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Interview

メロン記念日 突然の解散発表 その真相に迫る!

メロン記念日

2月19日に活動10周年を迎えたメロン記念日。その日に彼女たちは、渋谷AXを舞台に10周年記念コンサートを開催した。その舞台上で発したのが、「メロン記念日は解散します」という衝撃的な言葉だった。その真相を、ここではじっくりと伺いつつ、ライブを一番の魅力にしていたアイドル・グループとして残り少ないメロン記念日のライブへ向けての想いも、同時に聴いてきた。

Text●長澤智典

形はなくなっても、心の中からは決して消えないよ

――デビュー10周年を記念したライブのステージ上、メンバー自ら告げた「メロン記念日、解散」の言葉。率直にお聞きします。なぜ“解散”を決めたのですか?

斉藤「2〜3年前頃から、『今の状態なら10周年は迎えられそう』という状況が見えてきました。その頃に目標としていたのが、『10周年まではがんばろう』ということ。その10周年へ向かっていく中で出てきたのが、昨年から行ってきた“メロン記念日ロック化計画(*1)”だったんです。そのロック化計画を押し進めながら、同時に“10周年以降のメロン記念日が進むべき道”のことを考え続けてきた中で出てきたのが、『今のメロン記念日はすごくいい状況を作れるようになってきた。だからこそ10年目という節目をきっかけに、とても良い状態のまま解散というケジメを付けるのも、メロン記念日なりのロックな生き様として格好いいんじゃないか』という想いでした。さらに各メンバーの中へ、『これからは、それぞれが自分の道を歩いてく時期だろう』という気持ちも大きくなり始めたことから、そう決意したわけなんです」

――ロックなメロン記念日という新しいスタイルが、確実に認知され始めていただけに、「解散」発言は、すごくもったいない気がしています。

斉藤「まわりからも、『これからだったのに』『もったいない』『残念』など、いろいろ言われますけど。むしろ、その声が上がっている時期に身を引くのも、メロン記念日らしい進み方なんですよ」

――メロン記念日の場合、ライブを通してファンたちとの熱い絆を作り続けてきました。しかもライブ経験を重ねることで、メロン記念日の進むべき道を築きあげることが出来た。そんな印象も、強く覚えます。

斉藤「『メロン記念日ってこういう路線が似合うんじゃない?』『自分たちの武器は何? ロックな楽曲を表現していくのもひとつの武器だよね』と気づかせてくれたのは、ライブに足繁く通ってくれるファンたちのおかげでしたからね」

柴田「長く活動を続けていく中、メロン記念日には“CDを出せなくなった時期”がありました。ふたたび出せてもインディーズ盤だったり、ファンクラブ限定だったり。テレビ番組への露出が極端に減ってしまった頃だって、ありました。そんなときに私たちを支えてくれたのがライブであり、ファンの人たちの、メロン記念日を支えてくれる熱狂的な声援だったんです。それがあったからこそ、ロックというスタイルにも結びついたわけですから」

大谷「正直、10年間やっていけるとは、自分たちでも思っていなかったですからね。だけど、メロン記念日のデビュー日に当たる2月19日にイベントやライブを行うたびに、ファンの人たちが「○周年おめでとう」とボードを掲げてくれるんですよ。その数字が“7”や“8”となるたびに、『あとちょっとで10年。まだまだここで終わるわけにはいかない』という気持ちにもなっていましたからね」

――このグループをいつまで続けられるのか、その不安を抱えていた時期もあったんですか!?

柴田「不安は常に持ってました」

村田「ライブの後半で、『お知らせがあります』と言うと、一瞬静まりかえる時期があったんです」

大谷「『まさかっ!?』と思われてたと言うか」

斉藤「『解散?』というヤジを入れられたり、ファンの人たちもメロン記念日が存続していけるかについては、薄々危険性を感じていたようなんです」

――まさか、それが現実のものになるとは……。

斉藤「ステージ上で『解散発言』をしたときは、一瞬みんな信じていなかったんです。だけど、真剣に解散に対する想いを話し続けたら、『これは本当のことなんだ』とファンの人たちも気づいたって言うか」

――その発言をしたのは、斉藤さんでした。あのときは、どんな心境だったんですか?

斉藤「ファンのみなさんは、10周年をお祝いするためライブに駆けつけてくれたわけじゃないですか。しかも、アルバム『MELON'S NOT DEAD』も発売したばかり。でも私たちは重大発表を抱えていながらのステージだったので、すごく楽しめる瞬間と、『あ〜この後に言うんだなぁ』という心よぎる気持ちとの狭間の中でライブを行っていました」

村田「むしろ、解散宣言をしたことで心の荷が降りたっていうか。『ついに現実になったんだなぁ』という風に思ってしまった面があったのも確かです」

―― ロック化計画を行ったことで、着実に新しいファン層の広がりや、他ジャンルの人たちからの興味の視線が多くなっていたじゃないですか。その勢いを継続しようとは思わなかったんですか?

