- KREVAがライブで世界初の試み!? 「皆さんは歴史の目撃者!」
(2009年4月24日ニュース)
Text●三宅正一(fixed) Photo●源賀津己
スタイリング●藤本大輔 ヘアメイク●結城藍
“3ヵ月連続配信”という新たな試みとともに2009年の活動を始動したKREVA。意外にも約1年ぶりとなるニュー・シングル『青』は、その配信楽曲のなかから選ばれた『成功』『I Wanna Know You』『生まれてきてありがとう(feat.さかいゆう)』の3曲に新曲『So Sexy』を加えた充実の1枚となっている。いよいよ来月に迫った大阪城ホールと横浜アリーナでのライブ『意味深2』への意気込みも併せて語ってもらった。
――今年の活動はまず“3ヵ月連続配信”という新たな試みとともにスタートしましたね。
「いろいろ勉強になりましたね。例えば曲の出し方についても、次はどういうやり方でリリースしてみたいとかビジョンが明確に見えてきました。配信はいまどんどん主流になってきて、それに異を唱える人もいると思いますけど、まずは実際にトライしてみることが大事だなと思いましたね」
――久々のニュー・シングル『青』は、配信した6曲のなかから『成功』『I Wanna Know You』『生まれてきてありがとう(feat.さかいゆう)』の3曲に新曲『So Sexy』を加えた4曲で、どれもリード曲になり得るほど充実した内容になっていますね。
「ミニ・アルバムのような聴き応えがありますよね。アルバムに向けて早くも中心曲がそろったような感じもあって。いろいろな人に感想を聞くとみんな好きな曲がバラバラなのがおもしろいし、理想的だなと思います」
――1曲目の『成功』はメロウかつクールなトラックとメッセージ性の強いリリックが溶け合っていて、KREVAさんの新たなモードを感じさせてくれます。
「『成功』は、20万円ぐらいする高価なマイクを買って、早くレコーディングで使いたかったからという理由で歌詞を書いたんですよ(笑)。それを事務所の社長に聴かせたら絶賛してくれて。こういう全面的にラップする曲がいまシングルとかだとあまりないから貴重だと。自分でも『成功』なんていうタイトルの曲はなかなかないし、これはいいかもと思いました」
――サビの<お前の成功は俺の成功/俺の成功はどう?/もしそうなりゃ/そりゃもう最高/行けるとこまでどこまでも行こう>というフレーズがとても印象的で。
「この歌詞を書いてるときに、例えば自分の仲間――千晴やSONOMIがこれからもっと成功していくとしたら、それは俺が成功していることと同じことだなと思ったんですよ。それはリスナーもそうで、俺が成功していくことも俺のことを好きでいてくれる人にどこかで反映されると信じているし、その逆もまた同様で」
――この『成功』のアレンジと『生まれてきてありがとう(feat.さかいゆう)』は、昨年から深交を重ねているシンガー・ソングライターのさいかいゆうさんを迎えていて、ふたりの才能の有機的な相乗効果を感じます。
「ゆうは考えていることがすごく自分と近いんですよ。だから、曲をつくっていてもスムーズに進むし、楽しいです。これからもお互い刺激しあっていけたらいいなと思いますね。『生まれてきてありがとう(feat.さかいゆう)』は、原型をゆうがつくってきたんです」
――あ、そうなんですか。
「『クレさんぐらいの存在になったらこれぐらい言わないと』って(笑)。そこからふたりでつくり上げていって」
――かなりの名曲に仕上がりましたね。
「自分らでも『すげえ!』って思いましたね。制作もすごく時間をかけて丁寧につくりました。ゆうとスタジオに入ると1日で5曲ぐらいできるときもあるんですけど、この1曲は相当力を入れましたね」
――ちなみにいまKREVAさんがトラックづくりにおいて課題にしていることは何かありますか?
「課題というのは特にないんですけど、ヒップホップ畑ではない人と一緒にやる作業が増えてきていて、楽器が弾けないジレンマみたいなものがあったりしますね」
――でも、KREVAさんはこれまでヒップホップの方法論でそのジレンマをダイナミックに越えてきたと思うんです。
「そうなんですよ。だからそういうジレンマを覚えると、それを自分にしかできないやり方で自分の曲にぶつけてすごくいいものができたりするんですよ。なので、次のアルバムはちょっとメロウなものになるかもしれないですね。弾けてはいないと思う。そのジレンマをぶつけているから。いまは人と一緒にやるものも含めて取り組まないといけない曲が多いから大変ではあるんですけど、楽しいですよ。間違いなく人生史上最高に忙しいですけど(笑)」
――そして、いよいよ大阪城ホール<4月8日(水)>と横浜アリーナ<4月18日(土)、 19日(日)>で行われるライブ『意味深2』の開催が近づいてきました。KREVAさんの活動においてライブはどういう存在ですか?
「かなりデカい存在だと思いますね。どんどん1回1回のライブがひとつの作品みたいになっているような気もするし。あと、ワンマンでは会場にいるすべての人が俺のことを応援してくれていると思うと怖いぐらいうれしいです(笑)」
――2007年6月に行われたツアー『意味深』では、マジックやダンスなどエンタテインメント性を追求したライブを披露しましたが、今回の『意味深2』はどんなステージになりそうですか?
「今回はマジックとか突拍子もない演出は考えていないですね。ストレートかつシンプルに音楽で遊ぶライブにしたいですね。2009年は“自分超え”と“カッコよく”をテーマにしているので、おもしろ面はあまり出さないと思います(笑)」
――最後に読者へ向けてメッセージをお願いします。
「俺のライブのお客さんはいい人かなり多いので、まだ来たことがない人もぜひその輪のなかに飛び込んでもらえたらと思います!」
3059円
トイズファクトリー/TFCC-88026
- カバーするならコレ!
- Mr.Children『Kind of Love』
- 「このアルバムの中に『車の中でかくれてキスをしよう』って曲があるんだけど、カバー・アルバムが出るあかつきには、この曲をカバーして送りつけてやろうと思ってます(笑)」
3月25日(水)リリース
3360円
キューンレコード/KSCL-1380-1
