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Interview

ヒダカトオル(BEST CRUSADERS) こんなワケでベスト盤出します!

ヒダカトオル

2004年のメジャー・デビュー後は、ロック・シーンやライブ・シーンのみならず、それまでのインディーズ時代と比較にならないほど勢力図を拡大していったBEAT CRUSADERS。その期間の集大成というべきベスト・アルバムが登場したのだが、なぜこのタイミングでのリリースなのか。リーダーのヒダカトオルはいつものように頭を高速回転させ、ユーモアたっぷりに応えてくれた。

Text●島田 諭 Photo●源賀津己

「お面のヘンなバンドだってことをあらためて打ち出したい」

――まず、客観的に、ベスト・アルバムというアイテムはどんな意味があるものだとヒダカさんは思いますか?

「バンドがベスト盤を出すってときは、基本的に解散とか(レコード会社)移籍とか、ネガティブな要素があって出すものだと思います。って、いきなり問題発言(笑)」

――じゃあ、ビークルの場合はどんな意味があるものなんですか?

「昨年、ウチは『popdod』というアルバムを出してずっとツアーを廻っていて、そのツアー中に次はなにをするか、メンバーで話し合ったんですけど、3年連続でオリジナル・アルバムはないだろうと。そんなに曲ないし。じゃあ、セオリー的にB面集かライブ盤を出すのがバンドっぽいよねって話していたんですけど、ツアーが後半になるにしたがって、若いお客さんが昔の、『HIT IN THE USA』とか知らないんですよ。当然こっちは『BECK』の曲(テレビアニメの主題歌)だってことで堂々とやるんですけど、意外と反応が薄いっていう(笑)」

――なかなかショッキングなことですよね。

「ええ。それ知られてなかったらウチはなにもないじゃんっていうことで、ベスト盤に切り替えました(笑)!」

――そのベスト盤なんですけど、初回盤と通常盤があって、ビミョーに違う選曲なのはなぜなんですか?

「ただ単にボーナス・トラックがないだけっていうのじゃつまらないんで、世界初だと思うんですけど、通常盤のほうは捨て曲を入れました(笑)」

――ベスト盤なのに捨て曲って(笑)。

「どれが捨て曲かっていうと、カトウタロウ(ギター)の歌う『DANCING QUEEN』(アバのカバー)ですね。マスタリングであらためて聴いたらひどいんですよ(笑)。曲はいいんですよ、もちろん! アレンジもオレが考えているからいいんです。タロウの歌声だけが許せない…ものすごく気持ち悪い(笑)。もし気持ち悪い曲が聴きたい人がいたら、ぜひ通常盤を!」

――自虐的な選曲というわけですか?

「気合いが入っていないというだけですね(笑)。初回盤は気合い入ってますけど! 新曲2曲入ってますから」

――あのー、どっちを買ったらいいんですか?

「初回盤のほうが絶対にいいと思います!」

――そんなこといったら、通常盤をプレスする意味がなくなっちゃうじゃないですか!

「そういうのもおもしろいんじゃないかと。だから、『HIT IN THE USA』は『BECK』で使われた曲ってことを説明するのと同じように、タロウを説明するには『DANCING QUEEN』が一番手っ取り早い(笑)」

――ただ、『HIT IN THE USA』を知らないお客さんがいるっていうのはショッキングですけど、新しいファンがいるってことは非常にウェルカムなことですよね。

「そうですね。入れ替わりが早いです、最近。フェスもここ5年くらいで急速に発展していったじゃないですか。5年間ということは、中学生は大学生になっているわけで、だからお客さんが入れ替わっているのは自然なことだと思うんですよ。そこで、BEAT CRUSADERSはお面のヘンなバンドだってことをあらためて打ち出すのがいいんじゃないかってことで、だからB面集じゃなくてベスト盤だろうと」

――ヒダカさんはビークルのリスナー、もっというとマーケットを想定して活動していると思うんですけど。

「はい、してます。もともと音楽業界のサラリーマンだったんで。でもマーケティングありきでやってたつもりなんですけど、自分がユーザーだったらってことで考えちゃったんですよね。そうすると、B面集でもなく、ライブ盤でもなく、ベスト盤が欲しいんですよ、自分のいまの気分では。自分の裏歴史から掘り下げていっても仕方ないですし。表をちゃんと見せてからじゃないと掘っていく意味はないので」

――表をガンガンに見せていこうと。

「ええ。ただでさえ顔を見せていないですからね(笑)」

――ベスト盤をリリースしたあとのZeppツアーはベスト・ヒットなセットリストになると思うんですけど、なんらかの裏切りも考えていますよね?

「オレはミュージカルをやろうと思ってます(笑)。舞台広いし。みんな引いてますけどね」

――ミュージカル(笑)。ミーティングで話し合っているんですか?

「ウチのミーティング、進まないんですよ。マシータ(ドラム)の暴言が多くて。“満面の笑み”を“満遍の笑み”って言っちゃったり、お店の前に立ってる“のぼり”ってあるじゃないですか。あれを“のろし”って言ったり(笑)。ボキャブラ少ないんですよ」

――ツッコミ入れて、真意を確かめないといけないわけですよね。

「そうです。だから時間だけが過ぎていくので、ミュージカルをやるのは3年くらいかかりそうですね(笑)」

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PROFILE

BEAT CRUSADERS

ビート・クルセイダース
1997年、ヒダカトオル(vo&g)を中心に結成。1999年にシングル『NEVER POP ENOUGH E.P.』でインディーズ・デビュー。精力的なライブ活動を展開し、インディーズ・バンドを代表する人気バンドに。2003年、メンバーがクボタマサヒコ(b&vo)、カトウタロウ(g&vo)、マシータ(ds&cho)、ケイタイモ(key&cho)の5人編成となる。2004年、ミニ・アルバム『A PopCALYPSE NOW 〜地獄のPOP示録〜』でメジャー・デビュー。現在はツアー「ビート・クルセイダースがやって来るヤァ! ヤァ! ヤァ!」と「Oh my ZEPP」を展開中。

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