@ぴあTOP > インタビュー > 藤田俊哉(ロアッソ熊本)
──クラブの施設や環境はどうですか?
「それもまだまだこれから。グラウンドも綺麗な場所を使えますが、クラブのものではないですからね。これからクラブが大きくなっていくためにも、環境や施設を整えていく必要があると思いますよ。実際、生活するにしても、家がないと安定しないじゃないですか。毎日ホテルを転々としていたのでは気持ちも落ち着かない。クラブもそれと同じで、基盤を作らなければならないと思うんです。地域に根付くには、そういう部分も必要ですからね。それがクラブの歴史を作ることにも繋がると思います」
──クラブとして、まだまだ改善すべき部分は多いと?
「そうですね。クラブにとってJ2に昇格したことがゴールじゃない。かといって、J1に昇格することも決してゴールにはならないわけです。見方を変えれば、自分たちのポリシーを貫き、良いクラブであり続けることができるなら、たとえJ2であっても良いと僕は思います。大切なのは、みんなにとって魅力のあるクラブになれるかということ。それを大切にしたいですね」
──まだまだ熊本のサッカーを知らない人が多いと思います。チームが目指すのは、どんなサッカーなのでしょうか?
「北野誠監督が掲げるのは、ボールを大事にし、ポゼッションを高めて攻めるサッカーです。ボールを支配しながら、相手を崩していくサッカーができるチームを作りたいと監督は言っています。まだまだチームとして目指すサッカーは程遠いですね。でも、これから完成度を高めていければ。特に攻撃に関しては、3トップを採用しているわけだし、FW3人の攻撃力を生かして相手に脅威を与えることが大事になると思います」
──その中で藤田選手が与えられている役割や期待されていることは何ですか?
「試合の中でチームのリズムがワンテンポになりやすい嫌いがあるんです。速く攻めるなら速く攻める。ゆっくりならゆっくりという風にね。その中で、僕にはリズムに強弱をつけるプレーを求められています。単調になってしまう流れを変えるのが大きな役割ですね」
──J2初参入の昨シーズンは12位でした。2年目となる今シーズンの目標を聞かせてください。
「クラブとしては10位以内という目標を掲げています。ただ僕個人としては、それを上回る成績で、シーズンを終了できたらとは思いますね。開幕戦は負けてしまったけど(インタビューは3月13日に実施)、J2を初めて経験した感想は、今後も紙一重の勝負になるということ。もしかすると昇格する1位、2位は抜きんでるかもしれません。でも、残りは団子状態になる可能性が高いと思います。それだけに、(ゴールを)決めるところできっちり決めて、勝ち点を上積みしていけば、僕らも良い位置に食い込めるんじゃないかな」
──J2はシーズンが長く、J1に比べると試合数も多いですが、それに対する不安はありませんか?
「自分はJ2を戦うのが初めての経験です。だから、やれるところまで突っ走って、やりながら流れや感覚をつかめればと思います。そのためにもコンディションだけはしっかり整え、ケガをしない。そういうところにも気を遣ってプレーしたいですね。でも逆に、初めての経験なので楽しみでもありますよ。どんな感じなのかなって(笑)。きっと今までとは違う部分もあるだろうし、体にも新しい刺激が入ってくるんじゃないかっていう期待もありますね」
──チームの主軸として、若手にアドバイスや声をかけたりしていますか?
「いや、今までと特別変化はないですね。今まで所属したチームと同じです。僕のほうが経験豊富だからといって、教えるだとか、アドバイスをするというのは自然な姿ではないんじゃないかな。サッカーをする中で、自然に話し合い、コミュニケーションを取る。これはどこのチームでプレーしても一緒。熊本に来たからといって、急に積極的になろうとは思わないし、今までのスタイルを続けていくだけです」
──では、最後に熊本の魅力を教えてください。
「熊本だけじゃなく、九州全体がそうなのかもしれませんが、とにかく食べ物が美味しいです。特に果物がうまい! でも、熊本だったら、やっぱり馬刺かな。この間、馬のレバーを食べたんですが、臭みが本当になくて、すごくおいしかった! ぜひ、熊本に来る機会があったら、一度は食べてもらいたいですね(笑)」