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Interview

シン・ミナ 「小さくてもいい映画を」韓国トップ女優の心意気をキャッチ!

シン・ミナ

Text●木村友美 Photo●イシイノブミ

思わずこちらが微笑んでしまうほどの愛らしい笑顔と、抜群のスタイルで韓国ではCM女王、ファッション・アイコンとしても人気のシン・ミナ。また、イ・ビョンホン、チャン・ドンゴン、ウォンビン、チョ・インソン、RAIN、ヒョンビン……と、日本でも人気の韓流スターとの共演も多く、彼女の存在をご存知の方も多いのではないだろうか。そんな彼女が映画『今、このままがいい』のPRのため来日したところをキャッチ。異父姉妹の姉と共に自分を捨てた父を探す物語の中で、繊細な心の機微を見事に演じ、新たな一面を見せ、さらにトップ女優の座に君臨しながらも“低予算”“インディーズ”といわれる本作になぜ出演を決めたのか……。ゆっくりと和やかに進められたインタビューで見えてきたのは、笑顔の裏に隠された女優としての強い意志、そして演技にかける熱い思いだった。

女性の感情に添ったストーリーが一番の魅力

――先日の舞台挨拶で、本作を“女性の映画”であると強調していたのが印象的でした。今まで演じてきた作品の中で“『今、このままがいい』が一番好き”ともおっしゃってましたよね。それほどまでに、本作にひかれた理由はどこにあったのでしょうか?

「この物語の一番重要な“秘密”の部分に魅力を感じたことはもちろんなんですが、何よりも、女性の感情に添ってストーリーが展開されていくことに一番魅力を感じました。日本でもそうだと思いますが、韓国では特に男性が主役の映画が多くて、女性メインの作品というのはあまり多くないんですね。ましてや女性監督の作品というのも……。ですから今回は、女性が作った映画であることと、女性の感情の変化に添ったものであったことが大きかったです」

――監督が女性ということで、今までお仕事されてきた男性監督とは違う「あっ、これ女性っぽいな」と思った演出などはありましたか?

「この映画のキャラクター達は、ほとんどが女性です。母も姉も姪も周囲はすべて女性。なので、女性的な感情表現がシーンごとに出ていると思います。特にあげるとしたら、本当に細かなシーンですが、姉が妹のメイク・クレンジングを使ってしまって、それを見て妹が怒るとか。それって、女性ならありえるじゃないですか(笑)。あとは、そんなに本心では思ってもいないのに『ホテルが汚いから出よう!』とわめいてみたりするような所などですかね」

――今回演じたミョンウンという女性は、今までシン・ミナさんが演じてこられてきた役には見られない、感情を抑えすぎているかと思えば、時に感情を爆発させたりといった新しいキャラクターでした。でも、お友達はシン・ミナさん自身と似ているとおっしゃっていたとか(笑)。ご自身では、ご自分をどんな性格だと思いますか?

「自分では明るくて、優しくて……(笑)、積極的で、活動的だと思っているんですけれど、まわりの人には"結構冷たいところもある"と言われる時もあります(笑)」

――では、シン・ミナさんが「魅力的だなと思う女性像」は?

「女性、男性というよりも、人間的にほかの人に対して“施せる人”“返してあげられる人”というのが私は魅力的だと思いますね」

――それは、この作品のテーマでもある“受け入れることの難しさ”にも通じるものがあると思いますが、今作の見どころのひとつとして、シン・ミナさん演じるミョンウンが、強烈に感情を爆発させるシーンがありますが、難しかった点や、自分なりに工夫したことはありましたか?

「理解して許すこと、受け入れることは私も本当に難しいと思います。でもこの劇中での“感情を爆発させるシーン”は、もうすでに“許している”部分ではないかと私は思ったんですね。彼女自身も強い罪悪感のようなものがあって、言葉では表せない感情を爆発させることでしか表現できなかったのではないかと思います。その部分は、私も演じていて本当に難しかったです。注意して演じました」

シン・ミナ

――舞台挨拶では「やっと認められてきた」とおっしゃっていました。今まで本当にいろんな役やたくさんのCMに出演されてきましたけど、常に世間が持つイメージを変えていきたいという思いはありますか?

「そうですね、私自身がちょっと飽きやすい性格というのもあるかもしれないんですけど(笑)、いろんなものにチャレンジしてこそ楽しいと思えるので、“常に変わっていく”というのが私の夢でもあります」

――シン・ミナさんにとって、“演じる”とはどんな意味を持ちますか?

「演技自体がとても面白いと思いますし、楽しんでやっているんです。もともと私は映画を観るのも好きですし、映画自体も好きです。今まで商業映画にたくさん出て、私自身もそこで女優として育ちましたし、今後もそういう作品をやっていくとは思うんですが、ただそれだけではなく、今回の作品のようないわゆる“小さい映画”と言われるものだとしても、質の良い作品に出演して、色んな俳優としての私をみなさんにお見せしていきたいと思います」

――個人的にですが。韓国の女優さんたちを日本の方にもっと知ってもらいたいと思っているんです。シン・ミナさんは今後日本の作品に出演してみたいというような考えはありますか? また日本の俳優で共演してみたい人などはいますか?

「作品オファーがあればもちろん出演してみたいと思ってますよ。私も日本映画が好きで、よく観ているんですよ。共演してみたい方は……うーん、“特にこの人!”という方はいないんですが、岩井俊二監督の作品や北野武監督の『3-4x10月』などはとても物静かな作品で、心惹かれる作品です。そんな作品にいつか出演できたらいいなと思いますね」

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PROFILE

シン・ミナ
1984年4月5日生まれ。ファッション雑誌『キキ』の専属モデルとして活躍し、2001年にドラマ『美しき日々』で女優デビュー。最新映画『今、このままがいい』で主演を果たしている。

INFORMATION

  • 主演映画『今、このままがいい』は、東京・ポレポレ東中野にて開催中の『真!韓国映画祭』にて3月19日(金)まで上映!
  • チケット情報


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