌、『KERRANG!』主宰のパッケージ・ツアーで、ブリング・ミー・ザ・ホライズンなど他4組のバンドと一緒だったわけですけど。

Die「ああいった形態のツアー自体は過去にも何度か経験してきましたけど、あのときはちょっと勝手が違いましたね。初めての感覚というか。やけに若いバンドが多かったんで」

Toshiya「うん。めずらしく“ややオッサンな気分”だったというか(笑)」

Die「あの手のツアーだと、大概、ライブが終わるとみんなで呑んだりすることになるんですよね。でも今回の場合、10代のバンドとかもいて、未成年相手にそういうわけにもいかなかったし(笑)。正直、ちょっとコミュニケーションがとりにくかったかな」

――ちょうどイギリスに滞在中、『KERRANG!』の表紙(写真はボーカルの京のみ)を飾ることになったんですよね。

Toshiya「あれは素直に嬉しかったですね。でも、編集長には直接言ったんですよ。“どうして5人じゃないの?”って(笑)」

Die「普通はそうですよね(笑)。でも、ま、インパクトを重視してくれたんだろうし、感謝してますよ。すごく光栄なことだと思ってるし」

――『KERRANG!』のような専門誌がすごく真摯に真正面からDIR EN GREYと向き合っているのが素晴らしいな、と思うんです。日本ブームの一部として取り上げているわけじゃなく。編集長のポール・ブラニガン氏も「“日本のバンド”として興味を持ったわけじゃなく、DIR EN GREYそのものに惹かれている」と語っていますし。

Die「正直、最初にヨーロッパに行った2005年頃は、しんどい取材も多かったんですよ。好きなアニメとかを訊かれたり(笑)。かなり温度差があるのを感じましたね。ファンについても同じで、やっぱり時差が当然のごとくあるわけですよ。俺らのライヴを観たいと長年思っていてくれたファンの何割かは、やっぱり昔のDIR EN GREYを求めているようなところもあって。で、なかには“一度観ればそれで満足”という人たちもいたはずだけど、逆に、機会を重ねるごとに新しいオーディエンスに触れていくことになったというか」

Toshiya「新陳代謝してますよね、オーディエンスが。そういった傾向は日本でも当然あるんだけど、海外ではそのスピードがすごく速い気がする。でも自分たちとしては、そこにどんな時差や温度差があろうと“今”に忠実でありたいんですよ。自分たちでは常に“今”がベストだと思ってるわけだし、自分たちがベストだと思ってるものを見せなくちゃ、逆に失礼だとも思うし」

Die「うん。過去は過去ですからね。日本でもやらんようなことを海外用に引っ張り出すというのも、おかしな話だし」

――2月にリリースされたDVD、『A KNOT OF』は、そうした海外での奮闘ぶりをすごくリアルに伝えてくれる作品になっていますよね。

Toshiya「約3年半ぶんの成長記録みたいなもの、ということになるのかな。ここ数年の活動ぶりを知ってもらううえではいいアイテムかな、と思う。入門編的でもあるというか」

Die「過去の流れを大雑把に理解するには好都合でしょうね。逆に今回出る『TOUR08 THE ROSE TRIMS AGAIN』のDVDは、かなり“今”に近い」

――この作品も『A KNOT OF』や最新アルバムの『UROBOROS』と同様、欧米各国でほぼ同時にリリースされることになるんですよね。

Toshiya「ええ。実際、欧米からの要望もすごく強いんです。向こうのファンからすれば、DIR EN GREYのフル・スケールのライブというものを観てみたいわけですよね。正直、まだ国外では、自分たちのやりたいカタチでのライヴを100%の状態ではできていないし、いろんな国の人たちに、現在なりの“母国で自分たちのイメージどおりのライブをやると、こうなる”というものを提示したかったというのもある。同時に、アメリカやヨーロッパでも日本と同じようなライブをできるようになることが、ひとつの目標でもありますね。そういった次元での誤差を減らしていきたいというか」

Die「海外でのツアーでは、関わっているスタッフの人数からして全然違いますからね。1月のイギリス/アイルランド・ツアーのときも、日本からメンバーと一緒に行ったのは、楽器担当のテック2人だけですから。あとはすべて現地のスタッフ。アメリカでも同じですけど、ツアー・バス1台の定員が12人なんで、その範囲内でどうにかしなきゃいけない。ま、KORNみたいなバンドになると、メンバー1人で1台だったりするんですけど(笑)」

Toshiya「ぶっちゃけ、ラクではないですよ(笑)。でも、どんな環境だろうが、ひとつだけ変わらないのは、そこに自分たちの意志があるということ。“なんでそんなことやるの?”と思われるようなことでも、自分たち自身のなかにはそれをやりたい理由があるんです。すべて自分たちで決めていること、選んでいることなんで」

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PROFILE

ディル・アン・グレイ
左からToshiya(b)、薫(g)、京(vo)、Shinya(ds)、Die(g)。1997年2月結成。1998年にインディーズながら日本武道館公演を実施。1999年1月メジャー・デビューし、2002年初のアジア・ツアーを行う。2005年5月に欧州単独公演を開催。これまでに7枚のオリジナル・アルバムを発表している。
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