斉藤「“ロック化計画”自体は、すごく良い成果を上げたと思ってますけど。でも同時に、あの計画は、いろんな人たちの力があったからこそ成り立てたこと。わたしたちは楽器を演奏したり、自分たちで楽曲を創作してきたわけじゃない。そこで覚えたジレンマも、ケジメを付けるひとつの要因になっていきました」

――アルバム『MELON'S NOT DEAD』を発売したばかりなのに、まさか“MELON'S DEAD”になってしまうとは……。

斉藤「いやいやいや。アルバムに収録した『ALWAYS LOVE YOU』を聞いていただければ、私たちの気持ちをわかっていただけると思うのですが。この曲、『形はなくなっても、心の中からは決して消えないよ』という4人の想いを、BEAT CRUSADERSのヒダカさんに話したうえで作っていただいた楽曲なんです。だからこそ、私たち4人の中では、メロン記念日を通して得た絆は、永遠に“MELON'S NOT DEAD”なんですよ」

柴田「ファンのみなさんの心の中にも、ずっとそうあることを、私たちは信じていますから」

――残されたライブ本数には限りがあります。まずは4月4日、渋谷O-EASTを舞台に、ゲストへ飯田香織・安倍なつみ・保田圭・矢口真里・石川梨華・吉澤ひとみ・前田有紀・松浦亜弥を迎えたライブ『LAST MELON GREETING』が控えています。

柴田「デビュー以降、ずっとお世話になってきたハロープロジェクト時代の仲間たちに、卒業式をしていただく。そんな内容になりそうです」

斉藤「メロン記念日が解散を決めたとき、これだけの仲間が集まり、一緒にステージを彩ってくれる。あらためてハロープロジェクト時代に培った絆や結束を感じましたし。それを見せてゆくステージにもなっていくと思います」

村田「このメンバーと一緒にステージに上がったら、きっと昔のことを思い出し、つい感情が込み上げてくる可能性が大な気がする……」

斉藤「うちらにとっても、原点となる仲間たちだからね。泣けちゃう気持ちも、すっごくわかる」

――そして4月からは、『メロン記念日 FINAL TOUR“MELON'S NOT DEAD”』がスタート。5月3日の中野サンプラザは、本当の意味でのファイナル・ステージになります。

斉藤「湿っぽく終わるのはメロン記念日らしくないので、いつものように“ドッカ〜ン”とデッカイ花火を打ち上げながら終わろうと思っています」

村田「あまり“最後”というのを意識することなく、純粋にライブを楽しんでいきたいですからね。ホント湿っぽいステージは、メロン記念日には似合わない……、とはいえ、最後はどうなるかわかんないけど」

大谷「泣きながら、『おいっ!! おいっ!!』と言ってそうな気がする(笑)」

――ファイナル・ツアーへ先駆け、シングルのカップリング曲ばかりを集めたベスト盤『URA MELON』も、4月21日に発売になります。

斉藤「ライブで歌っている楽曲もたくさん入っています。カップリングにも名曲が多いんですよね。しかも初期のシングル盤は、もう廃盤になって手に入らないだけに、ぜひこの機会に手にしていただけたらなと思っています。ここには、2月19日に渋谷AXで行ったライブの模様や、わたしたちの想いを詰め込んだ『ALWAYS LOVE YOU』のMUSIC CLIPなど、いろんな特典映像の入ったDVDも付いていますので」

――最後に、メンバーからひと言ずつ、ファイナル公演へ向けてのメッセージをいただけますか?

村田「メロン記念日にとってライブは、とても神聖な場所。そのライブで活動を終えられるのは、すごく嬉しいことなんです。だからこそファイナルを意識することなく、1曲1曲メロン記念日らしさを発揮しつつ。きっと私たちとファンの人たちとの、ものすごいエネルギーのぶつけ合いになりそう。一生消えない思い出の一夜にするためにも、本当に楽しんでいこうと思ってます」

斉藤「限りある、残されたライブの本数。その時間を、ともに悔いのないよう過ごしましょう。その想いに尽きます」

大谷「きっと涙は出るんだろうなぁ。『ありがとう』という気持ちからグシャグシャになっちゃうかもしれないけど、絶対にいい涙になるように、一瞬一瞬を楽しみながら、自分の記憶の中へしっかり刻んでゆけるライブにしていくつもりです」

柴田「中野サンプラザは、メロン記念日として初めてステージに上がった場所。その頃のことも思い出しちゃうかも……と思いつつ。10年間の感謝の気持ちを歌声に込め、こうやってステージに立っていられることの幸せを噛みしめながら、最後は思いきり楽しんで終わりたいなと思っています」

*1 メロン記念日ロック化計画とは……ロック・ミュージシャン×メロン記念日により新曲をリリース。第1弾はBEAT CRUSADERSと『DON'T SAY GOOD-BYE』、第2弾ニューロティカと『ピンチはチャンス バカになろうぜ!』、第3弾はミドリと『sweet suicide summer story』、第4弾はTHE COLLECTORSと『青春・オン・ザ・ロード』、第5弾はGOING UNDER GROUNDと『メロンティー』の5タイトルのシングルをリリース。今年2月には、レピッシュのMAGUMI&杉本恭一、中山加奈子(元プリンセス プリンセス)らが参加した集大成アルバム『MELON’S NOT DEAD』をリリースした。

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PROFILE

メロンキネンビ
斉藤瞳、村田めぐみ、大谷雅恵、柴田あゆみの4人組。1999年、第2回モーニング娘。&平家みちよ妹分オーディションで選ばれた4人でメロン記念日を結成。2000年2月19日にシングル『甘いあなたの味』でデビューし、シングル23枚、アルバム4枚をリリース。10周年を迎えた今年、解散を発表した。
公式サイト

INFORMATION

  • メロン記念日のラストツアー『MELON'S NOT DEAD』は、4月24日(土)Zepp Osaka、25日(日)名古屋ダイアモンドホール、5月3日(祝・月)中野サンプラザで開催。

チケット情報

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ALBUM

アルバム『MELON'S NOT DEAD』

『MELON'S NOT DEAD』
発売中
EPCE-5692〜3
3150円/zetima

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カップリングベスト『URA MELON』

カップリングベスト『URA MELON』
4月21日(水)発売
EPCE-5702〜3
5000円/zetima

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