今年16年振りに再結成を果たしたユニコーン。気になる再結成の経緯、久しぶりに集まって曲作りやレコーディングの時に感じたこと、そして控えている全国ツアーへの意気込みを5人に訊いた。
Text●兼田達矢
――まずは、再結成に至ったきっかけから聞かせてください。
川西「ええっと……、なんだっけ?」
阿部「ほとんど会ってなかったんですけど……」
奥田「決めとこうぜ、言うこと。絶対、聞かれるんだから」
川西「ああ」
奥田「“ああ”じゃなくて(笑)。リーダーがビシッと言わないと!」
川西「いや、言おうと思ったんだけど、面倒くさくなっちゃって、誰かにふろうかなって……」
奥田「もう、決めたからね。きっかけはリーダー担当! 毎回違っててもいいから。僕らはなんでも“うんうん。そうそう”って言うから」
川西「(笑)。僕と阿部と民生が何回かイベントで一緒に出たりとか、僕以外の4人がスタッフの結婚式で余興で演奏したりとかあって、なんとなくそれぞれに接点はあったんですけど。一昨年の暮れに阿部と二人で飲んだ時に、“5人で集まって新しい曲を作ったら面白いんじゃないの”っていう話になって、それで始まったんです。その後、5人で会ったんですけど、それはすごく久しぶりだったんですよね。それこそ15年ぶりくらい。で、リリースどうのこうのっていうんじゃなくて、とにかく新しい曲を作って、レコーディングしてみようよっていう」
――最初の川西+阿部会談はどちらが連絡したんですか?
阿部「僕から電話したんです。話の内容は言わなかったんですけど、会おうかって。そのとき、僕はちょうど渋谷のラブホテルにいて……」
川西「僕が隣の部屋にいて……」
奥田「なんで、隣にいるってわかるんじゃい(笑)」
川西「フロントで“阿部さん、来てますか?”って聞いて」
奥田「すごい、行きつけじゃん(笑)」
阿部「(笑)。再結成と言っても、僕一人で決められることじゃないですからね。先抜けしたのに一応リーダーなんで(笑)、やっぱりお伺いはたてないと。で、電話したら、いまから飲もうって話になって。誰かと飲んでたみたいだったんですけど、早めに切り上げてくれて、電話したその日に会ったんです」
――もう1回やろうという話を聞いて、どう思いましたか?
手島「僕は、普通に新年会に呼ばれて行って、そしたら“やることになったから”という話で。もう、ハイ、ハイって感じでしたけど。その半年前に、スタッフの結婚式の余興でとても楽しくやれたので。というか、今もそうですけど、楽器を持たなくてもこの5人が集まると、誰かが何かを言い、誰かが突っ込んで笑いが生まれるという。それは、ただの飲み会でも楽しいじゃないですか。だから、暢気に出かけて行ったら、やるという話になってたんで、やりましょうって」
奥田「はい、やりますって(笑)。で、話して、とりあえず曲を作ってまた集まろう、と。曲が出てくれば、放っといても進むじゃないのって思ってたんですけどね。レコーディングをすると、昔やってて面白かったことを思い出したりするだろうし。レコーディングは人前に出ていくわけじゃなくてオレらだけでやることだから、すごく自然にできるんじゃないかなと思って」
――曲作りについては、ユニコーンということは意識しましたか?
EBI「いやあ、相変わらずなんですよね。素のままで、そのときに出てきたものを曲にして出すっていう」
川西「新しい感じをやろうとか、べつにそういうことは考えなかったですよ。ユニコーンだからどうってことは考えなくて、ただできたものを出しただけで。ただ、それをこの人たちだったらどう料理するのかな?というのがすごく楽しみだし。だから、特に何かを意識したということはないですけどね」
――曲が揃えば、次はレコーディングということになりますが、久しぶりにユニコーンとしてスタジオに入ってみて、いかがでしたか?
EBI「最初に音出すときは、ドキドキでしたよ。でも、実際に合わせてみると、古巣に戻ってきたなあという感じがすごくしましたね。何も変わってない。それが凄いなあって思いました。バンドって凄いなあって」
阿部「元々ユニコーンというバンドは音楽に純粋にぶつかっていたところがあったと思うんですよ。たとえば誰か戦略的なことを考える人間がいて、その作戦にのっかって転がっていったようなバンドじゃなくて。で、その姿勢というのは最初に音楽に携わった姿勢だと思うんです。そういうやり方を最初にやってる以上、他のところでやっても、時間がずいぶん経ったとしても、そこは変わらないんですよね。だから、最初にこのバンドで経験したことが良いように作用したのかなというふうには思いますけどね」
――アルバム・ジャケットはタイトル・ロゴもデザインもどこかで見たような気がしますが……。
奥田「駄目ですよ、答を書いちゃあ。書くんなら、『○○○じかけの○○○ジ』と『○ーン』にしといてください(笑)」
――最後にツアーに向けての意気込みを。
手島「息切れは、アタマからすると思うんです。で、こと切れるかどうかっていうところじゃないですかね」
阿部「正直なところ、まだリハに入っていないのでどうなるかはわからないですけど、まあ、今のコスプレ・ブームを作ったオレたちとしては、その期待にはしっかり応えたいと思っています」
奥田「(笑)。そんな自負があったんだ……」