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Interview

SoulJa
大先輩とのコラボで知った曲作りの進め方と共通点

大物シンガーMisslimとコラボした最新シングル『記念日・home』について、SoulJaを直撃。楽曲の制作や、コラボレーションへの挑戦など、彼のコラボへの情熱を感じてください。

Text:猪又孝(ドゥ・ザ・モンキー)

奇跡のコラボレーションは食事会から始まった!?

――今回のコラボは飯倉にある有名老舗レストラン「キャンティ」で打ち合わせを兼ねた食事会をしたところから始まったそうですね。

SoulJa「それが初対面だったんで、こっちはすごい緊張しましたけどね(笑)。ですけど、Misslimさんがすごいやさしく話しかけてくださって、『ここにいるよ』『そばにいるね』も“すごい良かったよ”と言ってくださって。それで“じゃあ、今度、俺が何か作ってみるんで聴いてもらってもいいですか”ってところから始まったんです」

――彼女の『ANNIVERSARY』をサンプリングしようと思った理由は?

SoulJa「単純にすごいリンクしたんですよ、自分が思ってたコンセプトに。もともと自分の中で“何気ないひとときの大切さ”をコンセプトにした曲を作りたいなと思っていて」

――そう思ってたのはなぜ?

SoulJa「『ここにいるよ』と『そばにいるね』を出したあとに、やたらと友達に恋愛相談されるようになったんですよ。いつから恋愛マスターになったのかわからないんですけど(笑)、「相手が私のことを当たり前だと思ってるのォ」みたいな愚痴をよく聞かされるんですね。でも、それって逆にうらやましいことだなと思って。もともとは他人同士だった人間がそうやって当たり前だと思えるくらい意気投合できるのって幸せなことじゃないかなと。曲の中にも入ってますけど、「おかえり」って一言言われることの幸せだったり、そういう当たり前になってしまってることの大切さを表現したかったんです。そうしたら、そこにあの曲の「♪なぜこんなこと気づかないでいたの♪」っていうラインがずばっとハマった。で、サンプリングするならこれにしたいなって」

――SoulJaさんが作ったデモをMisslimさんに聴かせたときの反応は?

SoulJa「ずーっと黙って聴いてて、終わったら、一言「素晴らしい」って。死ぬかと思いましたけどね、聴いてる途中は(笑)。アレは緊張します」

――曲にはMisslimさんが新たに書き下ろしたパートもあります。

SoulJa 「僕が作ったデモを聴いてもらったあとに、新たにメロディとか入れてもらうのもありですか?って贅沢なことを言わせてもらったんです。そうしたら、次に会ったときに、お互い“おかえり”っていう言葉をキーワードにして書いていて。すごくびっくりしたし、そこが面白かったです」

――楽曲作りでSoulJaさんがテーマにしていたことは何ですか?

SoulJa「自分流のサンプリングの活かし方をすること。普通、サンプリングは原曲のビートだったり、上音だったり、もしくはボーカルをそのまま使うじゃないですか。そうじゃなくて、アレンジャーとしてその素材からもう一個違うトラックを作るみたいな。自分では書かないようなメロディを自分なりにどうやって活かして、どうやってグルーヴを乗せるか。それがテーマでしたし、チャレンジでしたし、勉強になりましたね」

――では、Misslimさんとの作業で勉強になったこと、気づかされたことは?

SoulJa「改めてすごいなと思ったのはMisslimさんの歌詞ですね。具体的に映像が浮かぶような言葉だったり、「え、こういう言葉を曲に使っちゃうの?」みたいな、わかりやす過ぎるくらいの言葉を使うっていう。あとは、大ベテランなのにすごくいい現場の雰囲気を作ってくれるところ。自分なんて彼女にしたらすごくぺーぺーなのに、そういう人間に対しても本気で話し合ったり、“SoulJaのやりたいようにやっていいよ”って任せてくれる余裕がある。今後、自分も他のアーティストとやるときはこういう空間作りが大事だなって思いました」

――一方、カップリングの『home』はどうやって作っていったんですか?

SoulJa「ぶっちゃけ、もともと『home』はやる予定じゃなかったんです(笑)。ただ『記念日』を作ってるうちに、“じゃあ、自分にとっての何気ないひとときの大切さを感じられる場所はどこか? それが自分の居場所なんじゃないか?”って思ったんですね。それで自分の中で物語が続いていっちゃって、Misslimさんに「すいません。こういうアイデアもあるんですけどどうですか?」って、またお伺いを立てて(笑)。そしたら快く応えて頂けたんですよね」

――今度は、彼女が『記念日』で書き下ろした「♪おかえりなさい♪」のところの歌詞とメロディを使っていますね。

SoulJa「そう。そのパートが好きだったし、そこが『home』にすごく合うなと思っていたので、そこを使って続き感を出そうと。『記念日』は僕が初めてメロディを書かなかった曲だったんですね。だから、今度は僕が作曲家として、Misslimさんにはどんなメロディが合うんだろ?っていうところを意識して書きました」

――この曲で表現したかった大切な居場所というのは?

SoulJa「自分の家でもいいですし、仲間だったり、恋人だったり、親だったり、ペットでもいい。誰もいない真っ暗な家に帰ってきたときに、ペットでもいたら全然気分が違うじゃないですか。帰り道に自分のマンションから光が見えたら、その光がどんだけ支えになるだろうって。そういうことを『home』で表現したかったんですよね」

――ちなみになんですが。『ANNIVERSARY』のオリジナル・シングルのカップリング曲が『ホームワーク』っていうタイトルなのは知ってました?

SoulJa「マジで!? 全然知らなかったですよ! タイトルを付けたのは僕なんですけど何にも言ってなかったし。でも不思議な縁ですね、なんか嬉しいです(笑)」

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PROFILE

SoulJa
音楽家である母親の影響で、幼少よりバイオリン、チェロ、ピアノなど音楽に触れて育つ。母親の母国であるベルギー、アメリカ、日本など各国を転々とする中でラップに開眼。2007年2月、シングル『DOGG POUND』でメジャー・デビュー。同年9月に発表した3rdシングル『ここにいるよfeat.青山テルマ』がロング・ヒットを記録し、そのアンサーソング『そばにいるね』も2008年の上半期最大のヒットとなる。
公式サイト

INFORMATION

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SINGLE

SoulJa×Misslim
『記念日・home』
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