Text●細谷美香 Photo●言美歩 スタイリング●奥田ひろ子
衣装協力●SmackyGlam(SANYO SHOKAI)/ルージュルー
/Honey Bunch 渋谷109店 ヘアメイク●大森裕行
小説家や書評家の顔も持つ佐藤江梨子には、文学少女の香りが漂う。脚本を読んでふたつ返事で出演を決めたという映画が『秋深き』。『夫婦善哉』などで知られる昭和の文豪・織田作之助の短編を基にした作品だ。
「監督をはじめ、織田作之助に対する愛があるスタッフが集まって作った映画です。小説家が本当に表現したいことを書いた本は、どんなに時間が経っても色褪せない。この原作にもそういう魅力を感じました」
彼女が演じたのは、“乳房”に惚れた男に健気に愛を捧げるヒロイン、一代。ワケありだけれど悲壮感はない、母性あふれる女性だ。
「『夫婦善哉』の奥さんもそうなのですが、男性よりも一枚上手なんですよね。すべてを自分で引き受ける強さも持っている、すごく素敵な女性。私はまだまだ幼稚だから、彼女のような女性は憧れです」
出演をきっかけに、結婚に対する意識にも変化が訪れたのだとか。
「今は家族のつながりが薄れている時代ですよね。でも一代を演じてみて、人を愛することにはちゃんと意味があるんだって思えた。この作品に挑戦しなかったら結婚に興味がわかなかったかもしれません(笑)」
- 口コミでロングラン中の感動作
- 『おくりびと』
- 遺体を棺に納める“納棺師”の仕事を通して、家族のつながりを描き出す。現在、ロングラン上映中のヒューマン・ドラマ、佐藤さんも「感動してわーわー泣いてしまった」とか。
- 『おくりびと』作品情報&予告編