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Interview

チャットモンチー
素直に気持ちが込められた 今が詰まったミディアム・ナンバー

9枚目となるニュー・シングル『染まるよ』が、11月5日に発売になった。発表するごとに、楽曲に対する思いが深まっている彼女たちに、本作の制作過程、曲に込めたモノについて話を聞いた。

Text:小野島大 Photo:源賀津己

やりたいことが明確になってきた

――チャットモンチーはシングルごとにかなり明確にやりたいことを決めているんですか。

橋本 「そうですね。今のこのチャットモンチーの曲をぜひ聴いてもらいたい、という強い思いがないと出す意味もないと思うし、前の続きです、みたいなのじゃ、シングルにする意味もないと思うんです。アーティストが今どういうことをやりたがってるのか見えたほうが、聴く人も面白いと思うし。だから、どう見せたいかというのは、いつも考えながらやってます。今回の曲はゆっくりしたテンポですけど、(ここ最近のシングルで)速い曲が3曲も続いたらおもしろくないだろうなと思って、流れも考えてゆったりした曲を持ってきたほうがいいと思いました」

高橋 「やりたいことがより明確になってきてるんです。自分たちで船の行き先を決めたい、という思いが以前にも増して強くなってきてる。自分たちが世の中にどう見られたいかというのを、今までより時間をかけて考えるようになったんです。だからアーティスト写真とかCDのジャケットとかホームページにしても、提案をどんどんするようになってる。音楽を聴いてる人の目にどういう風に留まるかっていうのを気にしてやってますね。『生命力』が終わってぐらいからかな。いろんなことを全部プロデュースしたいと思うようになったのは」

――そうすることによって、作風は何か変わってきましたか?

高橋「音楽に関しても歌詞に関しても、新しいことをやっていこうっていう気持ちはすごく強くなっていて。今回の『染まるよ』も、あっこちゃん(福岡)の作詞では今までとはちょっと違うものだなと思っているし。曲やアレンジに関してもずっと同じところに留まっていることが出来ないんですよね。面白いこととか提案っていうのは、やっていきたいなって常に思ってるから」

――福岡さんとしたら、どちらかというとカップリングの『RPG』の方が従来の作風に近いと思うんですけど。

福岡「そうですね。ああいう書き方のほうが書きやすいですね。『染まるよ』は、本当にこういう時期に、こういう気持ちで書いたんですけど、そういう(素直に気持ちを出す)ことが今まであんまりなくて。その時の感情を思いっきり詞にする以前に、作品ってことをいつも考えてたから。とりあえず感情任せに書いた歌詞も、しばらく経って見直して作品ぽく仕上げるというところもあったんです。でも今回のは本当にシングルになるとか何も決まってなくて、本当に3人で“次、バラード作ってみようか”みたいな雰囲気の時に作ったから。何の制限もなく始めた曲だったんです。まあ歌詞は私だけの気持ちで書いたものですけど、曲は本当に“こういうのを今鳴らしたいんやな”っていうのが、すごいよく分かる曲ですね」

同世代にも響くような楽曲作り

――今までの歌詞はなんとなく<女の子>っぽい感じだとしたら、今回は<女性>という言い方が相応しいかなと思いました。

福岡「もともと女性らしさを出したかったんですけど、歌詞の中でどういう風に出していいか分からなかったり。やっぱり皮肉だったり、言い換えみたいなのを入れると、どうしてもポップな印象になったり若く見えたり。でも私も25歳ですからね(笑)。一応大人の女性の年齢じゃないですか。でも、みんなが思ってる印象が、多分若いっていうのがあるんですよね、チャットモンチーに対して。だから<タバコ>っていうキーワードが入ってくることで、えっちゃん(橋本)が歌ったらどうなるかな、とかいうのは考えました」

――自分たちの実年齢よりも若く見られることに抵抗があったと。

福岡「抵抗ではないんですけど、実年齢に近付けたいっていう思いはあって。しかも、自分のこの年齢の人がやってるロックを、まずは同年代の人に受け入れられないって、おかしい事だと思っていて。“共感します”って言われる子が自分より年下っていうのはもちろん嬉しいんですけど、その前に同い年の人に共感してもらいたい。しかも、最近ロック聴かない人が多いんですよ、25歳とかで卒業しちゃって。そういう人に届かないのは、やっぱり惜しいし、もうちょっと取り戻したいし、“聴いて欲しいな”って純粋に思ったんで」

橋本「そう、純粋にもっと同じ世代の女の人男の人にも聴いてもらえたらいいなって思うようになったんです」

――背伸びしたわけじゃない。

福岡「そう。狙って大人っぽいことをしようと思ったわけじゃない。背伸びしたわけではないし、本当に素の自分を歌詞では出して。サウンドも本当に絞って絞って、すごくタイトやけどいろいろ緻密に作ってあって。だから今回のシングルで“チャットモンチーってこういうバンドやな”と再確認してもらえたらいいなって思います」

特集「チャットモンチーがこんなに支持される理由」(2008年11月6日掲載)
特集「チャットモンチー、4年目の自信!」(2009年3月12日掲載)
「これが今のチャットモンチーです」そう言い切れる最新アルバム(2009年3月12日掲載)

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PROFILE

チャットモンチー
橋本絵莉子(vo&g)、福岡晃子(b)、高橋久美子(ds)の3ピースロックバンド。地元・徳島にて2004年に現在のメンバーとなり、2005年11月、元SUPERCARのいしわたり淳治プロデュースによりミニ・アルバム『chatmonchy has come』でデビュー。2007年10月にリリースした2ndアルバム『生命力』がオリコンウィークリーチャート初登場2位を記録し、今年3月31日・4月1日に行った日本武道館2DAYSを完売させ大成功を収めた。
公式サイト
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SINGLE

『染まるよ』
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1223円 / KSCL-1301
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DVD

『チャットモンチー レストラン メインディッシュ』
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5040円 / KSBL-5902〜3
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